1. トップ
  2. 恋愛
  3. 【実話映画】海女さんチーム│密輸王│税関の海中バトル!『密輸 1970』公開中!【伊藤さとりのシネマでぷる肌‼】

【実話映画】海女さんチーム│密輸王│税関の海中バトル!『密輸 1970』公開中!【伊藤さとりのシネマでぷる肌‼】

  • 2024.7.17

映画パーソナリティ・心理カウンセラーの伊藤さとりさんが、お肌も心もぷるっと潤う映画を紹介する連載。今回は、公開中の韓国映画『密輸 1970』。1970年代の韓国の漁村で行われていた密輸という史実をもとにした、韓国大ヒット映画が絶賛公開中!!


韓国の漁村を舞台にさまざまな物語が展開

海女さんが主人公?! それでいてクライムサスペンスで、友情モノで、ガンアクションありのサメ映画でもあるって?! これが抜群に面白くって、第44回青龍映画賞では作品賞、助演男優賞(チョ・インソン)、新人女優賞(コ・ミンシ)、音楽賞に輝いたのも納得だし、韓国の2023年度興行収入ランキング3位を記録したのも頷けます。そんなオモシロ映画を生み出したリュ・スンワン監督は本作で第59回大鐘賞・監督賞も受賞しました。

ちなみにこの作品は、史実に基づくオリジナル脚本。そもそも1970年代の韓国では、沖合での密輸犯罪が盛んだったそうで、そこに海女さんバトルを思いついた監督ら製作陣が、エンターテインメント大作として製作したのでした。

思えばリュ・スンワン監督の作風というと『生き残るための3つの取引』(2010)や『ベテラン』(2015)などのアクション&クライムサスペンスが頭に浮かぶのと、『ベルリンファイル』(2013)や『モガディシュ 脱出までの14日間』(2021)といった世界を舞台にした男達の緊張感あるドラマという印象があります。そんな監督が、初めて50代前半のベテラン女性たちを主人公に、密輸という海外と繋がるテーマのシスターフッド映画に挑戦! 主演には『国家が破産する日』(2018)ほか映画やドラマに大活躍のキム・ヘスと、『箪笥』(2003)や『人生は、美しい』(2022)、大ヒットドラマ「SKYキャッスル」のヨム・ジョンアを抜擢し、親友同士の海女さんという設定なのがまた意味深いのです。

70年代の音楽やファッションが華やかに彩る

というのも韓国では、中年と言われる世代の女性たちが主人公の映画は、興行的にも難しいと言われていました。それは日本でも同じで、もともと多くのファンを持つ女優以外は、この世代での主演作の映画製作は、収益が見込めないのではと着手できない状況下にあります。それでも韓国では大人の女性たちの友情物語『サニー 永遠の仲間たち』(2011)が大ヒットを記録、日本でも篠原涼子主演でリメイク版が公開された実績があります。

実は本作も70年代、80年代を舞台にした『サニー 永遠の仲間たち』と同じく、当時流行った歌謡曲が多く使われています。まさに70年代を象徴する音楽と女性たちのファッションやメイクで彩られたレトロ感が懐かしさと共にお洒落な雰囲気を漂わせ、画を華やかにしているのもポイントです。そこにリュ・スンワン監督が得意とする視覚的にも楽しめるアクションなどのインパクトあるカットや大胆なカメラワーク、頭脳戦まで繰り広げられるテンポあるセリフの掛け合いと気持ちの良い編集が加わり、ラストまで息つく暇もないスリリングでゴージャスな映画になったのです。

しかも女同士の友情や嫉妬、愛憎が入り混じり、それでも保たれ続ける絆に泣けちゃう。更にこの水中アクションに参加したすべての人に拍手を送りたい。今まで見たこともない美しくも面白いシーンに興奮が止まらなかったのだから。
——伊藤さとり

☑全国にて絶賛公開中! 『密輸 1970』

【あらすじ】1970年代半ば、韓国の漁村クンチョン。海が化学工場の廃棄物で汚され、地元の海女さんチームが失職の危機に直面する。
リーダーのジンスクは仲間の生活を守るため、海底から密輸品を引き上げる仕事を請け負うことに。ところが作業中に税関の摘発に遭い、ジンスクは刑務所送りとなり、彼女の親友チュンジャだけが現場から逃亡した。
その2年後、ソウルからクンチョンに舞い戻ってきたチュンジャは、出所したジンスクに新たな密輸のもうけ話を持ちかけるが、ジンスクはチュンジャへの不信感を拭えない。
密輸王クォン、チンピラのドリ、税関のジャンチュンの思惑が絡むなか、
苦境に陥った海女さんチームは人生の再起を懸けた大勝負に身を投じていくのだった……。
2023/韓国/129分
監督:リュ・スンワン 『モガディシュ 脱出までの14日間』『ベテラン』
出演:キム・ヘス、ヨム・ジョンア、チョ・インソン、パク・ジョンミン 、キム・ジョンス、コ・ミンシ
脚本:リュ・スンワン、キム・ジョンヨン、チェ・チャウォン 製作:外柔内剛
提供:KADOKAWA Kプラス、MOVIEWALKER PRESS KOREA
配給:KADOKAWA、KADOKAWA Kプラス
© 2023 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & FILMMAKERS R&K. All Rights Reserved.

元記事で読む
の記事をもっとみる