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セーヌ川に危険なレベルの大腸菌。どうなる、パリ五輪?

  • 2024.7.17

夏のオリンピックは屋内外の競技が目白押し。特に今回は、パリの象徴、セーヌ川で行われるマラソンスイミングとトライアスロンが注目を浴びている。ところが、最近の調査によって、この川は危険なレベルの大腸菌で汚染されていることが判明した。イギリス版ウィメンズヘルスから見ていこう。

CBSニュースが報じたところによると、セーヌ川からは3週連続で許容値を少しどころか10倍も上回る量の大腸菌が検出された。この水がアスリートの鼻や目、口に入るというのは非常に心配。

パリの水道事業を監視する団体Eau de Parisによる検査の結果、セーヌ川の汚染レベルは、ワールド・トライアスロン(トライアスロンの国際競技連盟)が競技のために定めた100ミリリットルあたり900CFU(コロニー形成単位)という安全基準値を一貫して超えていることが分かった。

しかも、残された時間は少ない。セーヌ川では今月末から競技が開催される予定。

AP通信によると、この問題はパリで降り続く雨によって悪化している。雨水は下水道に入り込み、排泄物に含まれる細菌をセーヌ川に流し込んでしまうのだ。セーヌ川の支流であるヨンヌ川で起きた洪水も、この問題に拍車をかけているという。

米国疾病予防管理センター(CDC)によると、大腸菌は人間や動物の腸をはじめとする多くの場所に存在しているけれど、汚染された水を介して、下痢、尿路感染症、肺炎、さらには敗血症を引き起こすことがある。

パラトライアスリートのヘイリー・ダンツ選手はアメリカ版ウィメンズヘルスに対し、こうした汚染に対処するのはスポーツの一部であると語った。

「水泳が予定通り開催されて、全てが通常通りに進むよう万全の準備していますが、それと同時に、あらゆる可能性に備えておく必要があります。レースに参加するのは初めてではありませんが、今回のパリでは検査の結果を受けて『みなさんには申し訳ないですが、泳げません』という連絡が突然来たので、早急な戦略の変更が必要になりました」

一方の当局者は、オリンピックまでにすべての準備が整う予定であることをAP通信に明かした。

パリ2024組織委員会会長のトニー・エスタンゲ氏も、「7月の後半までにはすべて落ち着くはずです」と楽観的な見方を示している。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Korin Miller Translation: Ai Igamoto

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