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「将来、娘に譲れる」「ブランド名がすぐ分からない」金子綾さんのラグジュアリーブランド活用術とは

  • 2024.7.17

確固たるスタイルを確立しているおしゃれ業界人たちの、ラグジュアリーブランドとの向き合い方を教えてもらいました。歳を重ねて変わったことは? マイスタイルに欠かせないものとの出会いは? 選んだアイテムはもちろんですが、お買い物をする際の心意気も参考にしたい! 大人気スタイリスト・金子綾さんのお話をどうぞ。

スタイリスト・金子綾さん

ふたりの娘に譲れるか。自己完結しない買い物に

スタイリスト・金子綾さん
ファッション誌をはじめ、カタログや広告、ブランドとのコラボレーションやディレクションなど、多方面で活躍。Tシャツの着まわし術をまとめたスタイリングブック『Tシャツ STYLING BOOK』(小学館)が即完するなど、その人気は底知れず。

「最近は昔よりもあれこれむやみやたらに買い物しないようになりました。素敵なものに出会ったときに、というスタンスは変わりませんが、ラグジュアリーブランドなどの高価なアイテムを購入するときは、ふたりいる娘たちに将来譲ることができるか、ということを基準に買い物することが増えた気がします。とはいえ、欲しいものは本能に従って買ってしまうことも多いですけどね(笑)。また、ロゴやグラフィックなど、いわゆるブランドが分かりやすいアイテムは自分のスタイルの方向性とはずれてしまうので、どうしても欲しいもの以外はできるだけ選ばないようにしています」

Q. 金子さんのスタイルに欠かせないものは?

TASAKIのパールネックレス、COUDREのパールピアス、ATONのTシャツ、AYA KANEKO×Lee×JOURNAL STANDARD L'ESSAGEのデニム、BOTTEGA VENETAのバッグ、OOFOSのサンダル、Cartierの腕時計は本人私物

A. パールのジュエリーです
「昔はデニム一択でしたが、最近はパールのジュエリーかもしれません。歳を重ねると顔まわりがくすみがち。それをカバーするようなアイコニックなジュエリーを着けたくなるんですよね。大ぶりのダイヤモンドは一歩間違えると上品さに欠けてしまいそうなのですが、パールはよりエレガントでシックなパールを。ピアスに至ってはもう、耳に埋め込みたいくらい毎日愛用しています」
「スタイルブックを作る際に、リースしたときから可愛いなと思っていたネックレス。なんてことないTシャツもクラスアップしてくれるので、この夏大活躍しそう!」

左上から:COUDREのピアスとバロックパールのネックレス、TASAKIのロングパールネックレスは本人私物

「パールが好き過ぎて、ディレクションを務めるクードルでピアスとネックレスを作りました」

Q. 今までで最も高揚したお買い物は?

narinのリングは共に本人私物

A. 実は特にないんですよね
「モノに対してあまり執着がないので、これというものはありません。ですが、ヨンアが手がけるジュエリーブランド、ナリンのリングは、身に着けるたびに気分が上がります。子どものころに憧れていたような大ぶりのカラーストーンは、大人になった今でもやっぱり心を掴まれる可愛さ。石の大きさを選べるのですが、このリングは一番大きいサイズ。石の大きさと高揚感は比例していますよ!」

Q. お洋服はどこで購入されますか?

JIL SANDERのTシャツ、HYKEのインナー、BLACK BY MOUSSYのサイクリングショーツ、BIRKENSTOCKのシューズ、THE ROWのバッグ、ROLEXの腕時計、COUDREのパールピアス、その他は本人私物

A. 伊勢丹一択!
「新宿の伊勢丹一択です。今の“欲しい”が必ず見つかるし、仕事に子育てにと時間がないなかで、一度にたくさんのブランドやアイテムを見られるので、時短にもなる。これといった特定のアイテムを求めて、ショップクルーズをすることはほとんどありません」
「オーバーサイズのTシャツにサイクリングショーツを合わせたカジュアルなスタイリングですが、ブランドロゴの力(笑)と小物をブラックでまとめることで、ラフになり過ぎないようにしました」

Q. スタイリングするうえで気を付けていることは?

COUDREのカットソーとバッグ、CHANELのキャミソールとカチューシャ、Curensologyのパンツ、COELのサンダルは本人私物

A. 匿名性が高いアイテムを選ぶようにしています
「ブランドの主張が強いものや、ロゴ×ロゴのような、クセのあるアイテムを組み合わせないように気を付けています。昔から“あのブランドのものなんだ!”と驚かれるくらい匿名性が高いようなアイテムが好きで。あとは黒を好んでいることもあり、全体が重たく見えないよう、どこかにヌケ感とラフさを作るようにしています」
「黒を着ているときに“素敵だね”と言ってもらえることが多く、自分に似合っているのかなと思っています。キレイめにもカジュアルにも着られるので、ワードローブには欠かせないカラーです」

Q. コレクションしているものはありますか?

左から:THE ROW、COUDRE、THE ROW、BOTTEGA VENETAのバッグは本人私物

A. 自然と集まっているのは黒いバッグ
「コレクションというわけではないけれど、自然と集まっているのは黒いバッグです。カラーものも素敵だけれど、結局自分に一番合うんですよね。バッグをメインにスタイリングすることもあります。あとは余計な装飾がない、無駄をそぎ落としたデザインが好きなので、必然的にブランドが分かりにくいものが手元に残っています」
「一番出番が多いのは、座面にあるザ・ロウのもの。シチュエーションを問わないのはもちろん、サイズ感といい、質感といい、全てが完璧!」

photograph : KAORI IMAKIIRE(model), SPOTLIGHT
 
otona MUSE 2024年8月号より

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