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毎年1,200億円が「休眠」にー1,000円とられてしかも強制解約ー元銀行員は見た

  • 2024.7.17

銀行口座を10年間放置すると「休眠預金」とみなされます。

休眠預金は毎年1,200億円程度も発生していることをご存知でしょうか。

しかも金額によっては、なんの通知もなく休眠預金となってしまいます。

今回は、銀行員として数多くの資産相談にのってきた筆者が、銀行口座の長期放置がNGな理由と、使っていない口座の活用法を解説します。

■NGな理由1:2年以上放置すると未利用口座管理手数料を取られる

近年、銀行口座を2年以上放置すると「未利用口座」とみなされ、管理手数料を取られるようになりました。

たとえば、りそな銀行では2年以上入出金などの取引がないなど、一定の条件に当てはまる口座について、年間1,320円の未利用口座管理手数料を徴収しています。

口座に手数料分の預金がない場合はすべての預金残高が手数料として徴収され、同時に口座が解約される仕組みです。

■NGな理由2:10年間放置すると休眠預金になり引き出すのが大変になる

10年以上利用していない預金は休眠預金として扱われます。休眠預金の引き出しは窓口での手続きが必要で、ATMで引き出すことができません。

休眠預金のお金は、公益活動の資金に活用されます。ただし、外貨預金や仕組預金、財形貯蓄などは対象外です。

■休眠預金になりそうな時、銀行から連絡はないの?休眠預金になりがちなケース

休眠預金は毎年1,200億円程度も発生しています。では、休眠預金になる前に事前に通知はないのでしょうか。

●休眠預金になる前の通知

1万円以上の残高がある場合は、金融機関から登録されている住所へ郵送または電子メールにて通知が届きます。しかし残高が1万円に満たない場合は、通知が届きません。

休眠預金の9割が残高1万円未満なので、知らないうちに休眠預金になっている場合が多いと言えます。

また、住所変更していない場合は通知が届きません。

●休眠預金になりがちなケース

休眠預金になりがちなケースを紹介するので、該当するものはないかこの機会に一度確認してみてください。

・給与振込先として作成した口座を解約していなかった
給与受取口座として使っていた口座を退職後も解約せずそのままにしているケースは休眠預金になりやすいです。

社員やアルバイトとして働いている期間は使っていたものの、辞めてからは一切使わなくなった口座をそのままにしていることは意外と多いです。

・親が子の名前で作った口座の存在を子が知らなかった
親が子どもの名義で口座を作成しているケースで、子どもがその存在を知らないと休眠預金になりやすいです。子どもが自分で口座を管理できる年齢になったら、口座の存在を伝えて、自分で管理できるようにするのがおすすめです。

・口座開設時の住所から引っ越したが、住所変更届を出さなかった
口座に1万円以上入った状態であれば、休眠預金として扱われる前に銀行から通知が来ます。しかし、銀行へ住所や電話番号の変更の届け出をしていないと通知を受け取ることができません。

■不要な口座はすぐに解約がおすすめ

ずっと使っていない口座の中で、使い勝手の悪い口座(ATMが近くにない・インターネットバンキングが使いにくいなど)はこれから先も使う可能性は低いでしょう。

このような口座は、すぐに解約したほうが良いといえます。銀行によって、店舗で解約するケースやインターネットで手続きが完了するケースがありますので、ご自身が保有する銀行の解約方法をホームページなどで確認してください。

文・勝目麻希(ファイナンシャル・プランナー)
新卒で総合職としてメガバンクに入行し、法人融資・金融商品販売等を担当。転職・結婚・出産を経て一時は専業主婦になったが、自分の金融知識や実務経験を活かしたいと独学でライターの道へ。現在はファイナンシャルプランナーの知識を活かして金融系メディアを中心に執筆。

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