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清野菜名さん「前向きに頑張る力をもらいました」/映画『キングダム 大将軍の帰還』インタビュー

  • 2024.7.17

物語のスケールの大きさと迫力にワクワク

2019年の映画『キングダム』を皮切りに、『キングダム2遥かなる大地へ』『キングダム 運命の炎』と続けて公開された本シリーズは、いずれも興行成績50億円超えの大ヒットを記録。ついに第4弾『キングダム 大将軍の帰還』で最終章を迎え、早く観たい!と待ち遠しい人も多いはず。清野さん自身も本作のファンであり、「今年もキングダムが来るな!」と盛り上がっているそうです。
 
「スケールの大きさと迫力がものすごくて、毎回ワクワクしますね。一作ごとに登場人物たちがどんどん成長していく姿に感動しますし、私も頑張ろうって前向きな気持ちになれるんです。観る人に元気を与える力がある『キングダム』シリーズは、やっぱりすごいなと実感。第4弾は大沢たかおさん演じる秦国の大将軍・王騎と、吉川晃司さん演じる趙国の“武神”・ 龐煖(ほうけん)の戦いが本当にかっこよくて!きっと、みなさんも男と男の熱い戦いに心が引き付けられると思いますよ」
 
清野さんは第2弾から本シリーズに参加。秦国の若き王・嬴政(えいせい/吉沢亮)や天下の大将軍になる夢を持つ信(山﨑賢人)らとともに戦う、伝説の暗殺一族“蚩尤(しゆう)”の一人・羌瘣(きょうかい)を熱演。敬愛する姉が同族の謀略で殺されたという、残酷な過去を持つミステリアスな女性です。
 
「復讐心や憎しみが核にあって、殺伐とした人間味のない状態から羌瘣の物語は始まったんです。ですが、前向きで明るくて人々を突き動かせる力を持った信と出会い、仲間と一緒に戦い、信が率いる飛信隊の副長として頼りにされることで、閉ざしていた部分がほどけて、心の暗闇に光が差し込んでいくんです。第4弾ではさらに人間らしさを取り戻し、自分は一人じゃないと感じることが彼女を強くしていきます。その境遇は想像を絶するものですが、できる限り思いを理解して寄り添いながら演じました」
 

約5カ月間、修行のようにアクションを練習

その見どころのひとつは、舞のようにしなやかなアクション。優雅でありながらも切れ味のいい動きは、前作から高い評価を得ています。その裏には、気が遠くなるほどの努力を積み重ねた日々がありました。
 
「最初は自分にできるかどうか不安になるくらい難しくて。アクション部の皆さんと一緒に作り上げていったのですが、これまでの作品のアクションとはレベルが全然違っていたんです。5カ月間は。練習というよりも修行という言葉がしっくりくるほどの密度で。舞っているような人間離れした動きを表現するために、しなやかな体を作るトレーニングをしていました。家で電子レンジを温めている時とか、ドライヤーで髪を乾かしている間には体幹を鍛える運動を。空いている時間にはイメージトレーニングをしたり、できることはなんでもして羌瘣のために毎日生きていました。SNSなどで自分のアクションが話題になったり、褒め言葉をいただいた時には本当に嬉しかったです(笑)」
 
大掛かりな戦闘シーンが続くだけに、撮影現場の緊張感もひとしお。ですが、その合間は和気あいあいとした雰囲気に包まれていたのだとか。春秋戦国時代の戦場の雰囲気を再現するために、撮影は自然豊かな場所で行われることが多く、リフレッシュグッズが欠かせなかったと話します。
 
「ミント系のアロマオイルの一番大きいボトルを用意して、バシャバシャつけていました。森のようなところで撮影していたので、スッキリできる刺激強めのものが欲しくて。泥まみれになったり、砂ぼこりに包まれたりすることも多かったので、爽やかさを自分で持っていきました(笑)。それから、山﨑君が車の後ろに筋トレグッズをたくさん積んでいて、撮影の合間にみんなで力自慢みたいなことをよくやってましたね。今まで撮影していたのにまだ動かせるなんて、さすがなぁって関心していました」
 

次のステージに進む覚悟ができた

もともと身体能力が高く、高校時代からアクション俳優に憧れを感じていたという清野さん。本格的にキャリアをスタートするきっかけになった2014年の映画『TOKYO TRIBE』も、アクション演技が園子温監督の目に留まりヒロイン役に抜擢。そこから若手アクション俳優として活躍していきます。本作をはじめ激しいアクションにも果敢に挑む彼女に、その魅力を聞いてみると……。
 
「現実にはあり得ないことばかりなので、爽快ですね(笑)。ちゃんと理に適った動きになっているか、役に合っているかを確認しながら、嘘のないアクションをするように意識しています。また、羌瘣なら踊るように戦うという設定があるように、アクションキャラクターを再現することも大切に。普段から筋トレやランニングなどの自主トレをして、役の要求に応えられるようにコンディションを整えています」
 
アクションを心から愛し、楽しんでいる彼女ですが、以前は迷いを感じたこともあったのだとか。
 
「大好きなこととはいえ、アクションばかり求められるのが悔しい気持ちがあって。演技力でも勝負できるようになりたくて、あえて離れていた時期もあったんです。でも、『キングダム』でガッツリ向き合って、迷いが吹っ切れました。これからも求められる限りは続けていきたいし、もっともっと追求していこうという覚悟が決まりました。羌瘣と同じように、私自身も次のステージに進む力をもらったように思います」
 

作品情報

『キングダム 大将軍の帰還』

秦と趙のすべてを懸けた「馬陽の戦い」で、敵将を討った信(山﨑賢人)と仲間たちの前に突如として現れた、その存在が隠されていた趙国の総大将・龐煖(吉川晃司)。自らを“武神”と名乗る圧倒的な力の前に、次々と命を落としていく飛信隊の仲間たち。致命傷を負った信を背負って、飛信隊は決死の脱出劇を試みる。一方で、戦局を見守っていた王騎(大沢たかお)は、趙軍の裏に潜むもう一人の化け物の存在を感じ取っていたが、劣勢を覆すべく最強の大将軍として再び戦地に舞い戻った。王騎と龐煖の過去の因縁とは?遠くから静観する軍司・李牧(小栗旬)の正体とは?今、因縁が絡み合う場陽の地で忘れられない戦いが始まる――。

監督:佐藤信介/原作:原 泰久『キングダム』(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)/出演:山﨑賢人、吉沢亮、橋本環奈、清野菜名、吉川晃司、小栗旬、吉川晃司、大沢たかお /配給:東宝、ソニーピクチャーズ エンタテインメント/7月12日(金)より全国ロードショー

Profile

清野菜名

せいの・なな/1994年10月14日生まれ、愛知県出身。2007年デビュー。2014年映画『TOKYO TRIBE』のヒロイン役に抜擢。華麗なアクションシーンを披露し、第3回ジャパンアクションアワードベストアクション女優賞、第36回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。2015年『東京無国籍少女』で映画初主演。近作に映画『異動辞令は音楽隊!』『耳をすませば』『ある男』(22)、主演ドラマ『日曜の夜ぐらいは…』(23/朝日放送テレビ)など。コメディドラマ『No Activity』シーズン2(Prime Video)が9月13日より配信開始予定。

photograph: Chihaya Kaminokawa styling: Satsuki Shimoyama hair & make-up: Hitomi Mitsuno text: Harumi Yasuda
 
 
[衣装クレジット]
ブラウス、スカート/ともにビューティフルピープル(ビューティフルピープル 伊勢丹新宿店) イヤカフ、リング/ともにプリュイ(プリュイ トウキョウ) その他/スタイリスト私物
 
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