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女性は「胸の大きな同性」に対して攻撃性が高まる!

  • 2024.7.15
女性は「胸の大きな同性」に対して攻撃性が高まる!
女性は「胸の大きな同性」に対して攻撃性が高まる! / Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部

意中の相手を射止めるためには、ライバルを蹴落とすことも必要です。

しかし私たちは「同性なら全員ライバルだ」とみなすのではなく、自分にとって脅威になりそうな存在をピックアップして敵視しています。

では女性は何をもって同性を敵視するのでしょうか?

米テキサスA&M国際大学(TAMIU)が新たに調査をした結果、女性は「胸の大きな同性」に対して特に攻撃的になることが明らかになりました。

研究の詳細は2024年6月26日付で学術誌『Sexes』に掲載されています。

目次

  • 女性はどんな同性を「恋のライバル」とみなすのか?
  • 「胸の大きな同性」は敵視される!

女性はどんな同性を「恋のライバル」とみなすのか?

女性はどんな同性を「恋のライバル」とみなすのか?
女性はどんな同性を「恋のライバル」とみなすのか? / Credit: canva

ヒトを含め、生きとし生けるものの至上命題は「命をつなぐ」ことです。

もっと砕いて言うなら、「自らの遺伝子を残す」こととなるでしょう。

この目標をクリアするためには、異性を惹きつけながら同性を蹴落とすための「性間競争」に勝つことが必須です。

ヒトの性間競争については過去に多くの研究がなされていますが、そのほとんどは男性の競争的な行動に焦点を当てたものばかりで、女性の競争行動については詳しく調べられてきませんでした。

そこで研究チームは今回、女性がどのような特徴をもって同性を性間競争のライバルと見なし、攻撃的になるのかを調べることに。

チームは事前の予想として、男性への身体的アピールが最も強いと見られる「女性の胸の大きさ」に注目しました。

特にここではどんな胸の大きさと形が女性の競争心に火をつけるかを検証しています。

では、その調査結果を見てみましょう。

「胸の大きな同性」は敵視される!

本調査では、テキサスA&M国際大学から主にヒスパニック系の女性114名(平均年齢23歳、うち3名が白人)を参加者として協力してもらいました。

参加者は全員未婚ではあるものの、71%が交際しており、29%が独り身となっています。

また全員が異性愛者であることを事前に確認しました。

実験では参加者に、胸のサイズ(A・B・C・Dの4サイズ)下垂レベル(たるみなし・たるみ低い・たるみ高いの3タイプ)を変えた合計12枚のイメージ写真を見てもらいます。

サンプルがこちらです。

写真はすべて、首の下〜腰辺りまでのボディイメージとなっています。

図はサイズDカップで、左から「たるみなし・たるみ低い・たるみ高い」の下垂レベル(研究資料より一部加工しています)
図はサイズDカップで、左から「たるみなし・たるみ低い・たるみ高い」の下垂レベル(研究資料より一部加工しています) / Credit: Ray Garza et al., Sexes(2024) ※研究で用いられたオリジナルの画像

胸の間の間隔はどれも同じに設定してあります。

それぞれの写真に対し、参加者の女性たちは「直接的な口頭攻撃」「間接的な口頭攻撃」をする可能性を専用のアンケート調査で回答してもらいました。

例えば、直接的な口頭攻撃については「その女性に対して怒鳴ったり、悪口を言う可能性があるか」を1(ありそうにない)〜7(大いにありそう)段階で評価します。

間接的な口頭攻撃については「その女性について陰口を言ったり、中傷したり、悪い噂を広める可能性があるか」を同じく7段階で評価してもらいました。

またこれと別に、参加者の女性がもともと持っている同性への攻撃性向も「性間競争尺度(ICS)」というアンケートで測定しています。

Dカップは最大の天敵?

データ分析の結果、参加者は提示した画像の中で最も大きな「Dカップの同性」に対して、直接および間接的な口頭攻撃をする可能性が最大化していたことがわかりました。

次に大きなCカップがそれに続き、A・Bカップになると攻撃を受けるリスクが有意に低くなっています。

一方で興味深いことに、胸の下垂レベルは攻撃を受ける可能性と関係していませんでした。

加えて、それぞれの参加者がもともと持っている同性への攻撃性向の程度も結果には関係していませんでした。

これは女性たちが同性を性間競争のライバルとみなすかどうかは、個々人に備わっている競争心ではなく、純粋に相手の「胸の大きさ」に強く左右されることを示唆するものです。

Dカップ以上は警戒すべき天敵とみなされ、A・Bカップは性間競争の標的にはされないのかもしれません。

攻撃を受ける確率(Dカップが一番高い)
攻撃を受ける確率(Dカップが一番高い) / Credit: Ray Garza et al., Sexes(2024)

しかし皆さんもおそらくお気づきのように、今回の研究には色々と限界点もあります。

例えば、参加者がヒスパニック系の若い女性のみを対象としていること、性間競争に影響を与えそうな「顔」や「身長」「性格」が考慮されていないことなどです。

他にも「化粧」や「服装」「谷間の露出度」なども結果に影響するのではないかと予想されています。

そこで研究チームは今後、対象人数や文化圏、身体的特徴の条件をより幅広く設定した調査を行いたいと考えています。

なんとも変な研究ですが、気になったら調べてしまうのが研究者というものなのかもしれません。そして人類はこうした研究者の探究心によって発展してきたのです。

参考文献

Women show increased aggression toward those with larger breasts, study finds
https://www.psypost.org/women-show-increased-aggression-toward-those-with-larger-breasts-study-finds/

元論文

The Role of Breast Morphology in Women’s Rival Derogation Tactics
https://doi.org/10.3390/sexes5030012

ライター

大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。

編集者

ナゾロジー 編集部

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