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あなたが共依存恋愛をしている10のサイン

  • 2024.7.22

いつも同じことで喧嘩してない?

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GLEB KOSARENKO

恋愛では、パートナーのニーズに応えながら自分のニーズもしっかり主張するという絶妙なバランスをとる必要がある。このバランスを見つけることこそ恋愛のやりがいでもあり、ふたりの関係がより一層価値あるものになる。でもときに、このバランスが完全に崩れることがある。

その結果として浮上するのが、共依存という関係。共依存とは、兄弟や親、同僚、友人間など、さまざまな人間関係の中で陥るものだけれど、恋愛関係ではとくに深刻になりやすい。

「共依存の関係では、自分の幸福や承認を相手に委ねる傾向があります」と説明するのは、ニューヨーク在住の心理学者で『The Kindness Advantage』を著書に持つデール・アトキンス博士。「相手に夢中になりすぎて、自分を見失ってしまうのです。自分のニーズは、相手によって決まります」ホノルルを拠点とする臨床心理学者兼セラピストのジャネット・ブリト博士によると、共依存とは、一般的にふたりの関係のバランスがとれていない状態であり、どちらか一方だけが相手に与えすぎているケースが多くある。

別の視点で言い換えるなら、どちらか一方だけが相手に多くを求めたり要求したりしているということ。これは明らかに機能不全に陥っている。「どちらか一方だけが愛情を注ぎ、相手を気遣っているのに対し、もう一方はそれを受け取るだけで返報しようとすることはないのです」とアトキンス博士。あなたが共依存に当てはまっていると感じるなら、共依存恋愛についてもっと詳しくみていこう。

共依存の関係性とは?

Anhelina Lisna

厳密に言うと、共依存とは誰かがあなたの日常生活に複雑に溶け込んでいるため、自分の感情やニーズを尊重できなくなっている状態。「基本的には自分を犠牲にして、ふたりの関係全体の役割を自分で果たそうとしています」とスカイラー博士。こうなると、最終的には与えている側が恨みや虚しさ、悲しみを抱く結果に陥るケースが多いとか。

とはいえ、共依存は微妙な差異やニュアンスを持つ問題であり、インターネットやソーシャルメディア上ではこの言葉が緩く使われがち。認定セラピストで性科学者のジェニー・スカイラー博士は、「共依存を相互依存と混同してはいけない」と指摘している。

相互依存とは、自分の感情や選択、行動において自立を保ちながら、恋人を含め、あらゆる人間関係の中で健全なサポートを提供し、そして受け取ることであるという。「人間は社会的な生き物であり、生きるためには相互依存が不可欠です」スカイラー博士。

つまり、私たち人間は、生きていくために他者を必要としており、他者を必要とすることが共依存ではない。

共依存とは具体的にどんな関係?

CSA Images

先述した通り、共依存のかたちも人によってさまざま。でも、あなたがパートナーの悪い習慣を取り繕うとすることがよくあるなら、あなたはプロバイダー(提供者)になっているのかも。

相手のよくない言動、自分で片付けをしない、自分で決断できないという小さなことから、飲み過ぎてトラブルを起こしたり、お金を散財するというより深刻な問題までさまざま。

ブリト博士いわく、それがどんな問題であれ、相手はあなたに「面倒を見てくれる人」として問題を解決してもらうことを当たり前のように期待している。あなたが依存している側であるなら、相手がいないと意識的にも無意識的にも喪失感や無力感を味わうことがあるかもしれない。

おそらく、相手があなたにとって唯一の仲間であり恋人であり、なにか不都合なことが起これば常に頼りにしている人なのかもしれない。

Ekaterina Goncharova

共依存が生じる原因とは?

共依存は突然生まれるものではなく、過去の関係、とくに家族関係の投影となっていることが多い。

「通常、共依存は親子関係から発展するものです。子どもが自分のことより両親や家族のことを優先するように育てられることで、共依存へと発展します」と説明するのは、コロンビア大学の神経心理学者サナム・ハフィーズ博士。

共依存に陥りやすい人は、両親や家族との関係が良好でなかった可能性がある。これは、必ずしも一方が他方をコントロールしようとする意図があったとは限らず、とくに親が病気だったり、薬物依存症に苦しんでいたり、感情的に不安定だった場合に、共依存が生じやすくなる。

誰かの世話をすることに献身的で、自分のことは後回しにする傾向にある人も、共依存に発展する可能性がある。他者の面倒を見ることはとても素晴らしいことだけれど、それが行き過ぎてしまうのは問題。「他人に頼りすぎたり、相手に必要とされることばかりを求めるような関係は健全でないことを、まずは理解することが重要なのです」とハフィーズ博士。

また、他者と共依存になりやすい性格特性を持つ人もいる。例えば、いつも些細なことで謝り、テキストやメールは「ごめんね」から始まるのが習慣になっているのは、ハフィーズ博士いわく、共依存の特徴を示すサインでもある。つまりこれは、「他人が自分に対して怒っていないかどうかを確認しておきたいという必要性を示していることもあるのです」

また、自分の望みを正確に相手に伝えることができない場合(例えば、夕食を食べる店を決めるというようなシンプルなことから、パートナーと一緒に住む家を決めるというような大きな決断まで)、これも長い目で見ると問題に発展しかねない。ハフィーズ博士いわく、共依存恋愛では相手の希望に従うことや、相手に合わることで成り立っている。それが長期的に続けば、時間の経過とともにあなたにとっての負担が大きくなることは間違いない。

共依存恋愛の10の特徴

Malte Mueller

1.パートナーの責任を負いすぎている

どんな関係性であれ、パートナーのためにできることをしたいと思うのは自然なこと。でも、相手の幸せや健康に対する責任を引き受けすぎているのは共依存のサイン。

ニューヨークを拠点とする恋愛の専門家であり、『What About Me? Stop Selfishness From Ruining Your Relationship』の著者であるジェーン・グリア博士によると、自分がコントロールできている感覚や安心感を得るために、パートナーの行動や振る舞いを管理して世話をすることを求めてしまっている。例えば、パートナーがお酒を飲んでいるとき、飲みすぎないでと注意するのはいつもあなたかもしれない。相手が巻き起こしたトラブルを解決するのも、あなたの方では?

Malte Mueller

2.あなたを必要としている人に引き付けられる

あなたは、いつも「助けが必要な人」と付き合う傾向にあるかもしれない。これは、他人の責任を引き受けて救おうとする努力の一環であるとアトキンスは指摘する。だからこそ、共依存の人はアルコールやギャンブル中毒の人によく引き付けられてしまう。例えば、ギャンブルによる借金を肩代わりしたり、貯金を崩してまで彼らを支えようとしたり、相手の運転が荒いと知っていながらも車に一緒に乗るなどして、自分の身を危険に晒すことさえあるかもしれない。

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MALTE MUELLER

3.基本的に、あなたの望みが通ることはない

あなたは家で過ごしたいのに、相手はバーに飲みに行きたいと言ったとき、健全な関係であればお互いの妥協点を見つけることができる(例えば、今夜は家で過ごす代わりに、明日は出かける予定を立てるなど)。一方で共依存の関係では、パートナーがあなたを侮辱することも(「君は本当につまらないよ、だから友達がいないんだよ」)。

そうするとあなたは降参するしかなくなり、「わかったよ、出かけよう。私はどっちでもいいから」と相手のニーズを優先させる。些細なことのように思うかもしれないけれど、これはあなたのニーズが認められていないこと、大切にされていないという多くの例の一例にすぎない。

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MALTE MUELLER

4.ガミガミうるさいと言われたことがある

グリア博士によると、いつもパートナーの行動を細かく見張り、「それはしないように」などと注意することがよくあるのも、共依存のサイン。一度距離を置いてみて、相手の判断に任せてみて。そう言われたあなたは今、どんな気持ちになった? 相手がちゃんとできないことを分かっているから、相手の判断に任せるなんてできないって思ってない?

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ROMEOCANE1

5.パートナーを未熟だと感じている

パートナーが責任のある大人でいることに抵抗し、代わりにあなたが相手の面倒を見ている場合(例えば、相手は仕事を探そうともせず、あなたが支払いをしているなど)、この関係は共依存かもしれない。次の兆候は、決定的な共依存のサイン。

あなたがその問題を会話に持ち出すと(何でもっと履歴書を送ってみないの?と言うなど)、相手にキレられることがある。他にも、友達にパートナーの言動について弁解したりすることも。

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MALTE MUELLER

6.同じことでいつも喧嘩している

一見よさそうに聞こえるかもしれないけれど、特定の問題が起こるとき以外は比較的穏やかである場合も、実は共依存の特徴のひとつ。「彼(または彼女)が〇〇のとき以外は(私たちの関係が)いいんだけどね......」と話したりすることはない?

あなたが毎回特定の言動において腹を立てたり、大喧嘩になるときは決まって特定の問題が関与しているとすれば、グリア博士いわく、ふたりの関係を改めて見直し、それがあなたにとってどんな意味を成すのか真剣に考える時期に来ているとのこと。

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NAMTHIP MUANTHONGTHAE

7.本人がするべきことを代わりにやってあげている

「これは共依存関係でもっとも陥りやすい行動のひとつです」とハフィーズ博士。先述した通り、あなたは無意識にも「相手に必要とされること」を求めており、これは幼少期の関係から生じている。パートナーのために朝食を作り、ベッドまで持って行ってあげるのは愛情ある行為。だからと言って、毎朝パートナーを起こしたり、相手が散らかしたものをあなたが片付けるというようなシンプルな行動を習慣化してしまうのはよくない。「パートナーを子どものように扱っていると、のちに有害となる共依存関係に発展することがあります」とハフィーズ博士は付け加えた。

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AITOR DIAGO

8.自分の問題よりパートナーの問題について話すことが多い

相手の仕事の不満や家族の問題、金銭面でのトラブルなどを中心に物事が回っているようなら、ハフィーズ博士いわく、それは健全な関係性ではない。「まるであなたの人生は相手の人生の反映であるかのように、相手の問題や悩み、不安があなたの最優先事項になってはいないでしょうか」とハフィーズ博士。もし、相手の状況や問題に関する話題が主にふたりの会話を占めていたり、あなたが今抱えている問題については話し合う機会がないのであれば、その関係はおそらく共依存。同様に、友人に自分の人生の近況を話すことはせず、パートナーの話ばかりをしている場合も、共依存のサインであることが多い。「これは、パートナーがいなければ自分は存在しないかのように感じているサインでもあります」とハフィーズ博士。

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WESTEND61

9.自分の感情を特定するのに苦労している

自分の感情を測るために、いつも相手に確認する必要があるなら、それは共依存のサイン。相手と同じ気持ちであることは素晴らしいけれど、それが行き過ぎるのは問題。「なぜなら、自分の感情や考えがパートナーの影響を強く受けていると、自分との境界線が曖昧になってしまうからです。どれが自分でどれが相手の感情なのかを区別するのが難しくなるでしょう」自分の感情をないがしろにして相手に尽くしてばかりいるのも問題。自分自身の感情とのつながりが薄れていることを自覚できるまでにかなり時間がかかることも。

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MALTE MUELLER

10.なにかをする前に、必ずパートナーに確認をとっている

人生の大きな決断をするときこそコミュニケーションは大切。でも、いくつかの決断(キャリアなど)は、自分自身で判断すべきもの。もちろん、ふたりの関係に影響するようなこともあるけれど、そうでないものに関しては自由に自分で決めていい。「なにをするにも相手に確認し続けているのであれば、相手に多くの力を与えすぎています」とハフィーズ博士。「いつも相手に確認し、それで大丈夫かと了承を得たうえでなにを決めている人は、その関係の中での自分の力に自信を持てていないのです」。この習慣を変えられないようであれば、共依存に陥っている可能性が高い。

11.共依存から抜け出すには?

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VLAD GEORGESCU

ハフィーズ博士いわく、共依存の兆候に気付くのが早ければ早いほど、それを乗り越えるのは容易だという。あなたが依存している側だと自覚したなら、次のワークに取り組んでみる必要がある。

  • 自分一人で行動する(公園や映画館に一人で行ってみる)
  • パートナーではなく、あなたに喜びをもたらすことについて考える
  • セルフケアを優先する
  • 過去のトラウマについて振り返る
  • セラピストと話してみる

カップルとして共依存を乗り越えることは可能だが、それには多くのコミュニケーションとお互いの誠実さが必要になる。「まずは相手との境界線を設定し、それについて罪悪感を持たないことです」とハフィーズ博士。この話題に関してパートナーと話し合うのが難しければ、一緒にセラピーに通うことを検討してみるといい。

まずは自分自身で取り組みたいという人は、自分の気づきについて率直に話を切り出してみよう。ただし、相手を非難するような言い方はしないように。相手をもっと遠ざけてしまう可能性がある。自分の期待に応えてくれないとか、罪悪感を感じさせて自分にもっと近づかせようと試みることも避けて。

例えば、こんなふうに伝えてみるといい。「最近は私から連絡をとって予定を立てることが多いな、て気付いたんだけど、それって私が計画するのが好きだからそうしてるのかな、それとも相手に進んで行動してもらうのがあなたの好みだから?」。これで、相手がなぜそういった態度をとっているのかを知れるチャンスが得られる。相手も「攻撃されていない」と感じられることで、正直に意見を言いやすくなるはず。

その答えが、「いつも君がデートの計画を立ててくれてラクで快適だ」というものだった場合、「そうなんだ、知れてよかった! でもたまにはあなたが計画を立ててくれると私も嬉しいな。どんなデートプランになるのか楽しみ」というふうに言ってみるといい。

もしくは、相手の答えがあなたの不安通りのものだったとすれば(つまり、相手が自分の私生活をあなたに完全に頼っていることを意味する答えだった場合)、それで本当にいいのか、あなたには自分で決断する権利がある。

共依存の関係が長ければ長いほど修復は困難になる。とくに家庭を持っている人は、あなたの決断が子どもに影響を及ぼす可能性があるため、より複雑ではあるけれど、健全なパートナーシップを築くにはあなたと相手の意思にかかっていることを忘れてはならない。「子どもがいない人は、相手の変わろうとする意志や協力が得られない場合、その関係から離れるべきでしょう」とハフィーズ博士。

たとえあなたが共依存であれ、変わる必要があるのはお互いさま。「パートナーはあなたと一緒に取り組み、自分の過去がふたりの関係にどんなふうに影響しているのかを考える心構えが必要です」とハフィーズ博士。

前進する一歩を踏み出すようにと誰かを強いることはできないが、自分が一歩引くことはできる。これは完全にあなたの選択であり、相手との関係の深さにもよるけれど、最終的に共依存の関係から安定さを感じることはかなり難しい。次の行動を決める力は、常にあなたの手にある。

※この記事はイギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: MARA SANTILLI AND JESSICA MIGALA Translation : Yukie Kawabata

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