ウィンブルドンのドレスコードも何のその！ 独自のスタイルを攻めるセレブたちのテニス観戦ファッション

まもなく閉幕するウィンブルドン。今年もコート上で繰り広げられた試合と同じくらい注目を集めたのが、スタンドから勝負の行方を見守るセレブたちのテニス観戦スタイルだ。夏らしいシャネル（CHANEL）の白いワンショルダードレスを纏ったキーラ・ナイトレイからケーブルニットのセーターとカーキのミディスカートというプレッピーな装いのアレクサ・チャンまで、観客の多くのは格式高い大会に見合った服装をしていた。しかし、グランドスラムの中でも最もフォーマルなウィンブルドンといえど、我が道を行くファッションを披露するセレブたちもやはり目立っていた。

出場する選手たちは「オールホワイトルール」と呼ばれる厳格なドレスコードを守らなければならないが、観戦ファッションに関するルールは、厳密にはない。しかし、やはりブレザーや夏用のサンドレスといったスマートカジュアルが基本だ。その真逆を行ったのがチャーリーXCX。彼女がこの日選んだのは、明るい色合いのシャツドレスなどではなく、ブーフィレ（BEAUFILLE）のクロシェスカートのセットアップ。透けて見えるブラも、レースのニーハイソックスも、ジャンヴィト ロッシ（GIANVITO ROSSI）のスリングバックパンプスもすべて黒で揃え、「オールホワイト」ならぬシアーな「オールブラック」コーデを完成させた。

一方、チャーリーXCXのモノクロコーデとは対照的に、カラー遊びを全力で楽しんでいたのがジョディ・ターナー＝スミスだ。パープルのダイヤモンドチェック柄パンツ、シルクのボンバージャケットなど、ラルフ ローレン コレクション（RALPH LAUREN COLLECTION）が手がけたカラフルなプリントアイテムに身を包み、ボーホーとプレッピーを掛け合わせた個性派スタイルを披露。

また、ナタリー・エマニュエルのようにクラシックなメンズウェアを着用し、ウィンブルドンの観戦ファッションの常識をさらに覆すセレブたちもいた。ホワイトなダブルブレストスーツ、爽やかなブルーのドレスシャツ、ネイビーのネクタイ。一見、正統派な観戦スタイルに見えるエマニュエルのコーデだが、ポインテッドトゥのヒールとセプタムピアスで、自分らしい捻りを効かせていた。

そしてグレース・ジョーンズなしで、型破りなファッションは語れない。今年のウィンブルドンにはネイビーのフライトスーツ、アビエーターハット、アビエーターサングラスを纏って参加した彼女のコーデは、テニス感がゼロ。しかし、緊迫感ある試合と同様に、彼女のように攻めたファッションを披露する観戦者たちはいつ見ても新鮮で、大会での楽しみを増やしてくれる。

Text: Hannah Jackson Adaptation: Anzu Kawano

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