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子どもの服もめったに洗いません。食事も洗濯も「まとめてやる」のがドイツ式【日登美のタベコト in Berlin・77】

  • 2024.7.14

ベルリン在住で6人の子どものお母さん。モデルとして活躍する傍ら「台所から子育て、暮らしを豊かに」をコンセプトに、オンライン講座とウェブサイトを主宰している日登美さんによる、「食」からはじまるエッセイです。

まとめてやる、みんなでやる

ドイツに来て覚えた家事の裏技は、まとめてやる、ということでした。例えばドイツの家庭では、いちいち部屋を片付けたり、毎日掃除機をかけたりしません。もし掃除をするとしたら、とことん散らかしまくってから、まとめてやる。

「どうせ今やっても、また遊んでちらかるじゃん」と思えば全く片付けません。なぜならそれは合理的ではないからです。

コペンハーゲンのスタジオ。社食みたいになっていて、スタジオ全体でご飯を食べる。みんなでっていうのがいいよね。

みなさんご存じの食器洗い機だって、ほぼどこの家庭にも標準装備ですが、それも「まとめて」やるためのもの。もちろん節水でもありますが、とにかくいちいち片付ける、洗う、掃除する、というのは非合理的なので、ドイツの家庭では好まれないように思います。

なんなら子どもたちの洋服だって、めったに洗いません。冬の上着なんかたぶん1回も洗ってなくない? という方も多々見かける。洗えば生地が傷むし、長持ちしない。どうせまた汚れるしというのもあるけど、洗わないでも使える質のいい雨具や防寒具というのが好まれる傾向。そこにはお金をかける、というメリハリがあるのもドイツ式。

我が家は毎回、弁当屋さんみたいな量の弁当を作るので、それならばと、よそのご家庭の分も作ってしまうこともあります。

ともあれ、なんでもこまめに、ではなく「まとめて」行う方がエネルギーも時間も節約できてエコでもありますよね。もちろん、好き嫌いはあるかもしれませんが、なんでもその都度やって綺麗な状態を保ち、ご飯も3度新たに作る日本のあり方を、現代社会でお母さん一人に負担させるのはどう考えても合理的ではない! とドイツの暮らしを見ていて思います。

みんなでキッチンを使う、負担を分配する。自然と気持ちよく回っていくような台所でありたい。

ドイツでは昔から村に一つパン屋があって、基本そこのパン窯で村人全員のパンを焼いていたとか。確かに各家庭で作るより省エネでもあるし、便利でもある。だから今でも主食なのにパンを家で焼く人は少なく、基本的には店で買ってくるものになっています。

日本でも味噌や醤油は昔は村単位で作っていたというし、そういう共同作業とか、みんなでまとめてやるって、実は今の時代にフィットするんじゃない? と思ったりもします。

家事をまとめるなら作り置き! たっぷり作ってあとで楽をしよう。今日はトマトのサルサを作りました。

核家族が多くなって、子育ても食事も一人でなんでもやらねばならない時代。みんな忙しくて時間がない! という余裕のない時代。個人主義は自由ではあるけれど、あらゆる意味で消費するエネルギーが無駄になるし、負担も多くなる。だからこそ、いま、まとめてやる、みんなでやる。というドイツ式の暮らしから学ぶところは多いかなと思うのです。

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