カンナの花が象徴する平和への願い

Sayaka Toda

カンナの花が象徴する平和への願い

アーティスト 戸田沙也加の個展「東京にカンナの花を添える」が、KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHYにて8月3日（土）まで開催中。

美しさと表裏一体の醜美の世界観を絵筆に込め、ペインターとして活躍の場を広げてきた戸田沙也加。

他にも写真表現のみの個展や、写真や絵画、立体、植物を組み合わせたインスタレーションなど、メディアを問わず通底する表現力で注目を集め、今年選出された「TOKAS-Emerging 2024」では、時空間を超越させるインスタレーションで高い評価を獲得した。

本展のきっかけは、戸田が初めて写真の個展を行った際に被写体として選んだカンナの花が、平和の象徴としての深い歴史があると知ったこと。

1945年8月6日、世界初の原子爆弾により一瞬にして焦土と化した広島の地は、その後75年間は草木が生えないと言われていたにもかかわらず、間もなく爆心地に程近い場所に1輪のカンナの花が咲き誇り、人々に生きる希望を与えた。
この事実を知った戸田はその後、カンナの花を街中にゲリラ的に配置し、写真作品として記録する本シリーズを展開し始めた。

花の主題は一見、社会的な文脈とは無関係のようでありながら、植物としての命を全うするその姿は、置かれる場所や時代によってそれぞれの物語を生み出すことを静かに語る。

また戸田は東京の各所で撮影した本シリーズについて、次のように言葉を綴った。

「東京の街並みをカンナの花と共に歩き、
絶えず移り変わる景色に力強く咲き誇るカンナを忍ばせ記録する。
終わりのない悲しみや、叫び、絶望に耳を傾け、愛する友人を想いながら、
私なりの平和を願うささやかなデモを行う」

さらに8月1日（木）には今展を記念し、戸田、写真評論家 タカザワケンジ、詩人 カニエ・ナハの3人によるトークイベントが同会場にて開催される。

写真表現を通して浮かび上がる戸田の世界観。
東京の街に添えられた、カンナの花が語る物語に耳を傾けて。



KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHY
03-5843-9128



【Sayaka Toda “Adding Canna Flowers to Tokyo”】
DATE：8月3日（土）まで開催中
TIME：1:00pm～6:00pm
※月曜、火曜、日曜、祝日休廊
PLACE：KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHY
ADDRESS：東京都港区西麻布2-7-5 ハウス西麻布5階
ADMISSION FREE
WEBSITE： www.kanakawanishi.com/exhibition-ph028-sayakatoda

【Sayaka Toda × Kenji Takazawa × Naha Kanie Talk Event】
DATE：8月1日（木）
TIME：6:00pm～7:30pm
PLACE：KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHY
ADDRESS：東京都港区西麻布2-7-5 ハウス西麻布5階
ADMISSION FREE
WEBSITE： www.kanakawanishi.com/exhibition-ph028-sayakatoda
※トークイベントは予約不要、先着20名程度着席での開催となります。