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花江役・森田望智、寅子との関係性「また別の家族のかたちに」

  • 2024.7.13

今週放送された連続テレビ小説『虎に翼』(NHK総合ほか)第15週「女房は山の神百石の位?」では、寅子(伊藤沙莉)が担当する福田慶太(中村無何有)・瞳(美山加恋)夫妻の離婚調停を通じて「夫婦とは何か」が描かれつつ、猪爪家の2本柱である寅子と花江(森田望智)の関係性にも焦点が当たった。

義姉の花江(右、森田美智)と娘の優未(左、竹澤咲子)と話す寅子(伊藤沙莉)(C)NHK

第72・73回で、花江が「トラちゃんは何も見えてない。何もわかってない」と、寅子に思いをぶつけるシーンについて、花江を演じる森田望智に語ってもらった。

■ どんどん変化している花江と寅子の関係性

花江と寅子は女学校からの親友でありながら、そののち義理の姉と妹の関係になる。互いに戦争で夫を亡くし、戦後の混乱期に家族を支えながら生きてきた。おそらく花江は、『虎に翼』という物語のなかで最も長い期間、寅子と一緒にいる人物となりそうだ。森田によると、そんな2人の関係性はどんどん変化しているのだという。

女学校の親友という関係からはじまった寅子と花江 (C)NHK

「花江と寅子の関係性って、最初の『女学校の親友』の頃からどんどん変わっていって、離れたり戻ったり、一時として同じ状態の時期がないんです。関係性ってこんなにも変化していくんだなと思いました。ほかのドラマや映画だったら、人物どうしの関係性の『一瞬』を切り取って描かれることが多いですが、『その一瞬』の後にどうなるのか、さらにその後にどうなるのか。それを描けるのが、長丁場の朝ドラならではなのだと思います」。

◾️「これは親友どうしの喧嘩ではなく、夫婦喧嘩」

また、第72・73回で2人がぶつかり合うシーンについて、森田は「これまで言葉にすることができなかった花江の気持ちが爆発して、寅子とぶつかり合うのですが、台本を読んだときに、『なんでだろう』と考えたんです。2人はもともと親友だったのに、なぜ花江は寅子に対して言いたいことが言えなくなってしまったんだろう。花江ってこんなに我慢する人だったかな? と」と振りかえる。

寅子からのある報告に動揺する義姉・花江。写真左から、寅子(伊藤沙莉)、直明(三山凌輝)、花江(森田望智)(C)NHK

しかし「監督に『これは親友どうしの喧嘩ではなく、夫婦喧嘩です』と言われて、すごく腑に落ちたんです。時代というのもありますが、花江は『働きに出ている寅ちゃんを、私が支えなくては』という思いで、自分の気持ちに蓋をしてしまっていたのだと思います」と分析した。

家族の死をともに乗り越えてきた寅子と花江 (C)NHK

今後、2人の関係性はどうなっていくのだろうか。森田は、「夫婦喧嘩を経て、花江と寅子の関係性はまたひとつ変化して、別の『家族のかたち』になっていきます。2人の関係はその都度変化していき、そこにはいろんな思いが乗っています。そこがすごく人間らしくて面白いです」とコメントした。

これから花江と寅子は、それぞれどのように「自分らしい幸せ」を見つけていくのだろうか。物語のゆくえを見守りたい。

取材・文/佐野華英

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