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99.9%純利益ダウン、上場廃止【スノーピーク】――レストラン事業で食べてわかった「難しさ」

  • 2024.7.12
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スノーピーク外観(写真:サイゾーウーマン)

7月9日に上場を廃止したアウトドアブランド「スノーピーク」。業績は非常に厳しく、2023年度の最終利益は前年比99.9%以上も減少し、わずか100万円だったと報じられました。苦境の同社が展開するレストラン事業へ行ってきました。

目次

・スノーピークとは?
・スノーピークの飲食事業「スノーピークカフェ&ダイニング」行ってみた
・スノーピークの難しさ

【スノーピーク】とは?

1958年に新潟県燕三条で創業したアウトドアブランド「スノーピーク」。コロナ禍に始まったアウトドアブームを受けて、同業界の業績が全体的に好調の中で、スノーピークだけ苦境にあることが報じられています。

23年12月期連結決算は、売上高が前期比16.4%減の257億円、営業利益が同74.3%減の9億円、純利益は同99.9%減の100万円。「純利益99.9%減」の衝撃は強くネット上で注目を集めました。

業績悪化の理由はさまざまに考察されていますが、ITメディアは「ライト層離れも要因の一つ」と指摘しています。「ファン層が多いと思われる直営店・自社ECの売り上げは横ばいだが、一般向けが落ち込んだ形だ」として、ライト層向けに「アパレルなど身近な商品で勝負する必要がある」とのこと。

そんな中、今年7月2日には申告漏れが明らかに。国内で計上すべき所得を海外に移したとして、20年12月期から22年12月期までに約6億円の申告漏れを関東信越国税局から指摘されていたことが報じられました。

そして、同9日、米投資ファンドのベインキャピタルが筆頭株主になったことに伴い、東京証券取引所プライム市場で上場廃止を迎えています。

【スノーピーク】レストラン事業「スノーピークカフェ&ダイニング」行ってみた

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(写真:サイゾーウーマン)

日曜の午後6時、スノーピークカフェ&ダイニングにやってきました。スノーピークのCafe / Cafe&Diningは国内9店舗の展開。今回訪れたのはスノーピークの店舗に併設されているスタイルで、前面ガラス張りで開放感があります。

この日は気温や時間帯もあってか客足がまばらですが、春先のランチタイムに通りかかったときは、犬を同伴したお客さんでテラス席が大賑わいで、入店待ちの行列もできていました。

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店外の座席(写真:サイゾーウーマン)

店頭のメニューを見ると、「ジャパニーズローカルドリンク」というカテゴリを発見。瀬戸内レモネード、徳島ゆずなどご当地の名前が入ったメニューを展開していました。ほかにも「和紅茶」なるものも珍しく、アルコールに日本酒を用意しているのも新鮮です。

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ドリンクメニュー(写真:サイゾーウーマン)
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フードメニュー(写真:サイゾーウーマン)

しかしながら、フードメニューが高い!! 目を皿のようにして1,000円以下のものを探していると、「Sサイズ チキン770円」があったのでこれでよしと安心したら、「For Pets」の文字が。犬用メニューだったようです……。

一番安いのが「本日のサラダプレート」1,848円で、次に安いのが、「あいがけカレー」と「国産若鶏のローストチキン」1,958円。ローストチキンにライスを付けると2,288円とかなり良いお値段になるので、単品でローストチキンをオーダーしました。

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ローストチキンメニュー(写真:サイゾーウーマン)

椅子もコップもキャンプ仕様

公式サイトによると、「店内のテーブルや椅子、食器やカトラリーはスノーピークの製品を使用。食事やカフェを楽しみながら気軽にキャンプ気分を満喫していただけます」とのことで、椅子はスノーピークの商品でした。

キャンプ用の椅子なので座り心地は期待してなかったんですが、思いっきり伸びをして背もたれに体重をかけても、危なげなく安定しています。とはいえ、やっぱり普通の椅子で食べたいなと、ソファ席で過ごしているファミリーをうらめしく思ってしまいました。

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椅子(写真:サイゾーウーマン)
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ファミリーが使っていたソファ席(写真:サイゾーウーマン)

水はセルフサービス。キャンプ用のカップが積まれている光景は新鮮です。

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水はセルフサービス(写真:サイゾーウーマン)
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店内で使われているコップ(写真:サイゾーウーマン)

ちなみに、各座席にはメニュー表と一緒にスノーピークの分厚いカタログブックが置かれています。 パラパラとめくっていたら、おそらく同一カップと思われる商品を発見。お値段なんと3,190円の高級品! 「普通にデュラレックスのコップで飲ませてくれよー」と思っていたことを反省しました。

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カタログに同じ商品を発見(写真:サイゾーウーマン)

【スノーピーク】「国産若鶏のローストチキン」1,958円実食

スマホでメニューをオーダーしてから数分後。呼び出しブザーが鳴ったので、料理を受け取りに行きます。カトラリーや調味料もセルフです。

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(写真:サイゾーウーマン)

つやつやの野菜とチキンが美しい一皿が登場。思ったよりも小ぶりなサイズなので、ひとりでも完食できそうです。

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「国産若鶏のローストチキン」1,958円(写真:サイゾーウーマン)

メニュー写真ではトマトが乗ってましたが、なすとスナップえんどうに代わってます。彩りもよくなったので、個人的にはこの変更はアリ!

まずポテトから口にすると、サクサクほくほくでおいしい! カリカリというよりサックサクの歯ざわりに、中はほっくり。塩加減もばっちりです。

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「国産若鶏のローストチキン」1,958円(写真:サイゾーウーマン)

メインのチキンは、肉汁あふれるジューシー系というより、旨みを凝縮した燻製系のようです。じっくりローストしたことで、皮の油っぽさも軽い仕上がり。個人的に鶏皮は苦手なんですが、これは大丈夫!

味付けは鶏肉の旨みを生かした薄味ですが、なにも足さなくてもちょうど良い塩味です。

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(写真:サイゾーウーマン)

キャベツをカットすると、良い加減に蒸されていました。ただ、「アンチョビキャベツ」というわりには、アンチョビの味は感じられず残念……。

胡椒を足そうとしたものの、容器の使い方がわからず大苦戦してしまいました。もうあきらめて店員に聞こうかと思ったところで、奇跡的に正解にたどり着くことに。最上部の黒いポッチを動かすと、隙間から胡椒が出てきました……。スノーピークの胡椒入れ、めちゃくちゃムズい!

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キャベツ(写真:サイゾーウーマン)
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めちゃくちゃ惑わされた胡椒入れ(写真:サイゾーウーマン)

【スノーピーク】ライト層よりもファン向けの店?

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(写真:サイゾーウーマン)

今回、スノーピークのカフェ&ダイニングを利用して思ったことは2つ。

①価格が高いけど、ファンはついてそう
②林間学校みたいな雰囲気はアリ

同日に見かけた4人家族は、ワインをボトルで楽しみながら、それぞれメインメニューを頼みサイドメニューもオーダーしていた様子で、他人事ながら「軽く1万5,000円はいってるだろうな……」と、おののいてしまいました。

しかし、キャンプ好きやスノーピークファンならば値段はそこまでネックではないのでしょう。好きなものの思想を感じられる場所にいたい、という気持ちはすごく理解できます。そういう意味でも、日常使いする店というより特別なときに利用する店なのでしょう。アプリ会員の割引もあるようなので、気持ち的にも利用しやすいのかもしれません。

対して、ブランドのファンでもない筆者から見ても「良い感じだなあ」と思ったのは、子どもたちが楽しそうに水を入れたり、料理を運んでいた姿です。はるか昔に体験した林間学校を思い出す光景でした。

とはいえ、ふつうのレストランだと思って入店した場合は、ネガティブに捉えられる特徴もあるので、万人受けはしないでしょう。新規ファン、ライトファンの獲得が課題だと指摘されているスノーピークですが、レストランがそれを解決できるのか? と考えると、正直、かなり難しそうだなと思った次第です。

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バーベキューセットもあるそうです(写真:サイゾーウーマン)

サイゾーウーマン編集部
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