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できたて白玉や老舗料亭が手がける抹茶パフェも! 夏の京都で食べたい“涼菓”6選

  • 2024.7.11

冷やし汁粉、くずもちから、パフェ、ジェラートまで。フードライター・齋藤優子さんが、京らしさがのぞく和洋の涼菓をセレクト、取材しました。

ひんやり冷たい京都のおやつ

泰風佳日(たいふうかじつ)[二条]

【びいどろ】白玉が主役のスイーツカフェで、できたてならではの食感を。
2018年に二条城の西側にひっそりと誕生したカフェの主役は、甘味の名脇役、白玉だ。食物アレルギーを経験した店主の大石陽子さんが、小麦粉や乳製品がダメな人でも楽しめるスイーツを、と着目したのが、もち米と水のみからなるこの伝統食。オーダーが入ってから作る、ふんわりもっちりとした白玉が、どのメニューにもたっぷり。小豆の風味が活きた甘さ控えめの粒あんと、杏仁がほのかに香る寒天、2種のタピオカが入るびいどろは、粗糖で作るシロップもすっきりしていて、毎日でも食べたくなる一品だ。¥800。

中京区西ノ京式部町50‐12 TEL:075・205・1195 12:00~17:00 月・火曜休 @taifukajitsu

かさぎ屋[二寧坂]

【特製志る古セーキ】老舗の甘味処で100年以上続く、レトロモダンなあんこのセーキ。
1914(大正3)年から続く甘味処で、桜が散ると品書きに登場するのが、ほかにない汁粉のセーキだ。創業のころ、ハイカラな飲み物としてもてはやされていたミルクセーキから発想を得、初代が考案したもので、こしあんの汁粉と氷を材料に、代々伝わる製法で作る。創業当初は酒類も出していたそうで、ホットウイスキーのグラスで供されるのも、その名残。ロングスプーンで白玉とともに味わうそれは、とろんとした独特の食感。外国人観光客で賑わう二寧坂にありながら、時が止まったかのような空間で、清水焼の茶器でやってくるお茶と。¥750。

東山区高台寺桝屋町349 TEL:075・561・9562 10:00~17:10LO 火曜休

YUGEN[丸太町]

【季節の氷汁粉とお茶】日本茶専門店で出合った、希少な品種で作る白あんの氷汁粉。
茶の湯のように目の前で淹れてくれるシングルオリジンの煎茶や抹茶は、店主の須藤惟行さんが農家から直接、買い付けているもの。そうした茶葉を求めて、各地の農家を訪れる中で出合ったのが、丹波地方でのみ栽培されている白雪大納言だ。大粒で繊細な味わいのこの白小豆に一目惚れした須藤さんは、これを炊いた白こしあんの汁粉を日本茶の供として通年で提供。夏は、そのあんを、削ってからひと晩寝かせた氷、寒天と合わせて冷やし汁粉に仕立てている。日本茶の香りと、白雪大納言の繊細な風味、フルーツがよく合う。¥2,400。

中京区亀屋町146 TEL:075・708・7770 11:00~17:30LO 不定休 @yugen_kyoto

SHUKA/種菓[壬生]

【ジェラートダブル(斗六豆バニラ、瑞穂大納言小豆)】甘納豆作りに発想を得た、瑞穂大納言小豆のジェラート。
京都の甘納豆の老舗『斗六屋(とうろくや)』の4代目・近藤健史さんが、その魅力を広めるべく立ち上げた種菓子ブランドによる植物性のジェラート。甘納豆の製造工程をアレンジ。京都の老舗豆腐店の濃厚な豆乳をベースに、豆を炊いた際の煮汁や甘納豆を漬け込んだシロップなどとともに練り上げて作る。京丹波町旧瑞穂地区でのみ栽培される瑞穂大納言小豆は、ジェラートに閉じ込めた小豆の食感と風味が印象的。斗六豆バニラは、白花豆そのもののホクホクした食感が醍醐味だ。¥700。2階のカフェスペースで、飲み物とともに楽しめるのもいい。

中京区壬生西大竹町3‐1 TEL:075・841・8844 11:00~17:30 月曜休

ZEN CAFE[祇園]

【くずもち】『鍵善』が営む静かなカフェで、とろんとやわらかなくずもちを。
江戸のころより続く京菓子の老舗『鍵善良房』の名物は、くずきりである。一方、その『鍵善』が“和菓子をもっと身近に”との思いから、コーヒーや紅茶も用意して祇園町南側の静かな一画に構えたカフェの看板は、くずもち。主となる材料は、くずきりと同じ、奈良『森野吉野葛本舗』の葛粉と水ながら、こちらの醍醐味は、やわらかな、とろんとした食感。状態が変わりにくいので、まずはそのまま、途中で京碾(び)きのきな粉や黒蜜で変化をつけて、ゆっくり味わいたい。¥1,000。

東山区祇園町南側570‐210 TEL:075・533・8686 11:00~17:30LO(早まる場合あり) 月曜(祝日の場合は翌火曜)休

無碍山房(むげさんぼう) Salon de Muge京都髙島屋店[四条河原町]

【無碍山房 濃い抹茶パフェ】濃厚さにノックアウトされる、老舗料亭が手がける抹茶パフェ。
老舗料亭『菊乃井』の主人・村田吉弘さんが手がける軽食と甘味の店で、絶大な人気を誇るのが、抹茶パフェだ。“ここでしか味わえないものに”という主人の大号令のもと、料理人が試作を重ねて完成させた一品は、和食らしい引き算の構成。果物や生クリームは入らない。抹茶ゼリーや小豆の上に、抹茶をふんだんに使い、空気の含有量を抑えた濃厚な抹茶アイスがドドンと2段重なり、まるで抹茶を食べているかのよう。料亭と同じ中村外二工務店による、『無碍山房本店』のような雰囲気を楽しめる空間で。¥1,980。

下京区四条通河原町西入真町52 京都髙島屋3F TEL:075・221・8811(代) 11:00~19:00LO 不定休

齋藤優子 フードライター。京都にも拠点を設けて7年目。そろそろ制覇したかと思いきやまだまだ初見の夏甘味があって、奥深さをしみじみ。東京と行き来しながら、雑誌やWebなどで取材・執筆する日々。

※『anan』2024年7月17日号より。写真・東谷幸一 インタビュー、文・齋藤優子

(by anan編集部)

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