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『アルプスの少女ハイジ』の舞台はここ!スイス最大の自然保護区域・ラウターブルンネンへ

  • 2024.7.12

こんにちは、トラベルフォトライターのKANAです。イギリス・ロンドンに住みながらヨーロッパ各国を旅する筆者が今回ご紹介するのは、スイスの人里離れた渓谷の村、ラウターブルンネン。

有名な観光名所がいくつもあるスイスのなかでは、まだ知名度が低いこの村ですが、一度訪れたらまた行きたくなる魅力に溢れる美しい村です。

アルプスの自然を感じることのできる写真とともに、ぜひこの村の魅力を覗いてみてください。

美しき渓谷の村・ラウターブルンネンの魅力

スイスの人気観光地、インターラーケンから片道わずか20分。美しい車窓の景色を眺めていると到着するのが、今回ご紹介したい村「ラウターブルンネン(Lauterbunnen)」です。

標高795mの高地に位置し、色とりどりのアルプスの牧草地、山小屋、そして村の名前の由来にもなっている数多くの滝など、大自然の美しさが詰まったスイスでも有数の自然保護地域です。

『アルプスの少女ハイジ』のモデルになった村とも言われており、魅力的な山村やリゾートが数多くあるスイスのなかでも、"スイスらしい景観"を楽しみたい旅行者にとって、最高の滞在先といえるでしょう。

360度見渡す限り、アルプスの壮大な山々と迫力のある岩壁に囲まれ、あまりの自然の美しさに思わず感嘆の息が漏れてしまうのは筆者だけではないはずです。

村には可愛らしいコテージが多いのも印象的。お天気の良い日はテラスでのんびりとくつろぐ方の姿もあり、見ているこちらまで穏やかな気持ちになります。

どこからともなく聞こえる鳥のさえずりや牛の鳴き声、風に揺られる木の葉や滝の音……静かな村だからこそ、自然の音を楽しむことができます。

キャンプを目的に訪れる人も多く、コテージだけでなくバンガローやトレーラーハウス貸しの施設が充実しているのも特徴です。

ラウターブルンネンの村歩き

ラウターブルンネンには小さなスーパーのほかに、ちょっとしたお土産屋さんやレストラン、キッチンカーなどのお店がいくつかありますが、半日もあれば位置関係を把握し、村の観光を満喫することができます。

ヨーロッパでもっとも高い滝「シュタウプバッハの滝」

観光するうえで欠かせないのが、村のランドマークとして知られている、「シュタウプバッハの滝(Staubbachfall)」。

散策していると必ず目に入るこの滝は、なんと高さが300メートルもあり、"ヨーロッパでもっとも落差のある滝"として人気の観光スポットとなっています。

多くの詩人にインスピレーションを与えたともいわれる場所で、『英国の夏は「湖水地方」で過ごさない?世界遺産にも登録された、魅惑の国立公園へ。』でもご紹介した英国人詩人、ワーズワースもこの滝の美しさを詩に残していることでも有名です。

滝の横の坂道を登っていくと、大きなトンネルが現れます。トンネルをさらに進んで細い階段を登ると、滝の裏側まで行くことも可能。

途中で、まるでシャワーかのような水しぶきが飛んできたり、一部舗装されていない足ものと不安定な道や、かなり滑りやすい石階段もあったりするので、裏側まで登るときは歩きやすい靴で訪れるようにしましょう。

坂道を登りながらラウターブルンネンの村を一望することができるので、撮影スポットとしても人気です。

一度食べたら病みつきになる、絶品コーンドック

スイスといえばチーズフォンデュやスイスチョコ、ソーセージなど有名な食べ物がたくさん。そこで、ラウターブルンネンを訪れたらぜひ試して欲しいのが、「Betty's Corn Dogs」のコーンドックです。

シュタウプバッハの滝のすぐそばに位置するキッチンカーで、注文してから揚げたてを提供してくれ、種類も豊富。観光客のみならず地元の方も絶賛する、一度食べたら病みつきになるおいしさです。

日本ではアメリカンドッグの馴染みが強いかと思いますが、コーンドッグはその名の通り「トウモロコシ粉」を衣の主原料として使用しています。

小麦粉を使用しておらず、トウモロコシ粉特有の少しプチプチとした食感がクセになること間違いなし。みなさんもぜひお好みの味を探してみてくださいね。

初心者でもらくらく!隣町のウェンゲンまでプチハイキング

ラウターブルンネンの魅力のひとつに、ハイキングコースや登山コースの豊富さがあげられます。上級者向けのものから初心者向けの気軽なコースまで充実しており、印象的なスイスの山頂へのちょっとした旅を楽しみましょう。

なかでもおすすめなのが、隣町である「ウェンゲン(Wengen)」まで歩くハイキングコース。国際的に有名なスキーレースが開催されるウェンゲンは、冬になるとスキー客で賑わうスキーリゾート地としてもよく知られています。

標高1,275mに位置し、木造家屋や別荘、ホテルが多く集結しているのも特徴。ラウターブルンネンの駅からは登山鉄道を使うと約15分、たったの2駅で到着することができます。

ハイキングコースでは、ラウターブルンネンからウェンゲンの駅まで平均1時間30分ほど。渓谷と周囲の美しい山々の景色が楽しめる素晴らしいトレイルです。上り坂が続きますが、日陰の多いコースなので比較的歩きやすく、自然を感じながらのんびりと足を進めることができます。

コースの途中では馬やロバなど動物との出会いもあり、飽きることなくあっという間にトレイルを終えることでしょう。

おすすめのルートは、ウェンゲンの駅まで登山鉄道を利用して、帰り道にラウターブルンネンまでこのハイキングコースを使う方法。復路は下り坂が続いているので、体力に自信のない方は"帰り道に"ハイキングコースを歩くと良いですよ。

山岳鉄道での日帰り旅も充実

半日もあれば観光が終わってしまう小さな村でありながら、数日滞在してのんびり過ごしたくなる理由のひとつに、日帰り旅の選択肢の多さが挙げられます。

さきほどご紹介した隣町・ウェンゲンの他にも、ユングフラウヨッホ、ミューレン、ギンメルワルトなど魅力的な町まで行くことができます。

地域によって雰囲気が違うので、ラウターブルンネンを拠点に町の違いを比べてみるのも良いですよね。

この地域には登山鉄道のほかに、ロープウェイやゴンドラもたくさんあります。そのため、ものの数分で標高数百メートルを登ることも可能。空中から村を眺める体験も気軽にできるので、冒険気分で日帰り旅を楽しめますよ。

自然に囲まれて過ごす旅

360度アルプスの壮大な自然に囲まれ、どこを切り取っても圧倒されるほど美しい景観を堪能できるラウターブルンネン。

自然に囲まれて穏やかな時間を過ごせる、スイスの魅力がぎゅっと詰まった、心からおすすめできる旅先です。

次の記事では、ラウターブルンネンから日帰り旅で訪れることのできるスポットについてご紹介。お楽しみに!

All photos by Kana Kawahata

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