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名優ナムグン・ミンが『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』で見せる“奇跡”

  • 2024.7.10

演技力に定評があるナムグン・ミンが主演したドラマ『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』は、歴史劇として凄まじい重厚感を持っている。「よくぞこのドラマが制作できたなあ」と感嘆している。それほど、「奇跡的な歴史劇」なのである。

何が奇跡的なのか。例えばドラマでは外国との苛酷な戦いが延々と繰り広げられていくが、ナムグン・ミンが演じるイ・ジャンヒョンは知力・体力・戦略性を駆使して、かならず自分を取り巻く状況を好転させていく。

『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』より(写真= ©2023MBC)

過去の韓国時代劇で見せたようなキャラクターを一気に超えていき、「絶対無二」のヒーローになっていた。そういう意味では「奇跡のようなキャラクター」であり、多くの喝采を浴びてもその称賛には理由があるということなのだ。

また、イ・ジャンヒョンは扇子を持ちながら優雅に存在感を見せていくが、他人との相手関係が個性的に埋没することがない。常に唯我独尊のスタイルで次々に問題を解決していた。そこが、本当に頼もしい。

『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』より(写真= ©2023MBC)

朝鮮王朝の歴史には、国家の存廃をかけた厳しい闘いが何度も起きているが,1636年に清国に攻められたときは最大のピンチを迎えた。それまで貴族階級である両班(ヤンバン)の子女たちは、浮世離れするような生活を続けていたのにそれがまったく一変してしまったのだ。

「生きるか、死ぬか」。その岐路に立たされた両班たちは武器を持って戦乱の最前線に出ていった。

もちろん、ナムグン・ミンが演じるイ・ジャンヒョンも、優雅な物腰を捨てて人間の壮絶な戦いにチャレンジしていくわけだが、清国の軍勢は圧倒的に強く、朝鮮王朝は歯がたたなかった。

『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』より(写真= ©2023MBC)

それでも男たちは女性や子供たちを守るために、力の限りを尽くして奮闘努力した。戦乱は長期戦となり、人間の尊厳を踏みにじられるような戦いが続く。

さらに、敗北した朝鮮王朝は王族である昭顕(ソヒョン)世子が清国の瀋陽(しんよう)に連れて行かれて、そこで苛酷な人質生活を体験した。そこは、人間の尊厳が踏みにじられる場所であり、昭顕世子も生きていくことが精一杯だった。

そんな過酷な場所に、アン・ウンジン演じるユ・ギルチェも連行されてしまった。彼女は両班の家柄であり、人質になるような境遇ではなかったのだが、混乱する世相の中で、手違いで人質にされてしまったのである。

それからのイ・ジャンヒョンの活躍ぶりが素晴らしかった。彼はあらゆる知力を総動員して、ユ・ギルチェが朝鮮王朝に帰れるように尽力していた。それは、本当に愛する人を救うために見せる「一世一代の大芝居」であった。

『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』より(写真= ©2023MBC)

ところが、厳しい世相の中で思うように成果を出せない。それでも何度も生死の境を行ったり来たりしながら奇跡的に生き抜き、最後まで男としての矜持を発揮したイ・ジャンヒョン。視聴者たちがその激しい生きざまに納得し感情移入できたのも、ナムグン・ミンの卓越した演技力があったからこそ、だった。

まさに、歴史巨編にふさわしい大物俳優だ。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

◆作品情報
『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』

2024年7月3日(水)発売 DVD-SET1、
2024年8月2日(金)発売 DVD-SET2
2024年9月4日(水)発売 DVD-SET3
各14,740円(税抜13,400円)
※レンタルDVD同時リリース
発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント ©2023MBC
☆2024年7月3日(水)よりU-NEXTにて独占先行配信開始

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