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【日本三大怪談】「四谷怪談」と「番町皿屋敷」もうひとつは?あらすじと共通点

  • 2024.7.9

蒸し暑い夜に背筋をゾクゾクさせたいのなら怪談を読んだり、聞くのがおすすめです。海外のゴーストはあまり怖くないけれど、日本の幽霊は怖いという人も多いのではないでしょうか。今回は、数ある怪談のなかでも、日本三大怪談に挙げられる「四谷怪談」「番町皿屋敷」「牡丹(ぼたん)灯籠」のあらすじと共通点をご紹介します。暑い夜に涼みたくなったら、ぜひご覧ください。

 

 

17世紀に実在していた武家の娘がモデルといわれる「四谷怪談」

田宮又左衛門には、眼が悪く、疱瘡を罹って醜い姿になった「お岩」という娘がいました。しかし、又左衛門はお岩に婿養子をとり、隠居したいと考えていたため、半ば騙すかたちで伊右衛門という男を婿養子にします。

お岩の姿を見た伊右衛門は驚愕しますが、今さら離縁することもできず、我慢して結婚生活を続けます。

あるとき、伊右衛門は上司の伊東喜兵衛という男の家に行き、喜兵衛の妾だったお花に出会い、恋仲に。

お花は喜兵衛の子を妊娠していましたが、喜兵衛は伊右衛門にお花を引き受けてくれないかと相談します。ですが、伊右衛門にはお岩がいます。

そのため、伊右衛門はお岩にDVをしたり、家財を売って女を買ったりして、お岩から離縁されるように仕向けるのです。

その結果、喜兵衛と伊右衛門の策略により、まんまと離縁したお岩は家を出て御家人へ奉公をすることに。お岩を捨てた伊右衛門は、お花とすぐに結婚しました。

一方、お岩は奉公先で茂助という人物に会い、喜兵衛と伊右衛門が行った事の顛末を知ることに。お岩は般若のような形相で怒り狂い、どこかへ走り去ってしまいます。

その後、伊右衛門は数々の不幸に見舞われるように……? というのが「四谷怪談」のあらすじです。

お岩さんを祀っていた「田宮稲荷神社跡(於岩稲荷田宮神社)」

東京都新宿区左門町には、お岩さんを祀っていたお岩稲荷神社の旧地があります。お岩さんは貞淑な妻で、代々家に伝わる稲荷を信仰していたそうです。ここは「縁切り」のご利益があるとされています。人との縁はもちろん、悪習と縁を切りたい方も一度訪れてみるといいかもしれませんね。

田宮稲荷神社跡(於岩稲荷田宮神社)

住所:東京都新宿区左門町17

電話:03-3552-1068

交通アクセス:東京メトロ丸ノ内線「四谷三丁目駅」から徒歩5分

お菊の最期が切なすぎる「番町皿屋敷」

江戸時代、火盗改(かとうあらため)の青山播磨守主膳(はりまのかみしゅぜん)の屋敷に、「お菊」という少女が奉公に来ていました。

ある年のお正月に、お菊は青山家の家宝である10枚の皿のうち、1枚を割ってしまいます。それを知った、主膳や奥方は激怒。お菊にひどい折檻をしたうえ、右手の中指も切り落としてしまいます。そして、お菊は縄で縛られて狭い部屋に閉じ込められてしまうのです。

しかし、お菊は夜にその部屋から抜け出し、屋敷の裏にある古井戸へ身投げしてしまいました。

それから、青山家では怪異が起こるように。深夜になると井戸からお菊の亡霊が現れて、「一枚…二枚…」と皿を数えるようになりました。さらにお菊の亡霊は、9枚目の皿を数え終わると、「一枚足りない…」と泣き叫ぶのです。

お菊の祟りなのか、青山主膳の本妻が産んだ子には中指がなかったといいます。

このお菊の亡霊の噂は瞬く間に広がり、青山家はいつしか“皿屋敷”と呼ばれるように。やがてその噂は、公儀(こうぎ)の耳にも入り、不祥事として主膳は土地を没収されてしまいます。

ですが、それでも怪異は収まりません。そこでお菊の霊を弔うために、伝通院の了誉上人(りょうよしょうにん)に読経を依頼するのですが……!?

お菊が身を投げたとされる古井戸は「姫路城」に現存する

姫路城には、お菊が身を投げたとされる古井戸が存在します。この井戸は、かつて「釣瓶取(つるべとり)井戸」と呼ばれていたそうです。気になる方は、姫路城を訪れた際にチェックしてみてくださいね。何となく覗き込むのが怖い井戸です。

姫路城

住所:兵庫県姫路市本町68

電話:079-285-1146

営業時間:通常期9:00~16:00(閉門17:00 )

夏季(4月27日~8月31日)9:00~17:00(閉門18:00)

定休日:12月29日~12月30日

入城料:大人 1,000円、小学生~高校生300円

交通アクセス:JR「姫路駅」から徒歩約20分

お露の恋慕が恐ろしい「牡丹(ぼたん)灯籠」

昔、根津の清水谷に浪人の萩原新三郎という内気な男性がいました。ある日、知り合いの山本志丈に誘われて亀戸の臥龍梅を見に行き、その帰りに山本志丈の知り合いである飯島平左衛門の別荘に立ち寄ることに。

新三郎はそこで「お露」という美人のお嬢さんのほか、女中の「お米さん」に出会い、お露と恋仲になります。そして、新三郎が帰る際、お露から「また来なければ私は死にますよ」といわれるのです。

ところが、新三郎は内気な性格ゆえにひとりでお露に会いに行く勇気がありませんでした。

数ヶ月後、新三郎のもとに山本志丈が訪ねてきて、「お露が恋焦がれるあまり死んだ。あとを追うようにお米さんも看病疲れで死んでしまった」と聞かされるのです。

それから新三郎はお露に念仏を唱え続ける日々を送っていました。そして盆の十三日の夜、新三郎がお露へ思いを馳せていると、牡丹芍薬(しゃくやく)の灯籠を携えたお米とお露が歩いているのを発見!

3人は再会を喜んだあと、新三郎とお露の逢瀬が続きました。

そんなある夜、新三郎のもとで働く伴蔵という男が、毎晩のように新三郎の家へ女性が通っていることに気づくのです。不審に思った伴蔵が新三郎の家を覗くと、そこにいたのは、新三郎の首元にかじりつく、骨と皮ばかりで腰から下がない女性でした!

それに驚いた伴蔵は、新三郎の相談相手である占い師の白翁堂勇斎(はくおうどうゆうさい)に相談するのですが……。

「牡丹灯籠」は東京都文京区根津が舞台

「牡丹灯籠」はフィクションですが、萩原新三郎が住んでいたとされる場所は、現在の東京都文京区根津にあたります。このエリアには、春のツツジが有名で、見事な権現造りの本殿、拝殿などがある「根津神社」や、夏目漱石が『吾輩は猫である』を執筆した「夏目漱石旧居跡(猫の家)」など、興味を引かれるスポットが盛りだくさん。気になる方は散策に訪れてみてくださいね。

東京都文京区根津

日本三大怪談の共通点は?

日本三大怪談の共通点は、登場する幽霊がいずれも女性という点です。そして、悲しいかなどの女性も人から裏切られてしまいます。そう考えると、怖いを通り越して悲しい気持ちになりますよね。

[参考]

談NEWS by 竹書房怪談文庫

一般社団法人 新宿観光振興協会

[All photos by Shutterstock.com]

 

 

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