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【大学サッカー】仙台大を全国大会に出場に導いた守備の要DF前田航星「2年後に鹿島に戻りたいです」と決意を明かす

  • 2024.7.9
【大学サッカー】仙台大を全国大会に出場に導いた守備の要DF前田航星「2年後に鹿島に戻りたいです」と決意を明かす
【大学サッカー】仙台大を全国大会に出場に導いた守備の要DF前田航星「2年後に鹿島に戻りたいです」と決意を明かす

Text by 高橋アオ

総理大臣杯東北地区予選準決勝仙台大対東北大戦が6日に宮城・柴田町内で行われ、仙台大が延長戦の末に2-1で東北大を破って3大会連続37度目の総理大臣杯進出を決めた。

東北では絶対王者の仙台大は前半25分にFW福田拳龍(4年、柏レイソルU-18)が右足で先制するも、後半24分に東北大からゴールを許して延長戦に突入。延長前半2分にMF新谷一真(3年、尚志高)が決勝点を挙げて試合を制した。

この日センターバックとして先発したDF前田航星(2年、鹿島アントラーズユース)は正確なポジショニングと的確な読みで相手の攻撃の芽を摘み、高精度のロングフィードと精密なビルドアップで仙台大の攻撃を活性化。攻守において2年生ながら大きな存在感を見せた。

【大学サッカー】仙台大を全国大会に出場に導いた守備の要DF前田航星「2年後に鹿島に戻りたいです」と決意を明かす
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前田は「ミスから1失点してしまって難しい時間帯もあったんすけど、自分も含めて後ろの選手は個のところ自信があるし、セーフティーにはっきりプレーしていれば失点をしないだろうという自信があった。どれだけいい形で前につなげるかというところにフォーカスしてやるだけだった。

後方はそこまで焦ることなく延長になっても仕方ないと話していて、最後の延長30分までにゲームコントロールできた。

得点を取ることに関しては何個かチャンスだったのがあった中で、いつか相手も焦れてきてブロックが壊れるだろうというのは、自分の中にあったので、後ははっきり個のところで負けずに守るだけでした」と冷静に振り返った。

延長戦に入ると新谷が開始早々に決勝点を挙げてリードするも、最後まで諦めない東北大の粘り強い攻めに押し込まれるシーンもあった。延長後半には鋭いドライブ回転がかかったコーナーキックが仙台大ゴールに襲いかかるなど危険なシーンが散見されたが、前田やGK泉竜聖(4年、仙台大付属明成高)が冷静に処理して事なきを得た。

「東北大さんのキック精度がすごく良くて嫌なところに蹴ってきてた。そこに関しては竜聖くんが触ってくれてゴールにはならなかったんですけど、ああいう場面でしっかり味方を信頼して、自分はマークロックするところを練習でもやってるので練習通り出せたと思います」

仙台大は現在リーグ戦で3勝1分の4位と東北では敵なしの常勝軍団が首位を譲っている状況だ。昨季は宿敵の富士大が総理大臣杯で東北勢初となる日本一を達成するなど東北全体のレベルが上昇している。これまでほぼ負けなしを貫いてきた仙台大であっても油断のならない状況になってきたが、前田は冷静に勝ち抜くイメージを持っている。

【大学サッカー】仙台大を全国大会に出場に導いた守備の要DF前田航星「2年後に鹿島に戻りたいです」と決意を明かす
【大学サッカー】仙台大を全国大会に出場に導いた守備の要DF前田航星「2年後に鹿島に戻りたいです」と決意を明かす

「去年、今年と試合に出させてもらう機会が多くて、去年今年両方を経験してる中で、東北全体のレベルが上がっていると感じている。

リーグ戦にしろ、こういうゲームにしろ、簡単な試合はあまりないと自分の中で感じている。去年までは自分たちが圧倒してたくさんの点差をつけて勝つ試合が多かったんですけど、今年になってからは全体のレベルが上がってると思っているので、簡単にいかないんじゃないかなというのは自分の中でもあった。

焦ることなく最後にしっかり勝ち切れたっていうのは良かったかなと思っています」

5月末にアジア大学サッカートーナメントに臨むU-20全日本選抜に選出されたセンターバックに油断や慢心の文字はなかった。

鹿島の育成組織一筋

鹿島の育成組織に小、中、高と所属し続けてきた前田は、高校時代はキャプテンを任されてチームの主軸として活躍し続けてきた。鹿島ユース卒団後は仙台大に進学。1年次からトップチームで頭角を現し、今季は絶対的な主力センターバックとして君臨している。進路は関東の大学を選ばず、仙台大を選んだ理由は明確だった。

【大学サッカー】仙台大を全国大会に出場に導いた守備の要DF前田航星「2年後に鹿島に戻りたいです」と決意を明かす
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「自分の考えの中で、関東の大学にもちろん行きたい思いは自分の中でもあったし、そこで試合に出ることがベストでしたけど、高校3年間はやってく中で鹿島でもやっていたし、他のJリーグのクラブの選手たちを見てもレベルが高いところでやらせてもらってた中で、関東に行って大勢人数が入っている中でやっぱ出られるのかと考えたときもあった。

そのタイミングでちょうど仙台大の吉井さん(総監督)から「うちでやってみない?」と話をもらって練習来たときに参加できなかったんですけど、見学したときに自分がどんどんチャレンジして良さを出させるところが自分はすごくいいなと思って、仙台大を選びました。

プロを目指したいというのもあるので、プロを目指せる大学で一生懸命サッカーできて、試合にも入学するときからトップチームに入れてもらえるという話があったので、去年から試合に出させてもらえています。

その選択は間違ってなかったと思うし、全国で関東の大学に負けないようにしっかり上の結果を出せるようにと毎日取り組んでいます」と胸を張った。

今年5月末にU-20全日本選抜のメンバーに選出され、アジア大学サッカートーナメントに全4試合(先発出場3、途中出場1)に出場して決勝の韓国選抜を1-0で打ち破って大会2連覇に大きく貢献した。

「去年明治とインカレでやって個のある選手たち、プロ行く選手としてやった中でやれた部分と全然駄目だったなっていう部分があった。全日本選抜に行って関東のレベルの高い選手たちと地方から集まった選手たちとしてやらせてもらった中でやれる部分を感じた。そこで試合にも出させてもらったので、自信と経験をしっかり持ち帰って、ここで日ごろからやれていると思います」

地方の大学で早くから出場機会を得て活躍するという青写真通りの道筋を歩んでおり、大学選抜で大きな経験を手にした。

プロ志望の前田は2年後の未来も明確に描いている。志望するクラブはキャリアの大半を過ごした日本屈指の名門だ。

「自分は2年後に卒業して鹿島に戻りたいです。アントラーズでという思いが1番強いので、自分はずっと鹿島にいたので、大卒からでも高卒からでも鹿島に入ってくる選手は、日本一の選手が入ってくると思っています。ここに来るときに全日本選抜出場など、しっかり1個、1個を地に足つけてやっていく中で、そこにつながればいいなという気持ちが自分の中にあります」と言葉に力を込めた。

仙台大から日本一のセンターバックとなって古巣へ復帰するビジョンは明確であり、険しい道を歩む覚悟はできている。

【大学サッカー】仙台大を全国大会に出場に導いた守備の要DF前田航星「2年後に鹿島に戻りたいです」と決意を明かす
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既に全国大会出場を決めている富士大と今月13日午後1時30分にみやぎ生協めぐみ野サッカー場Aグラウンドで対戦する。来月中旬には総理大臣杯本大会が開催される予定であり、準備期間も僅かだ。だが背番号19はそんな状況でも臆せず、堂々としている。

「チームとしても上を狙っていきたい。やるからには優勝を目指してやりたいと思っている。ここあと2か月弱くらいありますけど、しっかり準備してもっと個人も含めて高めていかなきゃいけないなと思います。僕個人としても全国大会はJリーグのスカウトにアピールできる場所だと思っている。個人の価値もしっかり求めながらチームの結果と同じぐらい、自分がいいプレーを続けることができたら、チームの勝利につながってくると思うので、個人の価値を高めながらやっていきたいです」とチームと個人のさらなる成長を目指す。


一歩、一歩と着実に歩んで結果を出してきた仙台大の守備の要は全国大会でどのようなステップを刻むのか。憧れの鹿島に舞い戻るために、荒波を超えながら突き進む前田の航海を見逃すな。

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