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なぜホン・ミョンボが韓国代表新監督に?KFA幹部明かす“適任”のワケ「ワンチーム精神作りに卓越」【一問一答全文】

  • 2024.7.9

ホン・ミョンボ監督がサッカー韓国代表の新監督に決定した理由が詳しく明かされた。

韓国サッカー協会(KFA)のイ・イムセン技術発展委員長兼技術総括理事は7月8日、ソウル新門路(シンムンロ)のサッカー会館でブリーフィングを開催し、ホン・ミョンボ監督内定の理由を明らかにした。

KFAは前日の7日、A代表の新監督として、Kリーグ1(1部)の蔚山(ウルサン)HD FCを率いたホン・ミョンボ監督を内定したことを発表した。

かつて2013年6月から2014年ブラジルW杯までA代表の指揮を執ったホン・ミョンボ監督は、約10年ぶりに再び代表監督を務めることになった。

「ワンチーム精神を作ることに卓越した監督」

今年2月、アジアカップ終了直後にユルゲン・クリンスマン前監督を解任して以降、A代表の監督の座は空席状態が続いた。

この間、3月と6月の北中米W杯アジア2次予選はそれぞれファン・ソンホン監督とキム・ドフン監督が暫定指揮を執った。

また、国家代表戦力強化委員会が監督選任業務を引き受けたが、トップのチョン・ヘソン委員長が6月末に突然辞意を表明した。チョン・ヘソン委員長の辞任後、数人の戦力強化委員も同じく辞任した。

結局、イ・イムセン委員長が代わりに監督選任業務を引き受け、欧州で一部の外国人監督と面接も行った。

しかし結局、選択はホン・ミョンボ監督だった。

イ・イムセン委員長は「ホン・ミョンボ監督は世代別代表を経て、指導者としての経験、行政家としての幅広い視野を持っている。KFAの哲学、世代別代表との連続性、連携で助けになると思う」とし、「ホン監督のワンチーム、ワンスピリット、ワンゴールが必要だと考えた。ワンチームの精神を作ることに卓越した監督だと思った。自由のなかにも規律は必要だ。ワンチームの確立に向けた適任者と判断した」と伝えた。

イ・イムセン
(写真提供=韓国サッカー協会)イ・イムセン委員長

以下、イ・イムセン委員長との一問一答。

―選任の過程は。

協会は2026年北中米W杯に向けた指揮官としてホン・ミョンボ監督を任命した。契約期間は2027年にサウジアラビアで開催するアジアカップまでだ。難しい決定を下してくれた蔚山に心から感謝したい。Kリーグと蔚山のファンには、(ホン・ミョンボ監督が)シーズン中に去ることになったことを深くお詫び申し上げたい。

議論を経て、1~2順位で外国人監督が候補に上がった。誰とは名前は明かさないが、メディアで言及された人物だ。結果的に2人との交渉は破断した。韓国国内での滞在期間と賦課される費用が問題だった。代表監督が韓国に居住できないという点で、 交渉を続けることができなかった。

2つ目は他国代表の現監督で、韓国との交渉意志が大きかったが、所属協会との関係によって破断した。

その後、戦力強化委員会は第7回から第10回までの会議を通じて最終候補群を選定した。残りはチョン・ヘソン委員長に委任した。その後、チョン・ヘソン委員長が辞任の意思を表明し、最終候補に決まった5人を受け継いだ。

最終候補者5人のうち、韓国人監督はホン・ミョンボ監督一人のみだった。残りの外国人監督4人のうち、1人はインタビューそのものが破断し、ほかの2人は対面インタビューをして帰ってきた。

その結果、最終候補のなかからホン・ミョンボ監督を選任することになった。

6月21日の第10回会議まで進行した後、実質的に最終候補を3人に狭め、外国人監督の候補2人に対しオンライン会議を行った。その後、対面インタビューのため出張日程まで決めていたが、チョン委員長が辞退の意思を明らかにした。結局、第10回戦力強化委員会で決定した内容を受け継ぎ、5人の委員とオンライン会議を行った。今後、理事会で追認されれば、規定や手続き上問題がないという法律検討を受けた。

7月2日から4日まで、外国人監督の候補2人と対面インタビューを行い、5日午前に韓国に到着した。どのような決定が韓国サッカーの発展に役立つか悩んだ。そして、ホン監督の家の前で23時頃に会った。

ホン監督は最も高い支持を受けたことがある。ホン監督に、A代表と世代別代表の連続性について数回話をした。

KFAの哲学やゲームモデルの連携と連結したとき、ビルドアップ時のラボルピアーナと非対称の3バックの形を持っている。相手のスペースを活かし、相手に合わせてカウンターやコンビネーションを仕掛けるなど、良い姿を見せてきた。試合のテンポ調整、ポジショニング、機会創出も見られた。

昨シーズン(の蔚山)はビルドアップやプレス強度で1位など、効果的にプレーした。世代別代表を経て、指導者としての経験、行政家としての幅広い視野を持っている。KFAの哲学、世代別代表との連続性、連携で助けになると思う。

あとはリーダーシップだ。ホン監督のワンチーム、ワンスピリット、ワンゴールが必要だと思った。ワンチームの精神を作ることに卓越した監督だと思った。自由のなかにも規律は必要だ。ワンチームの確立に向けた適任者と判断した。

外国人監督の韓国居住問題を教訓に、Kリーグの選手をチェックし、世代別代表との連携を考慮した。

成果を(ほかの候補よりも)さらに証明したと判断した。2度のリーグ優勝、ACL4強、クラブW杯出場、世代別代表の大会での成功経験などがある。すぐにW杯3次予選が始まるだけに、時間的に選手を把握するのは難しいと判断した。

クラブと代表のチーム運営は違う。ホン監督が代表で失敗した経験も、状況によっては積極的に活用する必要があると考えた。

外国人監督の候補者が、欧州ビッグリーグでの経験や確固たる哲学があることは尊重するが、ホン監督より明確な成果があるとは考えられなかった。代表に入れるには時間的に難しいと思った。十分な滞在期間についても確信が持てなかった。“在宅”による議論発生のリスクの存在を無視することはできなかった。気に入らなかったとしても、KFAやホン・ミョンボ号に多くのアドバイスをお願いしたい。

ホン・ミョンボ監督
(写真提供=韓国プロサッカー連盟)ホン・ミョンボ監督

―ホン・ミョンボ監督はいつから代表を率いることになるのか。

蔚山が協力してくれた。今後の協議の後、蔚山が望む計画通りに議論していく。蔚山で引き続き指揮を執ることは難しい。

―技術発展委員会は規定上、U-17代表のみ管理できるようになっているが、どのような資格でA代表の監督選任に関与したのか。

チョン・ヘソン委員長が辞任した後、私が技術委員長ではあるが、総括理事を兼任している。最終候補を受けた状態で、誰かは手続き通りに進めなければならなかった。協会からこの仕事を進めてほしいという任務を受け、推進した。

―欧州出張後、戦力強化委員会にしっかり報告がなされたのか。

現在の戦力強化委員会たちとミーティングをしなければならないが、再びメディアや外部に露出することを恐れてきた。個別で5人の委員と最終決定をしても良いか同意を得た後、決定した。

―ホン・ミョンボ監督をどのように説得したのか。

最後の最終候補3人に対し、公正に進めなければならないと思った。ホン監督が私に会ってくれるか、ミーティングができるかという悩みと恐れもあった。2人の外国人監督とミーティングをした。さまざまな哲学を聞いたし、積極的に、誠実に臨んでくれたことに感謝している。

ホン・ミョンボ監督は「手続き上来たのか、どれほど私を評価したのか」と質問した。なぜ韓国サッカーに献身しなければならないのかについて説明した。KFAの哲学と、世代別代表との連携について話した。

―年俸規模はどうなるのか。

3人の候補者と会うことをチョン・モンギュ会長に話した。すべての決定をしていけと伝えられた。会長には報告しなかった。キム・ジョンベ副会長に進めてほしいと話した。外国人監督と同等に要求した。金額を明らかにすることはできないが、これからは韓国人監督も外国人監督に劣らない待遇を受けなければならないと思う。

―アジアカップまで指揮を任せた理由とは。

すべての技術パートに権限と責任を与えた。ホン監督を短期間で評価するより、最も重要なA代表と世代別の連携のためには、十分な時間を与えたかった。欧州出身のコーチを最低2人要求し、ホン監督も受け入れた。そうなれば、A代表と世代別代表との連携が上手くいくと思う。

―外国人監督が実現する可能性はあったのか。

戦力強化委員会を尊重し、継続すると考えた。外部から外国人監督の推薦も受けた。自分一人で決定的な判断はできないと思った。手順通りに進めた。最終候補者を受けたので、それが私の任務だと思った。

―戦力強化委員会が正常な役割を果たしたのか。

「5人だけに同意を得たからといって上手くいったのか」ということについて、私が言及することは難しい。協会実務者、法務チームの助言を受け、問題がないと言ったため進行した。

―ホン・ミョンボ監督と協会間の接触や共感はどのようになされてきたのか。

韓国サッカーがどう進むべきか悩んだ。年俸問題もすべて受け入れた。自分なりのサッカー哲学がしっかりしていた。ある一人が、「インタビューをしてくれてありがとう」とメールを送ってくれた。立派な監督なのだから、これからチームを引き受けることがあるだろうと答えた。

2人の候補を推測することだろう。サッカー哲学があまりにも強く、確固たるものとしているが、果たしてこの方々に現時点で我が国の選手たちが適応していくことができるだろうか。パウロ・ベント監督のようにビルドアップをしてきている。守備からロングボールを用い、競争しながら素早くサポートするサッカーではない。この部分が間違っているのではなく、我が選手たちに合っているだろうか。未来のために進んでいるのに、プレスに対する哲学を要求することが正しいのか。

中東勢との対戦時もビルドアップを通じてチャンスを演出しなければならないが、DFラインを引き上げれば、カウンターアタックに対する対策が出るだろうか。10日間の招集でその方々の哲学を完全に理解できるだろうかという考えが浮かんだ。

蔚山が機会創出、ビルドアップで1位を記録している。私の経験と知識を非難してもいい。このような部分が間違っていると言えば受け入れる。後悔したい気持ちはない。ホン・ミョンボ監督とは接触する立場でもなかった。

―5カ月間で約100人もの外国人監督と会ったが。

97人の候補者から戦力強化委員が最終候補を狭めた。ある部分がああだこうだと言うことは難しい。選任日程に報告は全体的に聞いているし、手続き上の問題がないということが重要だ。

誰かが話をしたとき、ほかのことがあるのではないかということに同意することはできない。すべての権限を与え、透明に、手続き通りに決定した。

―最終決定は一人で下したのか。

3人の候補者に対する決定は私がしたものだ。長所と短所をめぐって選手たちにはどのようなものが適しているだろうか。主導するサッカーとは、すべての試合を主導しようということではない。監督が計画したことが、試合ごとに変わることもある。

―最後にファンに一言。

最初も申し上げたが、Kリーグ、蔚山ファン、クラブには一つも弁解の余地がない。蔚山からホン・ミョンボ監督を送ってくれることになり、感謝したい。改めて、蔚山のファンには申し訳ないと申し上げたい。私自身、これからも蔚山をずっと応援している。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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