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【六本木】企画展 歌と物語の絵 ―雅やかなやまと絵の世界 特集展示「没後100年記念 黒田清輝と住友」@泉屋博古館東京2024年7月21日(日)まで

  • 2024.7.8

六本木の泉屋博古館東京では、「企画展 歌と物語の絵 ―雅やかなやまと絵の世界」と特集展示「没後100年記念 黒田清輝と住友」が2024年7月21日(日)まで開催されています.

出典:リビング東京Web

住友コレクションから桃山・江戸時代前期の「やまと絵」を中心に公開されています。 「竹取物語」「源氏物語」「伊勢物語」など、現代に読み継がれる和歌や古典文学を素材とした絵巻や屏風の紹介と物語と絵画との関係性に迫る展覧会です。

やまと絵とは

中国の主題を取り上げた絵(唐絵)に対する絵画として平安前期に誕生し日本の風景、風物を描いたもの。華麗な色彩で日本人に親しまれた画風です。

屏風に広がる歌枕のイメージ

歌枕とは和歌に多く詠み込まれる名所や旧跡をさす言葉です。《柳橋柴舟図屏風》は、向こう岸に山並みを望む大きな川の流れ、そこにかかる金色の橋。「川、橋、山に、柴舟、網代木(杭)」とみれば古来宇治が連想されました。宇治の山里からは橋姫の伝説や源平合戦の逸話と「うじ=憂し」との連想から名所歌枕としての「宇治」が形成されています。 ※主催者側の許可を得て撮影しています。

出典:リビング東京Web

《柳橋柴舟図屏風》江戸・17世紀 泉屋博古館

和歌の感動が絵画化され、また言葉遊びも用いながらさまざまな扇面に描かれたデザインと風景が愉しめる作品です。

出典:リビング東京Web

《扇面散・農村風俗図屏風》江戸時代(17世紀) 泉屋博古館蔵

歌仙になった紫式部の曽祖父

もとは三十六の歌仙が連なる二巻の絵巻です。藤原兼輔は平安前期の公家歌人で紫式部の曽祖父です。

出典:リビング東京Web

重要文化財 詞:伝藤原為家 絵:伝藤原信実《上畳本三十六歌仙絵切 藤原兼輔》鎌倉時代(13世紀) 泉屋博古館蔵

第2展示室に入ると屏風図の大作が展示されており雅な世界観が広がっています。

出典:リビング東京Web

伝本阿弥光悦《葛下絵扇面散屏風》江戸時代(18世紀) 泉屋博古館蔵

「伊勢物語」「源氏物語」「平家物語」ものかたる絵

物語は元来、「語り」のことばどおり、音読を聞くことが中心でしたが巻物などに描かれた絵を前にして「耳」と「目」で味わうようになり絵巻物から、冊子、扇、掛物、屏風へと、「物語絵」は広がりました。

出典:リビング東京Web

宗達派《伊勢物語図屏風》桃山~江戸時代(17世紀) 泉屋博古館蔵

中世末から近世にかけての物語絵屏風は、大画面の特長を生かした装飾的で視覚効果の高い新たな世界がドラマティックに描かれています。光源氏の表情も細やかに描かれているのも見どころの一つです。

出典:リビング東京Web

《源氏物語図屏風》江戸時代(17世紀) 泉屋博古館蔵

『平家物語』終盤の名場面。平清盛(たいらのきよもり)の娘で安徳天皇(あんとくてんのう)の母、建礼門院(けんれいもんいん)は、洛北大原で源氏に滅ぼされた平家一門の菩提を弔っていました。そこに後白河法皇(ごしらかわほうおう)が秘かに訪ねる情景が描かれており印象に残るシーンです。

出典:リビング東京Web

《大原御幸図屏風》桃山時代(16世紀) 泉屋博古館蔵

絵巻物の展示も見応えがあります。

出典:リビング東京Web

会場風景

れきし画

明治時代には洋画・日本画を問わず、日本の歴史・神話・仏教主題・伝説を描く「歴史画」が流行しました。画家たちは歴史を正しくかつリアルに伝えるため、時代考証を究め、時に西洋画の写実技法を駆使して迫真的に描き出すことに腐心しました。岡倉覚三(天心)が、「歴史画は国体思想の発達に随て益々振興すべきものなり」と奨励したように、歴史画は近代国家の形成において必要とされ、国家意識の高まりや西洋絵画における「歴史画」概念の輸入を受けて盛んに描かれるようになります。

出典:リビング東京Web

会場風景

特集展示「没後100年記念 黒田清輝と住友」

日本近代洋画の父ともいわれる画家、黒田清輝(1866~1924)没後100年を記念しての特集展示。須磨海岸に建てられた住友家の別邸、須磨別邸とともに空襲で焼失した黒田の代表作《昔語り》をその下絵や画稿から紹介されています。

出典:リビング東京Web

会場風景

黒田清輝(1866~1924)は、フランス留学から帰国して間もなく、当地で親交を結んだ西園寺公望を通じて、住友家第15代当主・住友吉左衞門友純(1864~1926、号春翠)と交流を持ち、制作の支援を受けていました。

出典:リビング東京Web

会場風景

企画展 歌と物語の絵―雅やかなやまと絵の世界展は、屏風や絵巻物などの作品は古典文学を題材にしており難しいのではと思われるかもしれませんが雅で華麗な世界観と、なかにはユーモラスに描かれた作品もあり、とても見応えのある展覧会です。

この機会に是非会場へ足を運ばれてみては如何でしょうか。

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