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レトロな趣に浸りながら、岐阜・多治見の「ヒラクビル」で書店とカフェを満喫

  • 2024.7.8

陶器の街として知られる、岐阜県多治見市の商店街に建つ「ヒラクビル」。レトロなビルをリノベーションした趣のある空間に、独自の選書が光る書店と居心地のいい喫茶が入居しています。街の人に親しまれる交流拠点や観光で訪れる人の目的地としても定着している複合施設。多彩な魅力が共存するスポットへでかけて、ゆったりと有意義な時間を過ごしてみませんか。

レトロな趣に浸りながら、岐阜・多治見の「ヒラクビル」で書店とカフェを満喫
レトロな趣に浸りながら、岐阜・多治見の「ヒラクビル」で書店とカフェを満喫

商店街の閉店した店舗をリノベーション

レトロな趣に浸りながら、岐阜・多治見の「ヒラクビル」で書店とカフェを満喫
旧店舗の時から店頭にあり、ヒラクビルオープン後に再び時を刻み始めた世界時計

岐阜県東南部に位置し、美濃焼の産地として歴史と伝統を受け継ぐ多治見市。モザイクタイルの生産量が日本一であることでも知られています。名古屋駅から多治見駅まではJRで約40分、多治見駅から「ヒラクビル」までは、ながせ商店街を通って向かいます。昔ながらの喫茶店やうどん屋さん、新しいカフェや陶器を扱うお店などが点在する通りです。
宝石やメガネ、時計を扱うお店だったビルを、多治見まちづくり会社が中心となってリノベーション。書店と喫茶、シェアオフィス、レンタルルームを備えた施設として、2019年にオープンしました。

レトロな趣に浸りながら、岐阜・多治見の「ヒラクビル」で書店とカフェを満喫
1階の右側と2階に「ひらく書店東文堂本店」、1階左側に「喫茶わに」がある

ビルの名称は、多治見の未来や訪れる人の可能性が「ひらいて」いくことを願って、「ヒラクビル 」と名付けられました。オープンから5年が経ち、地元の人はもちろん、県外から多治見を訪れた人が立ち寄ることも多い場所になっています。
入居するお店自体はもちろん、ビル自体のたたずまいも魅力的なヒラクビル。元々の内装や備品を生かしながら、タイルを活用するなど地元に根差したスポットらしさが光る造りになっています。

多治見に根差した書店の新形態「ひらく書店東文堂本店」

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レトロなビルの内観も相まって、わくわくする空間

「ひらく書店東文堂本店」を運営する東文堂は、創業して120年あまり。多治見市の文化を支えてきましたが、本離れや実店舗の利用が減少するといった状況から、書店の在り方を問い直す時期を迎えていました。そんな折に、街の交流拠点としての役割も担うヒラクビルが誕生することになり、地域密着型で新しい形態の書店として、「ひらく書店東文堂本店」をオープンしました。
多治見市内の学校教科書を取り扱うことから、夕方には制服姿の学生が立ち寄るなど、町の書店ならではのほのぼのとした光景も。休日には地元の方を講師に迎えたワークショップを開いたり、駅前の広場でイベントを行ったり、人が集い交流する拠点としても親しまれています。

好奇心がつながることを意図した棚づくり

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入口すぐのスペースでは、その時々のフェアを展開

1階と2階に並ぶ書籍は4000冊ほど。決して多くはないため、店長の木野村さんとスタッフの皆さんが扱うべき本をセレクトしています。例えば、旅行のコーナーでは一般的なガイド本ではなく、ネットで検索しても情報が出てこないエッセイなどを中心に。本から本へと興味が広がるように、関連するジャンルの棚を隣り合う位置に置いています。
「まだあまり知られていない、珍しいことに興味がある」という好奇心旺盛な木野村さん。その視点で選んだ本と、別のスタッフさんが選んだ異なるテイストの本が混在するのもひらく本屋の魅力です。

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インドの絵本、タラブックスの取り扱いもある

書籍のほかに雑貨の取り扱いもあり、多治見の作家さんの器も販売。2階に上がってすぐの場所には、陶芸や器に関するコーナーも設けられています。絵本の棚は、子どもたちが興味を持って手をのばせるように表紙を見せることにこだわったレイアウト。多治見らしさがあって個性的なモザイクタイルをあしらった本棚など、コーナーごとに異なる雰囲気も楽しみながら、ゆっくりとめぐりたくなる店内です。

本を読みながら思い思いに過ごせる「喫茶わに」

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中央のテーブルのほか、壁際と窓際にカウンター席も

書店とあわせて立ち寄りたいのが1階にある「喫茶わに」。こちらの店内にも以前の店舗の要素がうまく生かされています。店内中央の楕円形のテーブルは、かつて商品が並んでいた展示台。ここを囲んでみんなが”輪に”なり集うイメージが、店名にも込められています。
本やドライフラワー、販売する地元作家さんの陶器などが飾られた店内はあたたかな雰囲気。書店の本を持ち込んで読みながらくつろぐ人や、食事やお茶だけを楽しむ人が思い思いに過ごす居心地のよい空間です。

季節感を大切にした手づくりのメニュー

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窓際の席はタイル張りのテーブルが素敵。定番のティラミスタルトとコーヒー各500円

本が読めることや居心地のよさに加えて、魅力的なメニューがそろっていることも「喫茶わに」の特徴。季節の食材を使って店内で手づくりの食事やスイーツが楽しめます。チーズケーキやシフォンケーキをベースに季節によっても変わるスイーツ、店内で焼くパンの中にはスープにあわせて焼くものも。ランチメニューとは別に、肉や魚、スープの3種類がそろう夜向けの定食、アルコールとおつまみも用意されるなど、時間帯ごとに異なるメニューが迎えてくれます。

幅広く開かれ愛される施設として

レトロな趣に浸りながら、岐阜・多治見の「ヒラクビル」で書店とカフェを満喫
あたたかな光が灯り、たくさんの本が並んでいるのが見える

地元の人に親しまれ、観光などで多治見を訪れる人にも注目されているヒラクビル。美濃焼やタイルなどとともに多治見を彩る豊かな文化の一つとして、チェックしてみてくださいね。

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