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静嘉堂@丸の内「超・日本刀入門 revive ―鎌倉時代の名刀に学ぶ」

  • 2024.7.8

静嘉堂@丸の内で初の刀剣展開催、刀剣ファンも初心者も必見の超・日本刀入門

静嘉堂@丸の内で初の刀剣展「超・日本刀入門 revive ―鎌倉時代の名刀に学ぶ」[2024年6月22日(土)~8月25日(日)]が開催中です。早速観覧して来ました。

刀剣ブームで注目される日本刀は、武士の魂と言われ1000年の歴史の中で戦では武器として、平時には美術品として鑑賞されて来ました。 本展では、「日本刀の黄金時代」と称される鎌倉時代(かまくらじだい)を中心に平安(へいあん)~南北朝時代(なんぼくちょうじだい)まで、静嘉堂所蔵の国宝1件、重要文化財8件を含む名刀が大集合です。

第1章「日本刀の種類」は刀剣入門。太刀と刀の違いや、刀剣それぞれの見どころがパネルで分かりやすく解説されています。

※展示室内の出品の刀剣は全てスマホで撮影が可能です。(曜変天目は撮影できません。会場では撮影の注意を守って撮影をお願いします。)

出典:リビング東京Web

右、重要美術品 古備前宗安《太刀 銘 備前國宗安》 備前国 鎌倉時代(13世紀) (公財)静嘉堂蔵

名刀のいずるところ・五か伝、国宝 手掻包永(てがいかねなが)《太刀 銘 包永(たち めい かねなが)》

鎌倉時代以降、刀剣の生産地は東北から九州まで全国にわたり名刀が生み出されて来ました。 平安時代から江戸時代後期までの刀剣は、慶長初年(1596)を境として「古刀」と「新刀」とに分かれるそうです。

古刀の時代には、五か伝(山城(やましろ)・大和(やまと)・相模(相州)(さがみ そうしゅう)・備前(びぜん)・美濃(みの))と呼ばれた主要生産地があり、多くの名工、有力な刀工集団を輩出しています。

第2章「名刀のいずるところ」では、五か伝のうち室町時代に完成をみた美濃伝を除く4か国の伝法と、大和伝を基礎にしながら独特の作風を生み出してきた九州・筑前(ちくぜん)の作風が紹介されていました。

国宝 手掻包永《太刀 銘 包永》

古くは奈良時代(ならじだい)から鍛冶が発達していた大和国では、鎌倉時代には大寺院の庇護のもと五派の刀工集団が繁栄したそうです。 初代・包永(かねなが)は、13世紀頃活躍した大和五派のうち最大の手掻派(てがいは)の祖で、奈良東大寺の転害門前に住していたとのこと。

国宝 手掻包永《太刀 銘 包永》。附帯するのは江戸時代作の《菊桐紋蒔絵鞘糸巻太刀拵》。 鎬(しのぎ)が高く反りの高い太刀姿。鍛えは板目(いため)流れて柾目(まさめ)交じりとなり、地沸が厚くつくとされています。 刃文は中直ぐ調、小乱れ・五の目を交えて二重刃がかかります。 堅実な造りこみと直刃を主体とした刃文など、大和物を代表する名作とされています。

国宝《曜変天目(稲葉天目)》もあわせて展示。 同じ炎の中から生まれた刀剣と陶器。火に鍛えられた鋼(はがね)の美と、炎に焼かれる中で偶然生まれた斑文の美の競演です。

出典:リビング東京Web

国宝 手掻包永《太刀 銘 包永》 大和国 鎌倉時代(13世紀)、附 菊桐紋蒔絵鞘糸巻太刀拵:江戸時代(18~19世紀) (公財)静嘉堂蔵

きら星のごとき名刀の輝きと、降臨!重要文化財《木造十二神将立像(もくぞうじゅうにしんしょうりゅうぞう)》(7軀)

第3章「きら星のごとき名刀」では、重要文化財の刀剣8件が勢ぞろいした壮観な展示風景でした。 。 展示室内には、鎌倉時代の重要文化財《木造十二神将立像》(7軀)も降臨。名刀とのコラボ展示はファンタジックな物語世界の光景のよう。

出典:リビング東京Web

第3章「きら星のごとき名刀」展示風景 全て(公財)静嘉堂蔵

信長ゆかりの刀剣、重要文化財 古備前高綱(こびぜんたかつな)《太刀 銘 高綱(号 滝川高綱)(たち めい たかつな ごう たきがわたかつな)》

重要文化財 古備前高綱《太刀 銘 高綱》。鎌倉時代(12~13世紀)の作。 戦国時代、駿河の大大名・今川義元(いまがわよしもと)を桶狭間・田楽狭間の戦いで打ち破り、天下布武と称して天下に覇を唱えた戦国武将・織田信長(おだのぶなが)ゆかりの刀剣です。 信長公が、織田家重臣で四天王の1人、滝川一益(たきがわかずます)に賜ったと伝わります。

附帯する《朱塗鞘打刀拵》は、戦国末期の様式を伝える珍しいものだそうです。信長らしい目にも鮮やかな拵です。

出典:リビング東京Web

重要文化財 古備前高綱《太刀 銘 高綱》 備前国 鎌倉時代(12~13世紀)、附《朱塗鞘打刀拵》 桃山時代(16世紀) (公財)静嘉堂蔵

重要文化財《木造十二神将立像》(7軀)

第3章では、時代を切り拓き、歴史を彩った名刀たちと同じ会場に、重要文化財《木造十二神将立像》(7軀)が力強い姿を見せていました。 仏法守護の《木造十二神将立像》(重文)は、慶派仏師による写実的で躍動感あふれる造形で、威厳と気迫に満ち、目に見えぬ仏の臨在さえ感じさせます。

歴戦のつわものの如くプライド高く鋼(はがね)の輝きを見せる刀剣と、聖なる怒りの表情を見せる十二神将立像が対峙する展示室は、独特の緊張感に満ちた不思議な空間でした。

出典:リビング東京Web

慶派 重要文化財《木造十二神将立像》(7軀のうち2軀) 鎌倉時代・安貞2年(1228)頃 (公財)静嘉堂蔵

武将と名刀のストーリー、直江兼続拝領の伝 長船兼光(おさふねかねみつ)《刀 大磨上げ無銘(号 後家兼光)(かたな おおすりあげむめい ごう ごけかねみつ)》

第4章「武将と名刀」では刀剣にまつわるストーリーにも注目です。 伝 長船兼光《刀 大磨上げ無銘(号 後家兼光)》備前国 南北朝時代(14世紀)と、附帯する芦雁蒔絵鞘打刀拵、拵:明治時代(19世紀)(中央)。

「愛」の前立ての兜で有名な直江兼続(なおえかねつぐ)が豊臣秀吉(とよとみひでよし)の遺品として賜った刀です。 兼続は、上杉景勝の重臣でしたが、秀吉に気に入られ出羽米沢を領地として拝領しています。

兼続没後、未亡人のお船の方から主家の米沢藩上杉家へ献上されます。 幕末の戊辰戦争後に姻戚関係にあった土佐藩の助力もあり軽い処分で済んだことにより同藩へ贈られたそうです。

右は、一文字守利《太刀 銘 守利(金象嵌)本多平八郎忠為所持之》 備前国 鎌倉時代(13世紀)。 左は、古青江守利《太刀 銘 守利》 備中国 鎌倉時代(13世紀)。

出典:リビング東京Web

左、古青江守利《太刀 銘 守利》 備中国 鎌倉時代(13世紀) 全て(公財)静嘉堂蔵

いざ丸の内!古刀剣の美を楽しむ―夏休み刀剣イベントも

「日本刀の黄金時代」とされ、今に残る名刀が生まれた鎌倉時代を中心に、平安~南北朝時代の古名刀が揃う展覧会。 ひと振りごとにその刀剣だけの物語があり、個性的な美しさを見せてくれました。

刀剣男士「後家兼光」の等身大パネルもホワイエに登場。 8月11日(日)には貸し切りナイトミュージアムイベントが開催されます。

静嘉堂@丸の内「超・日本刀入門 revive ―鎌倉時代の名刀に学ぶ」は8月25日(日)]まで。 夏休みにご家族で、お仕事帰りにも是非お出かけください。

ミュージアムグッズ

ミュージアムグッズは、鉄分たっぷり手合わせ後の黒ゴマココア(1‚750円)、うつし金蒔絵 後家兼光(1‚000円)、を購入。 黒ゴマココアは、刀剣の鋼(はがね)を思わせる黒ゴマたっぷりのココアでした。(カップは非売品です。お好みの器でお楽しみください。) ※価格は全て税込です。

出典:リビング東京Web

ミュージアムグッズ 静嘉堂文庫美術館

〇静嘉堂文庫美術館、静嘉堂@丸の内
URL:https://www.seikado.or.jp/
住所:〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-1-1 明治生命館1F
※美術館入口は、丸の内MY PLAZAの1階
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)

〇「超・日本刀入門 revive ―鎌倉時代の名刀に学ぶ」
会期:2024年6月22日(土)~8月25日(日)
休館日:月曜日(ただし7月15日・8月12日は開館)、7月16日(火)※8月13日(火)はトークフリーデーとして開館
開館時間:10:00 – 17:00 (毎週土曜日は午後6時まで、第3水曜日は午後8時まで)※入館は閉館の30前まで
会場:静嘉堂@丸の内 (明治生命館1階)
入館料:一般1500円、大高生1000円、障がい者手帳をお持ちの方(同伴者1名〈無料〉を含む) 700円、中学生以下 無料
※当日券の販売もございます。
※無料チケットをお持ちの方はご予約不要です。

〇関連イベント
*学芸員によるスライドトーク:7月13日(土)、27日(土)、8月11日(日)各回11時~
*特別開館トークフリーデー:8月13日(火)
*貸し切りナイトミュージアムイベント、【いざ丸の内!静嘉堂×刀剣乱舞ONLINEナイトミュージアム―おっきい こんのすけと刀剣を学ぼう!】:8月11日(日)
※最新の情報はホームページでご確認ください。

〇ミュージアムショップ
営業時間:静嘉堂文庫美術館開館時間に準ずる

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