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【素敵なおうち訪問:子育て中の住まいの工夫】 好奇心が育つインテリア&動線のアイデア(小林さん宅後編)

  • 2024.7.7

小林さんのおうちDATA

フリーランスのインテリアコーディネーターである小林さん。思い入れのあるインテリアを、子どもたちの成長も考えながら取り入れています。
 
・間取り:3LDK 80㎡
・世帯人数:四人暮らし
 
 PROFILE
小林さん(インテリアコーディネーター)、ご主人(会社員)、お子さん二人

行動から丁寧に考えるインテリア計画

お部屋の一室はお子さんのおもちゃスペースとして使用中

インテリアコーディネートの仕事をされているなかで、自身の生活でも発見が多くあったと話す小林さん。住まいづくりは家族の行動をよく観察しながら考えられていました。
 
「家族が多くの時間を過ごす『家』という空間が、私を含め家族みんなへもたらす影響が大きいことを日々実感しています。家具の配置一つ変えるだけでも行動が変わるので、インテリアの計画は丁寧にしていますね」

リビングとおもちゃスペースの間に設けられたソファ

「一番実感したのがリビングスペースのレイアウトです。息子がまだ小さかったころ、リビングにおもちゃを散らかされないように、リビングとおもちゃスペースの間にソファを置いて区切っていました。
 
それなのにいつまでたってもおもちゃスペースからリビングにおもちゃを持ってきてしまって……。何か変えられないかとソファを窓に沿って置いてみたら、ちゃんとおもちゃスペースで遊んでくれるようになりました。そのときに、空間が遮断されているのが不安で遊んでくれなかったということがわかったんです」

よく使うものは見えやすい位置に

「ほかにも、子どもに限らず、夫や私がよく使うものは目に見えるところに置くようにしています。使うときの取りやすさはもちろん、使った後に片付けるところまでの行動のハードルを下げると、お部屋が整えやすくなります」

小林さんの住まいでは、一つの場所に限られないもの選びも特徴的。
 
「Audo Copenhagenのポータブルランプは持ち運びにも便利で、場所を移動させながらいろいろな使い方を探求しています。明かりは3段階調節ができ、コードレスなのでダイニングテーブルの上でも使いやすく、キャンドル代わりに灯すのが気に入っています」

長年使っているイームズのシェルチェア

ダイニングやワークスペースでも使っているというイームズのシェルチェアは、前の住まいから使い続けられている思い入れのあるインテリア。
 
「夫が付き合って初めての誕生日に贈ってくれたチェアです。ブラックレッグなところが気に入っています」

自己肯定感の高まるディスプレイづくり

お部屋に飾っている息子さんが描いた作品

「家族写真や子どもの作品を飾り、頻繁に作品を褒めたり、家族写真を見ながら会話をするようにしています。家のよく見える場所に家族の写真や子どもの作品を飾ると、子どもの自己肯定感が高まるといわれていますが、飾られると息子も嬉しいようで、自分で作品を選んで壁に貼るようになりました」

母の日にプレゼントしてもらったちぎり絵はフレームに入れて

「今では、リビングとおもちゃ部屋の間の壁は子どものアートを飾るスペースになっています。来客の際にも、自身の作品を自慢げに話している様子を見て、こちらも嬉しくなりますね。ただ部屋中がアートだらけになると大変なので(笑)、スペースを決めて飾ってもらうようにしています」
 
 前編で紹介した額縁に飾られたお子さんの作品をはじめ、子どもの好奇心が住まいにもなじみながら膨らんでいくように、上手く掛け合わせられている様子が印象的です。

オシャレなガラスの器はメダカの水槽

メダカの水槽は、花器としても使えるガラス瓶を使用し、アンティークのシェルフと並べても違和感のないインテリアアイテムのよう。

自分の好きも諦めないレイアウト

子どもの成長に合わせて変えている収納

子育てを経験するなかで、小さな子どもがいる部屋づくりの考え方にも変化があったと話す小林さん。
 
「最初は、子どもが小さいとディスプレイを考えるのが難しいと思っていましたが、今では子どもが小さいからといって、自分の好きを諦めないようにしています」

高さや場所を考えたディスプレイ

「季節の小物を飾ったり、花や観葉植物も飾って楽しんでいます。息子が小さい頃は、子どもの手が届かないように、花瓶は壁掛けにして飾ったり、天井に吊るしたりと工夫はしていました。子どもの性格にもよりますが、小さな頃から物が飾ってあるお部屋に慣れていたからか、床に置いてある植物の枝が折られたり、倒されたりすることは少なくなりました」

インテリアは、「見せ場」を意識するとうまくいく

お子さんが増えたタイミングでは、決してすべての空間を整えようとするのではなく、主要なポイントをおさえるだけでも効果的なのだそう。
 
「インテリアを考えるうえで、『見せ場(フォーカルポイント)』を作ることが大切です。自分が楽しむためでもあり、見せ場を中心にインテリアを考えていくことでメリハリがつき、部屋全体のインテリアがまとまりやすくなります」

小林さんのお気に入りを集めたフォーカルポイント

「一般的には部屋に入って対角線上にポイントを設けるとよいといわれます。ただ必ずしも入口からである必要はなく、自分のいる場所から考えてもよいです。
 
例えば我が家の寝室では、入口ではなくベッドの上にいる時間が中心であるため、ベッドから見て対角線上に好きな壁紙を貼ったり、お気に入りのアイテムや季節の小物を飾ったりしています」

家族に合わせて隠す収納も活用

「息子が小さい頃は、息子の好奇心を刺激するために目に留めてほしいおもちゃや絵本、大人の本や息子用の文房具など、オープン収納をメインに考えていました。
 
今年は、娘が産まれるタイミングに合わせて扉付きの収納に変えています。息子は少し成長し、すべてが目のつくところにしまう必要がなくなってきましたし、また、娘が自分で動けるようになったとき、息子の小さなおもちゃや娘にはまだ早い文房具など、触ってほしくないものを扉のある収納にしまっておきたかったからです。扉付きに変えたからこそ、息子のものは取り出しやすい場所に優先的に配置したり、目線の高さや手の届きやすさなどを考えて配置することで手に取りやすく、自分で片付けしやすくしています」

家族のライフステージに合わせて、よりよい住まいへ。将来的には子どもと一緒に子ども部屋のコーディネートや住まいのリノベーションも考えてみたいと話す小林さん。
家族の成長とともに住まいの成長も楽しみですね。

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