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【メイク監修の井手上漠×女装メイクに挑戦する木村慧人】ふたりが感じるメイクの持つパワーとは?【新ドラマ『顔に泥を塗る』まもなく放送スタート!】

  • 2024.7.6
井手上漠さん×木村慧人さん

7月13日夜11:30からテレビ朝日系にてスタートする新ドラマ『顔に泥を塗る』に出演するおふたりを独占取材! SNSを中心に大反響を呼んだ漫画原作の本作品は、メイクが大好きなVOCEファンにとっても興味深い内容になっている。主人公の柚原美紅(髙橋ひかる)は、彼氏の「清楚でいて欲しい」という勝手な希望に合わせてほとんど化粧をしない毎日を過ごす“自己肯定感ゼロ”状態の女性。そんな彼女がメイク男子・高倉イヴ(木村慧人)に偶然出会ったことで、メイクの魅力に開眼。メイクで美に磨きをかけるという“心の武器”を手に入れて、モラハラ彼氏に恐怖を感じながらも前に進み、人生をリセットするという《人生再起ラブストーリー》はきっと心に響くはず。そこで、ジェンダーレスモデル/俳優として活躍する井手上漠さんと、ドラマのキーマンである高倉イヴ役を演じる木村慧人さんにメイクの力についてお話を伺いました。

「誰も否定することなく素直に生きるイヴの姿に共感。自分もそう生きたいと価値観に変化が」by木村慧人

「誰も否定することなく素直に生きるイヴの姿に共感。自分もそう生きたいと価値観に変化が」by木村慧人

井手上さん(以下、敬称略):
私は昔から少女漫画が大好きなのですが、『顔に泥を塗る』の原作を読んで感じたのは、時代に寄り添う新しいラブストーリーだということ。多様性であったり、モラハラ問題など、世の中をとりまくいろいろなエッセンスが凝縮していて、実写化したらすごく時代にフィットした作品になるだろうな、とワクワクしました。木村さんも原作をお読みになりましたか?

木村さん(以下、敬称略):
読ませていただきました。今回僕が演じる高倉イヴという役は、性別は男性、恋愛対象者は女性ですが、メイクや美容が大好きな大学生で、レディースの服を着て女装を楽しむこともあって。周りの目は一切気にせず、自身の大切にしたい価値観や考え方を守る。けれど違うものを否定することはしない。そのうえで、周囲の人生にいい影響を与えていくという生き方にすごく影響を受けましたね。イヴとの出会いで、なにか自分の中の価値観が変わった気がしています。

井手上:
漫画やドラマとか、作品って人を変えることもできるパワーがありますよね。

「プロのメイクアーティストの一人としてドラマ全体のメイクを監修」by井手上漠

「プロのメイクアーティストの一人としてドラマ全体のメイクを監修」by井手上漠

木村:
井手上さんがメイク監修という制作サイドのスタッフとして参加されると聞いて、ビックリしました。新しいなって思いました!

井手上:
今回は演者としてではなく、メイク監修という重要な役割を担わせていただく事となりました。原作ファンの皆さんは実写化するときにイヴ役に誰が選ばれるのか、どんな印象なのか、すごく気になると思います。その期待に応えられるように、そして木村さんがスッと役に入り込んでいただけるようなメイクを提案できればと思っています。

木村:
プロのメイクアップアーティストだったとは……!!

井手上:
ずっと芸能のお仕事と共に美容関係のお仕事もやりたいという夢があって。実は高校卒業後に上京してから美容専門学校に通っていました。小学校4年生から美容がとにかく好きなのだけれど、その気持ちだけで通用するほど甘くないですよね。だから、自己流ではなく専門的な知識を得て自信を後押しするには勉強だ! と思って。国際メイクアップアーティスト1級まで取得しました。

木村:
夢への第一歩ですね。スゴイです!

井手上:
そう、すごくうれしくて! 今回は、メイク全体のイメージを決めていくのが私の役割なのですが、イヴのメイクに関しては、今まで見てきた“THE女装メイク”にはしたくない、という強い想いがあります。私は生物学的には男性で、それをどう女性的に見せるかというのは研究してきたことなので、私だからできることや見える観点をイヴのメイクに組み込んでいけたらなと思っています。木村さんは、女装メイクの経験はありますか?

「かれこれ3年くらいライブのときに“けいこちゃん”という女装をやっているけれど(笑)、それとはケタ違いに今回の僕はキレイ」by木村慧人

「かれこれ3年くらいライブのときに“けいこちゃん”という女装をやっているけれど(笑)、それとはケタ違いに今回の僕はキレイ」by木村慧人

木村:
三年くらい前にやったことがあって、実は「FANTASTICS」のライブでも演技パートがあり、その中で女装して“けいこちゃん”というキャラクターを演じているんですよね。そういった活動もあって今回のイヴ役に選ばれたと聞いたときには、「“けいこちゃん”、やっておいてよかった~」と心底思いましたね(笑)。

井手上:
ということは、女装メイクには慣れているんですか?

木村:
それが全然で、“けいこちゃん”は、木村慧人のメイクにウィッグをつけて女性の服を着るくらいで。だから、今回、つけまつげをしたり、真っ赤なリップを塗ったり……そんな本格的なメイクが新鮮で楽しいです。

井手上:
すでに何度かイヴくんとして女装メイクの機会がありましたけど、仕上がったお姿を見てどう思いましたか?

木村:
完全にお母さん似で!

井手上:
ええ!? そうなの!?

木村:
もともと顔立ちが母に似ていると言われるので、メイクをして髪をロングにした顔を見たときは、え? お母さんってなりましたね(笑)。なんて感想もあるけれど、毎回、普段と全然違う新しい自分と出会うことができて、刺激を受けています。でも、男性を女性のようにメイクで仕立てるというのは難しくないですか?

井手上:
実は、今回のイヴのメイクには、まったく難しさを感じていません。というのも、メイク修業でいろいろなシチュエーションを想定した訓練をしてきたから。そして、なにより素材がいい! 木村さんのお顔立ちが美形かつ中性的でもあるので、性別の壁みたいなものを感じずにやれています。

木村:
かわいいファッションには、愛らしくタレ目にして、クールにするときは赤リップでキリッとした印象にしたり……。その雰囲気によって気持ちもこんなにも変わるのかというのが新しい発見です。

井手上:
メイクが持つ力ってすごいですよね。

木村:
もともとライブでは、アイラインを引いたり、シャドウを塗ったりしていて、出来上がった表情によってパフォーマンスも見せ方も変わってくる。素の僕とは違うレベルにメイクが引き上げてくれるっていう感じがあります。

井手上:
このドラマの主人公である美紅も、メイクの力によって自己肯定感を取り戻して前を向いて新しい人生を歩んで行きますよね。そういうことはドラマの中だけの話ではないはず! メイクによって人生が変わるっていうのは、現実にもあることだと思います。

「好きなことを封じて他人の意見で生きていた過去の私が美紅と重なって見えるときがある」by井手上漠

「好きなことを封じて他人の意見で生きていた過去の私が美紅と重なって見えるときがある」by井手上漠

木村:
登場人物の中で、自分と似ているな、と思う人はいますか? 僕はやっぱりイヴです。伝えるべきことをきちんと口にするところが重なるなと。井手上さんは?

井手上:
私は、イヴくんと思われがちですが、実は美紅ちゃんです。昔は閉ざした性格だったし、好きなことを好きとはいえずに他人の意見で生きているところが似ているなって。だからこそ、人から否定されて傷つかないようにしている美紅の姿を、それも間違っていないし、上手に生きていると思えたところがあります。一方で、そこから解放されて、これまでとは違う感覚に出合うというのも事実だと思う。そんな美紅ちゃんはもちろん、このドラマの登場人物からは、現代を生きる私たちが学べることがたくさんありますよね。

木村:
すごくわかります。このドラマには、生きるヒントになる要素が多いって僕も感じます。人ってなにも思い通りにいかないときってありますよね。そういうときに、このドラマを見ていただくと、人生にはいろいろな道があると思ってもらえるのではないかと。それから、やりたいことがある人には背中を押すきっかけになると思います。

井手上:
登場人物の一人一人にドラマがありますよね。今回、そういったそれぞれのストーリーの背景まで考えてメイクイメージを構成しています。たとえば、イヴなら、表で笑って裏で泣いて、多くの問題と向き合い、乗り越えてきた今、やっと自由に生きているのではないかと想像したり。そんなところが自分とリンクして、イヴなら心の弱い部分が透けて見えないようにメイクを少し濃くするのでは? と想像しました。

木村:
前向きで明るく美しいイヴのメイクにつながっているんですね!

井手上:
そうだといいな。VOCE読者のみなさんにも「イヴのメイクをしたい!」と思ってもらえるように監修をがんばりますので、ぜひ、ドラマ『顔に泥を塗る』をメイクアレンジという視点でも楽しみにしていただければと思います。

井手上漠さん×木村慧人さん

井手上漠さん×木村慧人さんの女装メイクができあがるまでに密着。スペシャルYouTube動画は7/13(金)ドラマ『顔に泥を塗る』初回放送後に公開予定!

『顔に泥を塗る』

顔に泥を塗る 2024年7月13日(土)スタート!
【毎週土曜】 よる11:30〜深夜0:00 テレビ朝日系24局

(C)ヨシカズ/コアミックス/テレビ朝日

PROFILE:井手上漠(いでがみ・ばく)
2003年1月20日生まれ。島根県隠岐郡海士町出身。2018年、高校1年生で第31回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストにてDDセルフプロデュース賞を受賞。その後、性別にとらわれないモデル・タレントとして、多数のファッション誌・美容誌、TVドラマ等で活躍。現在は、国際メイクアップアーティスト1級を有するプロのメイクアーティストとしても活躍の場を広げている。

PROFILE:木村 慧人(きむらけいと)
1999年8月16日生まれ。東京都出身。2008年、9歳でEXPG STUDIOに入校。三代目 J SOUL BROTHERSなどのサポートダンサーとして経験を積んだ後、2018年ダンスボーカルユニット「FANTASTICS」としてデビュー。現在は、俳優としても活躍し、映画やドラマに数多く出演している。

撮影/榊原裕一 取材・文/金子優子

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