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馬や牛の専門獣医師×ママライターがゆく!動物ふれあいスポットとこころ育む「アニマルセラピー」の世界をご紹介♡【新連載】

  • 2024.7.5
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はじめまして。獣医師ライターのMERIと申します。

菜の花畑とデゴイチ(SL)が有名な北海道・安平町在住で、2024年で4歳になる息子がいます。

獣医師からライターに…そんなちょっと変わった?経歴の私が、動物の魅力、動物とのふれあいを通じて、Sitakke読者のみなさまの暮らしを豊かにする楽しい記事を書いていきますので、どうぞよろしくお願いいたします!

まずは、私の自己紹介として、今までに経験してきたことや獣医師からライターになった背景などについてご紹介します。

【連載】「こころ育む、動物ふれあいスポット」。

“大動物獣医師”として、東京から北海道へ

Sitakke

私の出身は、東京。

獣医師となった2016年に初めて北海道にやってきました。

「獣医師」というと、皆さんにとっては、マチの動物病院で犬や猫を診療するお医者さんというイメージの方がずっと強いかもしれません。
だけど、私は酪農や畜産に関わる牛や馬を診療する「大動物獣医師」として仕事を始めました(「だから北海道か!」とわかっていただけるかと思います笑)

2020年には息子が誕生。2023年からライターとしての活動を始めています。

獣医師として勤務していたのは7年間。その後、現在までにライターとして約1年間活動してきました。

以下にこれまでの経歴を簡単にまとめましたので、ご参照ください。

2016年
麻布大学獣医学部獣医学科卒業
2016年
日高地区農業共済組合(現;北海道農業共済組合)に入職
2020年
息子誕生
2023年
退職しライターの道へ
2024年
フォトグラファーとしても活動開始

ここからは、獣医師を目指した理由やライターに転身した背景などについて、詳しくご紹介いたします。

馬が大好きで…祖父母と行ったふれあい牧場の思い出

Sitakke

私が牛と馬を診る大動物獣医師を目指そうと思ったのは、幼少期に祖父母と一緒に行ったふれあい牧場での楽しかった思い出がきっかけです。

特に馬ににんじんをあげたことが記憶に残っていて、これが私の馬好きの原点となりました。

犬や猫などの小動物を含め動物全般が大好きなので、一時期は犬や猫の獣医師になることも考えていましたが、やっぱり私は馬が好き!

気づいたらいつの間にか馬の道に戻ってきていました。

私が生まれ育った東京には近くで馬を見れる場所が少ないものの、実家の近くに競馬場があったので、馬は割と身近な存在だったのかもしれません。

その後、自宅から通える麻布大学を受験して合格し、獣医師のタマゴとして勉強を始めました。

馬って触れ合うとこんなにいいことがあるんだ!「アニマルセラピー」との出会い

Sitakke

神奈川県にある麻布大学へと進学し、実家から電車で1時間かけて6年間通いました。

大学には犬や猫のほか、牛や馬、豚などがいて、研究室の学生たちや馬術部の部員で世話をしていました。

大学時代に所属していたのは「介在動物学研究室」。アニマルセラピーや、ヒトと動物の共生について学びました。

その中でも私が研究していたのは ホースセラピー についてです。

私が研究室内で所属していたのは馬チーム。

障がいを持っている方とのふれあい活動や乗馬会などを定期的に実施し、馬の魅力をたくさんの人に伝える活動をしてきました。

馬は、身体は大きく、力ももちろん強いですが、元来心穏やか。

正しく接することで、きちんとこちらの思いに応えてくれます。

大学では、ポニーたちの調教もしていましたが、正しく向き合って根気強く教えていくと、「お手」ができたり、こちらの合図でフレーメン(歯や歯ぐきを見せて「笑う」ように見える現象)をしてくれたりするんです。

ふれあうことだけでもとても癒しをくれる存在ですが、実はほかにもたくさんのメリットを、私たちに与えてくれるのです。

たとえば乗馬。

座っているだけに見えても、全身の筋肉を使うため、体幹の筋肉トレーニングになります。

また、馬に乗っていると視点が高くなりますよね。

いつもと違う新しい景色が見られ、刺激をもらえることもメリットのひとつです。

動物とふれあうことによって、幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」が分泌され、ストレスを和らげる効果があると分かっています。

子どもたちにとって良い影響があることはもちろん、家族も一緒に癒されてみんなで幸福度を上げていけるかもしれません。

Sitakkeでは、大学時代に学んだことを生かし、そんな 動物とのふれあいの魅力 についてお伝えしていきたいと思っています!

大動物獣医師として…「経済動物」のシビアな現実と想い

Sitakke

私は牛と馬の獣医師として、大学卒業から7年間勤めてきました。

診療依頼があれば、例え早朝でも、昼でも、夜中でも…

往診車に乗って牧場へ駆けつけ、現地で治療を行います。

ところで、牛や馬も人間と同じように風邪をひきます。

そんな感染症が流行る時期や、馬の出産シーズンには、早朝から夜までずっと現場を駆け回っていることも少なくありませんでした。

大動物獣医師には、犬や猫などを診る小動物獣医師の仕事内容と大きく異なるところがあります。

それは、「経済動物」を扱う点です。

お金を得るための手段として飼養されている牛や馬たちは、病気やケガによって治る見込みがないと判断された場合には、 淘汰 という選択がとられます。

シビアな考え方だと思われるかもしれませんが、これは酪農や畜産を生業としている農家さんたちを守るための大切な選択でもあるのです。

もちろん私自身も、厳しい選択を迫られる場面に多く立ち会ってきました。

しかし、一見シビアな家畜生産の現場にも、動物たちへの想いやこだわりが多く存在します。

無くなっていい命なんてない。

私たちの食卓に並ぶ牛乳やお肉、そして競馬場で活躍する馬たちも、たくさんの人の想いを背負ってそこに存在している。

そのことをお伝えし、少しでも知って、感じていただけたら幸いです。

獣医師からライターに転身した背景とは

Sitakke

息子の出産から育休を経て職場復帰したあと、子どもの体調不良のたびに仕事を休まなければならない場面が多いことに気づきました。

これは本当に、子育てをするお母さん、お父さんみんなが通り、考え、悩む場面ですよね。

私のように牧場を回って働く獣医師は、当然ながら牧場に行かなければ仕事ができません。

抱えている仕事を同僚に任せるのも、急に長期間休むのも申し訳ない気持ちでいっぱいで、「獣医師としてこの先続けていけるのだろうか…」と不安な気持ちを抱えていました。

うまく両立して活躍している女性獣医師がいる一方で、私は子育ても同じくらい頑張りたいという気持ちがありました。

そして、どっちも中途半端になっている状況から抜け出すことを決意。

夫の転職をきっかけに、退職に踏み切り、安平町に移住しました。

私は子どもに寄り添いながら働ける仕事を求めて、牛と馬の獣医師として経験してきたことや動物の知識を多くの人に伝えていける「在宅ライター」に辿り着きました。

犬や猫などのペットに関することだけでなく、獣医学的な知識をわかりやすくお伝えする記事など、動物関係の記事を中心に執筆しています。

現在は撮影技術を習得し、フォトグラファーとしても活動しています。

牛や馬がどこよりも身近な北海道で…子育てで感じる幸せ

Sitakke

北海道ならではの大自然と、たくさんの動物たちと共生する環境で子育てをすることは、たくさんのメリットがあると感じています。

東京出身だからこそ、東京では経験できないことがたくさん経験できると実感しており、今の環境で子育てできることがとても幸せです。

よく「地方にはなにもない」と言われがちですが、私はそうは思いません。

東京にはない魅力が、北海道にはあります。

子どもたちが大きくなったとき、動物とふれあった楽しい思い出を少しでも覚えていてくれたら、未来の動物たちとの共生社会もさらに良いものになるのではないでしょうか。

MERIが伝える、動物とのふれあいスポットと魅力のポイント

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

Sitakkeの記事のなかで動物たちの魅力を正しく伝えていき、子どもたちが動物を好きになるきっかけを作れたら幸いです。

また、動物とのふれあいを通じて、毎日の育児や家事、お仕事を頑張っているご家族も一緒にぜひ癒されてくださいね!

次回からは、私のおすすめの動物ふれあいスポットと、おすすめポイントをお伝えしていきます。
ぜひお楽しみに!

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文:MERI
1991年生まれ、1児の母。東京都出身、2016年より北海道に移住し現在は安平町在住。
牛と馬の産業動物獣医師として勤務したのち、ライター&カメラマンに転身。動物やペットに関する記事を多数執筆。大学時代には馬の飼養管理を担当しながらアニマルセラピーの研究を行う。動物に関する豊富な知識と経験を生かし、動物とのふれあいを積極的に取り入れる子育てを実践中。

編集:Sitakke編集部あい

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