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コリアンダー香る、新生姜の「ボンベイ」ジンジャーエール

  • 2024.7.18

今年も暑い日々がやってきます。夏は冷たい飲み物や冷房などで意外と冷えがち。そんな時におすすめなのが、喉も潤して身体から余計な熱を出して整えてくれる、生姜とスパイスを使ったジンジャーエール。今回は新生姜とコリアンダーシードやクミン、カルダモンを使ったインド風なスパイスジンジャーエールを神奈川県葉山で旬の野菜を育て、植物を身近に暮らしながらアンティークバイヤーとして活動中のルーシー恩田さんに教えていただきます。

夏の庭仕事にジンジャーエールはいかが?

春はあっという間に後ろ姿を見せ、早くも初夏の心地よい風と、熱烈な日差しが猛スピードで背後から走ってきています。庭仕事に畑仕事に忙しい季節の始まり始まり。私は腕と首の後ろだけ真っ黒に日焼けして、一足お先に夏のお嬢さん。

滝のような汗を流した後、渇き切った喉を潤すのは「やっぱりビールでしょ!」と、言いたい所ですが、下戸な私はもっぱら炭酸水や麦茶、時々ジンジャーエールで「プハーっ!!」と一服、ひとやすみ。

「ジンジャー」って名前がつくから、気持ちはカロリーゼロ体感♡ なんならショウガの燃焼作用でカロリーマイナス! かもしれない、ヘルシードリンクだもの。

ジンジャーエールの「エール」って、なんだかビールみたいだし!

そうなのです。エール(Ale)とはビールの一種。上面発酵で醸造され、複雑な香りと深いコク、フルーティーな味を持つビールのスタイルの総称。

ジンジャーエールの歴史を辿れば、もともとは本当にビールだったのだとか。発祥の地はイギリス、時代はビクトリア朝。ショウガと糖分を発酵して作られていた「ジンジャービール」が元となり、現在のジンジャーエールになったそう。

夏もやっぱりスパイスが欠かせない!

私の生活の中に無くてはならない存在「スパイス&ハーブ」。お料理にはもちろん、アロマとして暮らしの中でも頼れる存在です。冬は身体を温めてくれる作用があり、夏には身体の内側の体温を発散させてくれる万能薬。スパイスを使った代表料理といえば、やっぱり「カレー」ですよね。特にインドカレーって大好き♡

食べれば、歌って踊れそうな気分になる程のエネルギーが湧いてくる気がして、気分はボリウッドスター。「冬と言えばカレーでしょ!」と言いながら、季節が変われば「夏はやっぱりカレーだよね!」と魔法の呪文のように繰り返して、また今年も過ごしています照

私の元気の秘訣はやはり「スパイス&ハーブ」なのである!

不老不死を招くスパイス「コリアンダー」

全国のアンチパクチーファンの方、ご安心あれ。カメムシのような独特の香りがするのは葉の部分。種の部分は全く別の香りです。甘く木のようなフレグランスでオレンジピールのような温かみのある香りを持つ、コリアンダーシード。独特な香りではなく、主張も弱めなので、さまざまな料理に使うことができます。

古来より薬草として使われてきたコリアンダーシード。消化を助ける作用や強壮作用にもすぐれているので、体力を消耗する夏にもおすすめしたいスパイスです。

全国のアンチパクチーファンの方、ご安心あれ。カメムシのような独特の香りがするのは葉の部分。種の部分は全く別の香りです。甘く木のようなフレグランスでオレンジピールのような温かみのある香りを持つ、コリアンダーシード。独特な香りではなく、主張も弱めなので、さまざまな料理に使うことができます。

古来より薬草として使われてきたコリアンダーシード。消化を助ける作用や強壮作用にもすぐれているので、体力を消耗する夏にもおすすめしたいスパイスです。

パクチーの花
これがパクチーの花、緑の丸いのが種。これを乾燥させればコリアンダーシードに。種はフレッシュのまま、サラダやおにぎりに混ぜれば、プチっとした食感と爽やかな風味でごちそう感アップ。
パクチー
日本では色んな呼び方があるのもパクチーの特徴。

英語ではパクチーのことを「コリアンダー」と呼び、タイ語では「パクチー」、中国語では「シャンツァイ」と、世界各地で広く食用されています。

パクチー
メキシコでは「シラントロ」と呼ばれています。

このコリアンダーシード。日本料理では馴染みのないスパイスですが、一歩世界に出ればポピュラーな存在なのです。例えば、ヨーロッパやアメリカではピクルス作りに欠かせないし、インドではカレーを作る際には欠かすことはできない風味を持ち、最近スーパーでも見かけるハリッサ(北アフリカ生まれの辛いペースト状の調味料)にもコリアンダーが含まれています。イギリスでは料理だけではなく、お菓子用のスパイスミックスにも入っていたり、ケーキやビスケットにも使われています。オールマイティ!

コリアンダーシードの歴史は古く、サンスクリット聖句、アラビアンナイトの物語、そして聖書の中にも名前が登場するスパイスです。

中国ではコリアンダーシードを食べれば不老不死になるという伝説もあったとか。数千年前、エジプトでは葬儀の際には、冥土への旅のお守りとして、亡骸とコリアンダーの枝を一緒に葬る習慣があったのだとか。うーん。なんともミステリアスなスパイス。

今回はそんなコリアンダーとクミン、カルダモンを使って、インドムード満載のボンベイ(現在のムンバイ、インドの都市)風ジンジャーエールを作りましょう。今年の夏も元気モリモリ夏バテ知らずだわよ!

ルーシー流!コリアンダー香る、新生姜の「ボンベイ」ジンジャーエール

今回は夏にピッタリなインド風ジンジャーエールを作ります。

カレーを連想させる香りのスパイス達は、喉越しもよく爽やかな風味。ソーダとスパイスの意外な組み合わせがクセになっちゃう! 新生姜もスーパーで見かける季節、爽やかな辛みがピリッと心地よい滋養強壮ドリンク。さぁて!ファイトーッ!いっぱーつっ!!

■ 材料 ※約5〜6杯分

  • 新生姜 100g
  • a)カルダモン 5個
  • a)クミン 小さじ1/2
  • a)コリアンダー 小さじ2
  • シナモン 1本
  • 赤唐辛子 少々
  • レモン汁 60cc
  • 黒糖 120g
  • 水 120cc
  • 炭酸水 適量
  • 飾りのレモンやミント 適量

■ 作り方

① a)のスパイスをフライパンで乾煎りして香りをたたせて、乳鉢やミルで擦り、赤唐辛子とシナモンと一緒に出汁パックなどに入れる。

ジンジャーエールの作り方
フライパンで乾煎りする際は焦げないように弱火で。香りがたって、パチパチ音がすればOK。

② 新生姜は薄いスライスにして、黒砂糖と混ぜ合わせ30分置く。

ジンジャーエールの作り方
ジワジワと生姜の水分が出てきます。もう美味しそう。

③ 小鍋に②と水、①のスパイスパックを加えて、中火にかける。煮立ったら弱火で10分程煮る。

ジンジャーエールの作り方
煮ているとカレーの匂いがしてきます。

④ 火から下ろし、粗熱がとれたら、スパイスパックを取り出し、レモン汁を加えて生姜とシロップはブレンダーなどで撹拌してジンジャーエールシロップの完成! 炭酸水で割って召し上がれ!

飾りにレモンスライスや、ライムスライス、そして庭で蔓延るミントを豪快に飾れば、見た目にも爽やか! 今回はジンジャーエール発祥の地、イギリスのビクトリア朝時代のビールグラスで乾杯!

カクテルにもどうぞ。ウォッカと割ればモスコミュール改め、スパイスの風味がなんともおしゃれな「ボンベイミュール」になっちゃう優れもの。

お口の奥にふわーっと広がるスパイスのリズムが、フィール ソー グッド! 夏のバーベキューや、ガーデンピクニックにも♡

Credit
写真&文 / ルーシー恩田

ルーシー・おんだ/アンティークバイヤー/IFA認定アロマセラピスト/ITEC認定リフレクソロジスト。20代に訪れたタイ・チャン島でのファスティング(断食)経験から、心・体・生活環境などを全体的にとらえることにより、本来の自然治癒力を高め病気に負けない体づくりを学び啓発される。会社員としてデザインの仕事をしながら英国IFAアロマセラピストの資格を取得。退職後は更なる経験と知識の向上のためイギリスへ渡り、英国ITEC認定リフレクソロジストの資格を取得。現在は家業のイギリスアンティークの買付と販売をしながら、アロマセラピスト的な視点で自家栽培の野菜とハーブを使ったお料理教室やワークショップを開催している。

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