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野村周平「むしろ女好きの夢川の方が俺に近い」ドラマ『REAL 恋愛殺人捜査班』W主演・野村周平&塩野瑛久インタビュー

  • 2024.7.5
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写真:Wakaco
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写真:Wakaco スタイリスト:清水奈緒美 ヘアメイク:矢口憲一

―――本作において、真面目で不器用ながらも偏見のない純粋な観察眼で事件を解決に導く“大儀見壮真”と、自称・恋愛マスターで多くの女性との交際経験があり、女性との聞き取り調査でその力を発揮する“夢川幹也”をそれぞれ演じられています。ご自身が演じた役との共通点や、共感できるところはありましたか?

野村周平(以下、野村)「俺はないです(笑)。今回の大儀見という男は、一見、真面目そうに見えるのに、上司にストーカーをしてしまうという設定で、共感できちゃうとマズイ部分もあるので。ただ、『自分の職務を真面目にしっかりこなす』という部分は、役者としての自分と重なる部分でもあるので、意識して演じました。イメージのことで言えば、むしろ女好きの夢川の方が俺に近いと思いました。でも、もし俺が夢川を演じていたらそのままのキャラクターで面白くならなかっただろうから、この配役で良かったと思っています」

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塩野瑛久(以下、塩野)「僕も、どちらかというと真面目な大儀見の方が自分に近いと感じていました。だから、お互いに反対のキャラクターを演じることは、なんて面白いんだろうと、撮影前から思っていました。夢川は本物の愛だとか、そういうものはあまり信じていないように見えるので、そういうところは共感というか、気持ちが分かる部分です」

―――本作で起きる事件はすべて恋愛のもつれを起点としています。劇中での事件の被害者や犯人に共感、同情する気持ちが沸くことはありましたか?

塩野「僕は登場人物で一番共感できるのが夢川で、なんならそれ以外の登場人物にはまったく共感できなかったです(笑)」

野村「共感できると言ってしまったら、犯罪を起こす可能性があるとみなされそうで、イエスとは言いづらいですよね(笑)」

塩野「でも被害者側としての場合もありますからね」

野村「殺される方も嫌というか…。ただ、俺自身ではなく第三者の目線で見た時に、被害者に対して、これは殺されても仕方ないんじゃないか、と感じることはありました。劇中で起こる殺人事件は、実際に起きた事件をもとにしていることもあって、これは殺した側が悪いのか、殺された側が悪いのか、ということをその都度考えながら撮影をしてました」

塩野「確かに、僕も場面場面でそういうことは考えていました」

写真:Wakaco
写真:Wakaco スタイリスト 山本隆司(style³) ヘアメイク:礒野亜加梨

―――お2人がしっかりと共演するのは本作が初となりますが、撮影を経てのお互いのご印象を教えてください。

塩野「周平くんは、全く取り繕わない等身大で素直なところが、魅力的です。現場でスタッフさんたちを巻き込んで全体の士気をあげていたのが印象的でした。みんながやりやすく、肩の力を抜けるような立ち振る舞いをされているところが、見ていて流石だなと」

野村「いやいや、ただ騒いでるだけだから(笑)」

塩野「そうですか?でもそんな印象でしたよ(笑)ちょっと尖ったことも言うんですけど、それが全然嫌味にならない。僕には出来ないので、凄く尊敬します」

野村「俺が共演してて面白かったのが、俺も人のことは言えないけど、塩野くんのアドリブが下手だったことです(笑)。現場で見ていて、カワイイなと思いました」

塩野「この現場においてだけです!(笑)。余裕がなくて!」

野村「なんならエキストラの女性の方がアドリブ上手かった(笑)」

塩野「これに対しては、全く言い返せない(笑)。そのあたりの撮影は“魔の4日間”と言われるくらいの怒涛のスケジュールで。とにかく疲れていたし、ほかの何かを考える余裕もなかったんですよ」

―――かなりタイトな撮影スケジュールだったのですね。

野村「その4日間で、対策班の部屋でのシーンを一気に全部撮影したんですよ。事件についての概要を説明するセリフのオンパレードで、ひたすら長ゼリフを喋ってましたね」

塩野「朝から晩まで缶詰でした。登場人物が多いから、あまりにも疲れてくると頭の中で名前が混ざっちゃうこともありましたし。その4日間は、とにかく目まぐるしい撮影でした」

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写真:Wakaco スタイリスト:清水奈緒美 ヘアメイク:矢口憲一

―――撮影中、アドリブを仕掛けられたりもされたのでしょうか?

塩野「めちゃめちゃされました(笑)。テストはもっと自由にやってましたよ」

野村「そうですね、テストは自分の士気を上げる意味もあって自由にやりました。テストでふざけて、本番は真面目に」

塩野「周平くんは『テストはサービスショットだ』って言ってました。あれは名言です(笑)」

―――具体的にどのシーンがアドリブなのか教えてもらえませんか?

塩野「序盤の1、2話で写真を投げつける場面は完全に周平くんのアドリブです」

―――バディものということでお2人のやり取りのシーンが多いかと思いますが、その中で自然に生まれたりするものはありますか?

塩野「アドリブというか、芝居のテンション感は、お互いが喋って生まれたみたいなところはありますね。台本を読んだ時の大儀見の雰囲気と、実際に周平くんが持ってきた大儀見の雰囲気が、いい意味で違っていたので。大儀見は普段は真面目一辺倒だけど、あるところで急にギアが上がったりするっていうのは台本には書かれていないところですが、お互いに探り合って少しずつ作っていきました」

―――お互いに呼吸のすり合わせをしながら、お芝居を構築されたということですね。

野村「そうですね。大儀見はいかにもストーカーしてそうって思われる姿にはしたくなかったので、あえて屈強に。だけど、そういう人ほど実は心は弱いのかもしれない、という人物像を意識して作ったところはあります」

塩野「このドラマはサスペンス要素が強くて、大きな波が起こるというより、淡々と事件捜査をして話が進むので、夢川と大儀見のキャラクター性やビジュアルが特に大事だと思っています。衣装スタッフさんともその辺りは相談して、髪形を決めたり、サスペンダーをつけるなど、ビジュアルを工夫しました。そこはこだわりつつも、周平くんのお芝居が凄く自然体なので、それに合わせて僕も変にキャラを作りすぎないように、ナチュラルに近く無理をしない方向で、お芝居を作っていきました」

写真:Wakaco
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―――先ほどのお話で“魔の4日間”なんて言葉も出ましたが、現場の雰囲気はいかがでしたか?

野村「雰囲気は良かったですよ。少数精鋭だったので、みんな仲良かったです」

塩野「そうですね。セリフ量が物凄く多くて応酬するシーンもあったので、特に犯人や事情聴取する事件関係者の人たちとは、お互いに支え合う空気が形成されていました」

―――厳しい撮影の中で、お2人はどんなお話をされましたか?

野村「劇中で学生時代の恋愛のもつれが絡む事件があるので、その辺りで、『いい青春してんな』みたいな話はしたかもしれないです」

―――せっかくなので、お2人の青春時代の恋の思い出をお聞きしても良いでしょうか?

塩野「僕はめちゃめちゃウブでしたよ。小学生時代は転校が多かったんですけど、最終的に通っていたところは1学年6クラスある生徒数の多い学校で、小学生でも付き合うってことが当たり前に繰り広げられてました。僕も、女の子から告白されてよく分かってないまま『良いよ』って返事をして。昼休みに僕はバスケ、その女の子は広い校庭の端っこでドッジボールして遊ぶ中、みんなに見つからないようにこっそり手を振り合う、なんていうのが青春でした」

―――可愛らしい素敵な思い出ですね。野村さんはいかがですか?

野村「俺らの時代ってミサンガとかが流行ってたんですよ。手作りのミサンガを渡してつけるみたいなことはしてたけど、そんなもんかな(笑)。その時からスノボーとか結構やってたから、同世代と遊ぶってことがあんまりなかったんですよね」

―――ミサンガ流行っていましたよね。そちらも微笑ましくて良い思い出だと思います。では、お休みはスノボーに行かれることが多かったのですか?

野村「そうそう。基本休みがあったらスノボーとかスケボーをしてました。俺が当時中学生で、相手は21、22歳とか、年上の男性との交流が多かったです」

写真:Wakaco
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―――塩野さんが演じた夢川は、自称・恋愛マスターとして積極的に女性の相談を聞いている印象を受けました。お2人は、プライベートで恋愛相談の機会は多いのでしょうか?

塩野「僕は結構、相談を受ける側ですね」

野村「俺もそうですね」

―――よろしければ、どんな風に相談に乗るのか教えてください。アドバイスなどされるのでしょうか?

塩野「アドバイスはするけど、しすぎちゃうから、ちょっと反省しまして…。要は、具体的なアドバイスよりも共感を求める人の方が圧倒的に多いんですよね。なので最近は、聞くに徹することが多いかな」

―――なるほど。話をただ聞いて共感してもらうことで、傷が癒される部分は確かにあるかもしれません。野村さんはいかがですか?

野村「多分、共感して欲しい人が大半だと思いますけど、いつまでもズルズル引きずることになっちゃうから、もし恋人と別れた後での相談だったら、『もういいじゃん』って感じで話します」

―――相手が気持ちを切り替えられるように誘導されるわけですね。

野村「『だって地球とか宇宙レベルで考えたら、ミジンコとか微生物以下の話してるぜ? この時間もっと考えることあるだろ』とか言ってます(笑)」

―――お2人とも対極でとても良いと思います。

塩野「喜ぶ人は喜ぶけど、二度と相談されないでしょ(笑)」

野村「大体泣かれますね」

塩野「(爆笑)」

―――厳しいようではありますが、その厳しい言葉がむしろ踏ん切りをつけるきっかけになり得そうですね。

塩野「そうですよね。それを求めて自分の懺悔をする場になっていそう」

―――一般に恋愛相談というと、塩野さんのように聞き役をされることの方が多いのではと想像しますが、やはり聞き役を求められることが多いですか?

塩野「多いんじゃないですかね。だけど、僕もどちらかと言うと正論をバシッと言っちゃう方なんですよ。僕がそういう人だって分かっている人には、結構ズバっと言ったりもしますけど、求められてないなっていう時は、共感する方に舵を切ります」

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―――ドラマにお話を戻しまして、ドラマ全体を通して、特に気合を入れて挑まれたシーンを教えてください。

野村「全6話で3つの事件が起こるので、各事件を解決するパートがありますよね。解決パートは、どの回も長ゼリフでずっと喋ってるので、気合を入れて演じてます。それこそ海外ドラマ張りの回しでやってて、それが特に良いシーンになったと思ってますので是非注目して欲しいです」

―――本作は夢川と大儀見の掛け合いも魅力の1つだと思います。塩野さんから見て、掛け合いのシーンはどんなことを意識されて演じられましたか?

塩野「第三者がいるシーンは事件の状況説明が多いので、そこにキャラクターを乗せる作業が難しかったです。説明するときは、キャラクターを全面に出すよりも、むしろ起きていることを整理することの方が重要なので。だから、情報の妨げにならないようにしながらも夢川らしさを少し入れる、その絶妙な塩梅を探っていました。

逆を言えば、夢川のキャラクター性を存分に出せるのは、大儀見との掛け合いくらいだったので、そこではなるべく夢川節を出すように、主にこの2つのバランスを意識して演じました」

―――最後の質問になりますが、視聴者の方に向けて本作の見どころを教えてください。

野村「単純に刑事ドラマとして凄く面白い作品です。恋愛のもつれがテーマの作品ではありますが、アリバイやトリックの部分も凄くちゃんと練られていて、ドラマを観ながら一緒に謎解きを楽しめると思います」

塩野「劇中で登場する3つの事件は、事実をもとに作られたお話なので、それを視野に入れながらドラマを観るのもまた面白いと思います。こんな事件が本当にあったんだと思ってもらえたら嬉しいですし、夢川と大儀見のキャラクター性に注目して実はこの2人の背景に何があったんだろうと想像しながら観れば、より楽しんでもらえると思います。事件を通して色んなキャストが登場しますので、その方たちがどんな事情を抱えているのか、ぜひ注目していただきたいです」

(取材・文:あさかしき)

■タイトル:『REAL 恋愛殺人捜査班』 (全6話)
■配信:配信:2024年7月5日(金) 20時~FODにて第1話、第2話配信開始(第1話無料)
■出演:野村周平 塩野瑛久
竹財輝之助 工藤美桜/佐津川愛美/和田正人 他
■スタッフ
脚本:諸橋隼人 相馬 光
プロデュース:荒木勲
池田綾子
古谷忠之(AIR-X)
演出:川野浩司
加賀佐知子
総合演出:長江俊和
制作協力:NEBULA
制作著作:フジテレビ

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