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和田聰宏、蟹江敬三が演じた“粂八”を受け継ぐ覚悟を語る「怖いと感じていたら演じられないと思った」/「鬼平犯科帳 血頭の丹兵衛」

  • 2024.7.4
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「鬼平犯科帳 血頭の丹兵衛」の出演への想いを語った和田聰宏 ※ザテレビジョン撮影
「鬼平犯科帳 血頭の丹兵衛」の出演への想いを語った和田聰宏 ※ザテレビジョン撮影

【写真】ちょんまげ姿も凛々しい和田聰宏

松本幸四郎が主演する「鬼平犯科帳」の最新作「鬼平犯科帳 血頭の丹兵衛」が7月6日[土]よる7:00〜、7日[日]ひる1:00〜ほかに時代劇専門チャンネルにて独占初放送される。本作は前作「鬼平犯科帳 でくの十蔵」にて捕縛された盗賊・小房の粂八(和田聰宏)と、江戸で凄惨な盗みを繰り返す血頭の丹兵衛(古田新太)を巡る物語が展開されていく。また、本編終了後には、和田と波岡一喜をゲストに迎えたスペシャルトーク番組『鬼平犯科帳アフタートーク「血頭の丹兵衛」編』も放送される。その特番収録の直後に、今作のキーマンである小房の粂八を演じた和田聰宏が本作への想いを語ってくれた。

最新作「鬼平犯科帳 血頭の丹兵衛」&スペシャルトーク番組

「鬼平犯科帳 血頭の丹兵衛」より (C)日本映画放送
「鬼平犯科帳 血頭の丹兵衛」より (C)日本映画放送

『鬼平犯科帳』は、1968年、文芸誌「オール讀物」で連載が開始された、池波正太郎三大シリーズ(『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』)の代表作で、累計発行部数3000万部を超えるベストセラー時代小説。1969年に初代・松本白鸚主演で映像化され、以来4度映像化されたテレビ時代劇。

そんな歴史ある「鬼平犯科帳」が今年、幸四郎主演で新たに幕開けした。テレビスペシャル「本所・桜屋敷」、初の劇場版「血闘」、連続シリーズ「でくの十蔵」に続く、最新作「血頭の丹兵衛」が7月6日(土)に時代劇専門チャンネルにて独占初放送される。

本編後に幸四郎に加え、平蔵配下の与力・同心を演じたキャストが語り合うスペシャルトーク番組も放送される。

同番組では、「血頭の丹兵衛」に出演している和田と波岡がゲスト出演。幸四郎、本宮泰風、浅利陽介、久保田悠来の愛あるイジリが和田と波岡を襲う。本編とは違った、共演者たちの和気藹々とした姿を見ることができる。

そんな和気藹々と進んだスペシャルトーク番組収録直後の和田が、蟹江敬三が演じた“粂八”を受け継ぐ覚悟や、共演した幸四郎と古田新太の印象についてインタビューで語ってくれた。

蟹江敬三が演じた“粂八”を受け継ぐ覚悟「怖いと感じていたら演じられないと思った」

「鬼平犯科帳 血頭の丹兵衛」より (C)日本映画放送
「鬼平犯科帳 血頭の丹兵衛」より (C)日本映画放送

――はじめに、粂八役として出演が決まった時の心境をお聞かせください。

過去20年以上に渡り蟹江敬三さんが演じられていたので、比較されるという覚悟はありました。同時に、今までの鬼平ファンの方々にも受け入れてもらえるのかが勝負だとも感じました。

――蟹江さんと比較されることに怖さはありましたか?

怖さはなかったですね。「怖い」と感じていたら演じられないと思ったので、蟹江さんの真似をするのではなく、僕なりの粂八を精一杯演じようと考えました。

――脚本を読んでみていかがでしたか?

まず粂八の実直な姿は、僕自身とても共感できる部分でしたので、すんなり頭に入ってきました。

――「鬼平犯科帳」という作品に対しては、どのような印象を持たれていましたか?

物心ついた時にはすでに知っていたし、存在していてあたりまえのような作品でした。きちんと見たのは俳優になってからでしたが、登場人物の内なる心情や葛藤などが細かく描かれていて、本当に見応えあるドラマだと感じていたので、一区切りとなってしまったのは悲しかったです。

拷問や激しく叱咤されるシーンが多い粂八について「俳優としてやりがいを感じるシーンなので、演じていて楽しかった」

※ザテレビジョン撮影
※ザテレビジョン撮影

――粂八のキャラクターについて、和田さんはどのように捉えましたか?

盗賊なので、〝真面目〟っていうのもちょっと変なんですけど…プライドを持って生きていて、実直なキャラクターだと感じました。

――粂八を演じる上で、何か特別な準備などはされましたか?

撮影が始まる前に、一度山下智彦監督と食事に行かせていただく機会があったので、二人が考える粂八について、熱く語りつつすり合わせを行いました。

――粂八は、平蔵による拷問シーンや激しく叱咤されるシーンなど痛みを伴うシーンが多くありました。そのようなシーンを演じる苦労や工夫などはありましたか?

拷問シーンなどは、やはり俳優としてやりがいを感じるシーンなので、演じていて楽しかったです。そのようなシーンを演じる時は、僕は自分の世界に入り込みたいタイプなので、それを察してか共演者の方々もそっと一人にしてくれていたので、気持ちも作りやすかったです。

ただリハーサルでは皆さんギリギリのところで竹刀などを止めてくれていたんですが、本番では熱が入ってしまったのか、時々当たっていたので、痛い思いもしました(笑)

共演して感じる松本幸四郎&古田新太の凄み

「鬼平犯科帳 血頭の丹兵衛」より (C)日本映画放送
「鬼平犯科帳 血頭の丹兵衛」より (C)日本映画放送

――「でくの十蔵」では、火付盗賊改方の同心たちとの共演はあまりなかったため、「血頭の丹兵衛」での同心たちとの共演シーンには新鮮味を感じました。

最後の丹兵衛と平蔵たちが対峙するシーンで、同心の方々の立ち回り姿を初めて見ました。場所がかなり狭かったんですが、その中でも各々のキャラクターを出しつつ、すごく器用にやられていたので、「やっぱり、鬼平犯科帳にはすごい人たちが集まっているんだ」と感心して見入ってしまいました。

――平蔵や登場人物たちによる胸に響くセリフも本作の見どころの一つだと思いました。特に印象に残っているシーンやセリフは?

牢獄で死を覚悟している粂八が平蔵に、「島田宿に行かせてください」と懇願するシーンは、自分のお頭だった丹兵衛に対しての恩を忘れない、実直な粂八の人間味を一番感じることができるシーンなので、とても印象に残っています。

――血頭の丹兵衛役・古田新太さんとの再会のシーン、そしてラストシーンは手に汗握る緊張感がありました。対峙した古田さんの凄みを感じる瞬間があればお聞かせください。

古田さんは、キャラクターを作るのではなく、自分に役を持って来ることができるタイプだと感じました。自然体の演技で、怖さだったり優しさだったり悲しさだったりをストレートに表現できることは凄さの一つだと思います。また耳に残るような、あの色気のある声。丹兵衛のセリフも状況によって声のトーンが違って聞こえました。

――松本幸四郎さん演じる平蔵との共演シーンも多くありました。幸四郎さんとの印象的なシーンはいかがですか?

幸四郎さんとの共演シーンは全て印象的です。二人が対峙するシーンでは、僕の目の奥を見るような芝居をされるので、全身をえぐり取られているような感覚でした。一方で、カメラに映っていないところではふざけていたり、たまに気遣ってくれる姿が、平蔵の優しい部分とリンクしていたので「ツンデレだ」と思いながら撮影していました(笑)

粂八役への意気込み「ここからさらに時代劇を盛り上げていけるように頑張っていきます」

「鬼平犯科帳 血頭の丹兵衛」より (C)日本映画放送
「鬼平犯科帳 血頭の丹兵衛」より (C)日本映画放送

――現代劇を多数経験されている和田さんが感じる時代劇の魅力をお聞かせください。

現代劇と比べて、感情が複雑に絡み合ったり、登場人物の葛藤など、より情緒があるのが時代劇の魅力だと感じます。言葉だと伝わりづらいところもあるので、色々な世代の方たちに実際に時代劇を見てもらいたいです。

――「鬼平犯科帳」シリーズは続いていきます。粂八役としての意気込みをお願いします。

最近の時代劇の中でも「鬼平犯科帳」は、人間像を掘り下げて丁寧に描き、メッセージ性もはっきりしている。現代劇では味わえない魅力がたくさん詰まっています。僕もここからさらに時代劇を盛り上げていけるように頑張っていきたいと思います。

――「血頭の丹兵衛」の放送後にはスペシャルトーク番組も放送されます。最後に、特番の見どころをお聞かせください。

火付盗賊改方の皆さんの仲の良さがとても良く出ていて、すごく面白かったです。僕と波岡一喜くんが今回はゲストとして出演しているんですが、二人ともかなりイジられました(笑)。本編とは違った姿を見ることができるので、そこのギャップを楽しんでいただければと思います。

「鬼平犯科帳 血頭の丹兵衛」・あらすじ

捕縛された盗賊・野槌の弥平一味の小房の粂八(和田)は、かつて自分のお頭だった盗賊・血頭の丹兵衛(古田)が残虐な盗みを働いたと知り、それは偽者だと主張する。粂八が知っている丹兵衛は、“殺さず、女を犯さず、貧しき者から盗まず”という三ケ条を掟とする本格派の盗賊だった。粂八は密偵となって丹兵衛一味が潜伏しているという島田宿に赴きたいと平蔵(幸四郎)に願い出る。島田宿での探索が続く中、江戸では新たに丹兵衛の仕業と思われる盗みが発生する。

『鬼平犯科帳アフタートーク 「血頭の丹兵衛」編』 (C)日本映画放送
『鬼平犯科帳アフタートーク 「血頭の丹兵衛」編』 (C)日本映画放送

なお、「鬼平犯科帳 血頭の丹兵衛」と『鬼平犯科帳アフタートーク「血頭の丹兵衛」編』は時代劇専門チャンネルにて7月6日(土)に独占初放送される。

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