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エイジシュート達成のライターが実践する上達のコツ!「勝ち負けにこだわる」

  • 2024.7.4

ゴルフが楽しいのは勝負をする、つまり勝ち負けを競い合うからだと思っている。言い換えると、勝ち負けを競わないゴルフは、単なる山歩きではないかとさえ思う。もちろん60歳を過ぎてからのゴルフは健康維持の要素もあるから、競わないゴルフを全否定するつもりはない。が、そこに他人と競い合う要素を入れると、ゴルフは俄然、輝きを増してくる。1メートルのパットが、ただのパットではなく、勝ちか負けかを決める重大な意味をもつパットになるのだ。

いわゆる「ニギリ」がゴルフのおもしろさ、奥深さを2倍にも3倍にもする。第一に緊張感が違う。このパットを入れたら勝ちと思ったときの高揚感と、外したときの喪失感は、単なる山歩きからは絶対に得られない。また1打差で勝ったときの快感はさらなる向上心を掻き立て、負けたときの悔しさはリベンジに向けた練習へと自分を駆り立てる。それが上達に繋がる効用でもある。

もともとゴルフはマッチプレーから始まっている。1対1でホールごとに勝負をする。イギリス人の賭け好きは周知のとおりで、国公認のブックメーカー(賭け屋)がいて、サッカーの試合から競馬、選挙の勝敗までベットの対象にする。ゴルフのマッチプレーで勝敗を競うのは至極当然だったといえよう。

しかし、マッチプレーでは一度に大勢が競い合うことはできない。そこでアメリカでゴルフが普及したあたりからストロークプレーが主流になった。一時期、ゴルフは「イギリス人が始めて、アメリカ人が広め、日本人が下品にした」と言われたが、それはバブル期の日本で次々に新しい遊びが編み出されたからではないかと思っている。

一体、どんな遊び方があったのか。思いつくままに挙げてみると――

1.タテ 2.ヨコ 3.ナッソー 4.お友達 5.ラスベガス 6.ピン・ポン・パン 7.オネスト・ジョン 8.タコ・イカ・ムカデ 9.ベスト&グロス 10.パー取り合戦 11.オリンピック 12.オリンピックの消しゴム 13.湾岸戦争などがあり、極め付きは14種競技というのもあった。

これも中身を紹介すると 1.よい子・悪い子 2.福は内・鬼は外 3.エリツィン 4.フセイン 5.ゴルバチョフ 6.竿イチ 7.砂イチ 8.ヘビ 9.タテ 10.ヨコで合計10種。さて、あなたはいくつやり方をご存じだろうか。

といっても私は「賭けゴルフ」を推奨するのではない。金額の多寡(たか)ではなく、勝ち負けにこだわるゴルフをしようと提唱したいのだ。ご褒美はランチのときのビール1杯でも、帰りのクルマの中で食べるアイスクリームでもよい。ライバルと競って、勝ちか負けかの白黒をつけることが大切なのだ。

最近は1人予約や2サムでのラウンドが増え、4人単位で遊ぶニギリが激減した。どの会社にもニギリ好きがいて、初対面なのに「今日の遊びはなに?」とやったシーンが懐かしいのは歳をとった証拠だろうか(笑)。

高橋健二
●たかはし・けんじ / 1948年生まれ。ゴルフライターとしてレッスンやクラブ情報などを執筆。HC8。

イラスト= 丸口洋平

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