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大切なのは距離感。大人になり、互いに思いやれるようになったお父さんとわたし

  • 2024.7.3
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わたしのお父さんの顔も性格も、わたしには厳しく感じられる。

幼少期から何かと厳しかった記憶ばかりが残っている。お母さんが厳しい家庭はお父さんが優しく、逆にお母さんが優しい家庭はお父さんが厳しいというイメージが私にはある。もっと言えば、どちらかに怒られるとどちらかが甘やかしてくれる印象が、個人的にはある。しかし、わたしの両親はどちらも厳しい。もしお父さんにわたしが怒られて泣いていると、お母さんは、そこでわたしのことをかばいすぎるとお母さんまで怒られるから……と言ったことが何度かあった。

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社会人になりわたしはひとり暮らしを始めたため、お父さんと会うのは年に数回だ。あとは、1週間に1回以上はお母さんと電話するため、その話に入ってくることがある。
お姉ちゃんとお父さんも、一緒に暮らしていたときはよく衝突していた。しかし、お姉ちゃんが社会人になってひとり暮らしをするようになってからは、仕事の話などで盛り上がっていた印象もあるくらい、仲が良くなっていた。
わたしも、お父さんと離れて暮らしている今となっては以前より仲が良くなったと感じる。また、お父さんがしてくれることに素直に感謝の気持ちが抱けるようになっている。
やはり血の繋がった家族であったとしでも、ある程度の距離を保って暮らした方がより相手を思いやりながら、過ごすことができるのかもしれない。

父の日を目前にして、お父さんから唐突に電話があった。私に買う予定の日用品の種類を選んでほしい、とのことだった。クーポンがあるから〜なんて言っていたし、それほど高価なものではなかったとはいえ、父の日のプレゼントをねだるわけでもなく子どものために電話で希望を聞いてから買いに出かけてくれるお父さんの行動に感謝の気持ちでいっぱいになった。同時に、愛されているのだなとも感じた。

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また、お父さんは何を聞いてもすぐに答えてくれる。例えば、わたしの業種とお父さんの業種は全く違うが、わたしの会社と関係のある業界の動向の話や疑問をお父さんにふいに投げかけてみると、同じ会社の先輩や上司よりも大体詳しいのである。頼りがいのあるお父さんだな、と思う。

家族に対してはかなり厳格なお父さんだが、会社では違った一面を見せているみたいだ。数年前に部署異動をしたときにもらっていた色紙に、「いつも笑顔がステキな○○部長」や「優しく接していただき、ありがとうございました!」という言葉が目立っていた。しっかりとした社会人、管理職として、職場では接しているようだ。家で一緒に過ごした数時間では計り知れない、お父さんの一面もあるようである。

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お父さんの健康のためを思ってわたしが何かアドバイスをしても、全く聞く耳を持ってくれない。お父さんの年齢にもなると、今まで当たり前だった習慣や、自分が好きなものを簡単には変えられないのだろう。わたしは、お母さんとお父さんが、いつまでも元気で幸せに暮らしてほしいと、今日も願っている。

■白百合のプロフィール
自己肯定感高めだけれど繊細。進学校とコロナに奪われた青春を取り戻し中。趣味はカフェ開拓と読書。

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