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沢口靖子“分身のような存在”榊マリコ役への思い「夢や希望を与えられて、俳優冥利に尽きるなと思っています」<科捜研の女>

  • 2024.7.3
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7月3日(水)スタートのドラマ「科捜研の女 season24」で主演を務める沢口靖子 撮影=永田正雄
7月3日(水)スタートのドラマ「科捜研の女 season24」で主演を務める沢口靖子 撮影=永田正雄

【写真】“わかりやすい最新の科学捜査”と“心温まる人間ドラマ”を今シーズンの見どころに挙げた沢口靖子

沢口靖子が主演を務めるドラマ「科捜研の女 season24」(毎週水曜夜9:00-9:54、テレビ朝日系※初回は夜8:00ー9:54)が、7月3日(水)よりスタート。シリーズ25周年を迎える本作は、「原点回帰」をテーマにシリーズ史上最高の“心揺さぶるミステリー”が展開される他、加藤諒が新たなレギュラーキャストとして出演することでも話題となっている。

WEBザテレビジョンでは、主人公・榊マリコを演じる沢口靖子にインタビュー。25周年を迎えた「科捜研の女」への思いや、過去シリーズを含めた撮影の裏側、今シーズンの見どころなど、さまざまなアプローチから語ってもらった。

「マリコは“お転婆キャラ”で始まりましたが、大人の女性に成長しました(笑)」

――今作でシリーズ25周年を迎えたことについての思いをお聞かせください。

本当にこんなに長く続けてこられて、この節目を迎えることができましたのは、皆さんが支えてくださるおかげです。本当に皆さんに感謝しております。

――今シーズンは「原点回帰」がテーマということですが、沢口さんご自身は第1シリーズの時にどういう気持ちで臨まれたていたか覚えていらっしゃいますか?

当時は刑事ドラマが主流でしたので、このドラマの「科学で事件を解明していく」という部分がとても新鮮で面白いなと思いました。でも、(第1シリーズが始まった頃は)こんなに長く続く作品になるとは全く思っていなかったです。

第1シリーズでは、マリコの最初の登場シーンがとても印象に残っています。犯行現場でマリコがゴミ箱に顔を突っ込んで証拠品を探しているんですが、そこに小林稔侍さん演じる木場刑事が来て首をつかまれて、「何してるんだ!」と怒鳴られたことをよく覚えています。初期の頃は「お転婆キャラ」で始まりましたが、今は随分大人の女性に成長しました(笑)。

――四半世紀にわたって「榊マリコ」という役どころを演じてこられましたが、改めて沢口さんにとってマリコというキャラクターはどのような存在でしょうか?

もう私の人生の半分近くを一緒に過ごしてきた、私の分身のような存在です。

――これだけ長い期間演じていると、マリコのキャラクターがご自身の中にも入ってきたというか、役柄がご自身に寄ってきたというような感覚などはありますか?

お友達の家に行って、私が知らない方についてのお話を聞いていた時、「その人はこういう考えでそうしたんじゃない?」って思わず分析してしまったことがあって。その様子を見たお友達から「マリコさんみたい!」って言われたことがありました(笑)。

25年にわたって演じるマリコを「分身のような存在」と語る沢口靖子 撮影=永田正雄
25年にわたって演じるマリコを「分身のような存在」と語る沢口靖子 撮影=永田正雄

「season24」で大切にしたいマリコの“言葉”

――マリコを演じる上で「軽やかさ」を意識されているとのことですが、表情やしぐさなど、具体的に工夫している点を教えてください。

例えばヘアメークさんと相談して、ラボに帰ってきた時にちょっと髪が揺れる感じを出すとか、あとは登場人物やメンバーや(内藤剛志演じる)土門さんと会話する時や、事件を背負っていない時、ナチュラルでやさしい雰囲気にしたいなと思っています。

――そうすることによって、演じる中で何か“新しいマリコ像”を発見したという感覚などはありますか?

「科学で事件を解決していく」という物語の根幹となる部分にプラスして、科学である人物の行動や真理を解き明かしていく中で、マリコがその人物に寄り添ってあげるような表情というのを発見できた感覚がありました。

――今シーズンの「原点回帰」というテーマにちなんで、沢口さんご自身がお芝居される際などに心掛けている「基本」になることはありますか?

今回のシリーズでは「言葉」を大切にしたいなと思っています。「言霊」という言葉もあるくらいに言葉の力は大きくて、言葉一つで誤解を受けたり傷つけたりしてしまうこともありますが、せりふを通して相手役の皆さんに言葉を大切に届けていきたいなと思っています。

――土門刑事とマリコの関係は、これまで「付かず離れず」、互いに信頼し合ってずっとやってこられた感じですが、今回のシリーズで二人の関係に何か変化などはありそうでしょうか?

二人の関係性には特に変化はなく、やはりお互いを信頼し、尊重し合っている存在ですね。

――内藤さんは土門刑事として出演される前にも別の役柄で出演されており、ほぼすべてのシーズンでご一緒されていると思いますが、内藤さんとのシーンの様子や、内藤さんご自身への印象について教えてください。

内藤さんは視野が広くて、そして臨機応変な対応ができる方です。本番直前までお話をされていても切り替えが上手なのでうらやましい限りです(笑)。

内藤剛志演じる土門刑事は、マリコ(沢口靖子)と信頼し合う関係 (C)テレビ朝日
内藤剛志演じる土門刑事は、マリコ(沢口靖子)と信頼し合う関係 (C)テレビ朝日

加藤諒の“質問”が作品の「分かりやすさ」につながる?

――これまでのシリーズではさまざまな方がゲストやシーズンレギュラーとしてご出演されてきましたが、沢口さんの中で特に印象的だったキャラクターや、今シーズンの「原点回帰」というテーマにちなんで、再登場を期待されるキャラクターがいましたら教えてください。

マリコが犯人と廃工場に閉じ込められて、酷暑の中3日間一緒に過ごした犯人がいまして。小日向文世さんが演じられた犯人なんですが、その回は印象に残っています。その人は全くの悪人ではなくて、仕方なく罪を犯してしまったという善良な人物でしたので、もう刑期は終わっていると思うのでまた再登場していただけたらいいなと思います(笑)。

――今シーズンは加藤諒さんが新レギュラーとして出演されるとのことですが、加藤さんの印象や現場での様子などを教えてください。

とてもとっつきやすくて柔軟性のある方です。ラボでの撮影は(キャストが)緊張しているシーンでもあるんですが、加藤さんがいらっしゃることでほんわかした空気になって、より笑いが多い現場になりました(笑)。

加藤さんと最初にお話ししたのは衣装合わせの時だったんですけど、やっぱり「緊張してます」と仰っていました。慣れない場所に来たなっていう感じはあったんですけれど、割とすぐに皆さんと打ち解けて、とてもいいトーンでメンバーの中に溶け込んでいらっしゃいます。

今作よりレギュラーキャストとして登場する会計係・加瀬淳平(加藤諒) (C)テレビ朝日
今作よりレギュラーキャストとして登場する会計係・加瀬淳平(加藤諒) (C)テレビ朝日

――今後加藤さんに期待されていることや、「科捜研」チームの中でどんな役回りになっていってほしいという思いはありますか?

今回の加藤さんの役柄は「会計係」という立場なので、(科捜研の)専門的なことに関して本当に一般常識の中で質問してこられるんです。それを私たちが分かりやすく話してあげることで、結果的に視聴者の皆さんにも理解してもらえるように、科学を分かりやすく伝えていけたらと思っています。

加藤さんが質問される時のトーンがすごく心地いいんです。変に浮きすぎてもいないし、とてもいい感じでこられて。実は回想シーンで犯人役としてもちらっと出てこられるんですよ。そういうちょっとコミカルな、視聴者の皆さんに楽しんでいただけるような活躍も期待しています。

――今回の撮影で楽しみにされていることはありますか?

撮影所の前においしい和菓子屋さんがありまして、6月は特に「水無月」という和菓子がよく出ていますが、私は6月生まれなのもあってとても好きで、週2回ぐらい食べてます(笑)。

7月3日(水)放送の初回2時間スペシャルでは、鈴木福も交番巡査・新開颯太役で登場 (C)テレビ朝日
7月3日(水)放送の初回2時間スペシャルでは、鈴木福も交番巡査・新開颯太役で登場 (C)テレビ朝日

「ドラマを見て実際に科捜研に入られたという方もいらっしゃいました」

――「科捜研の女」は京都を舞台とした作品で、これまでも京都のさまざまな場所でロケをされてきたと思いますが、京都の“街ロケ”ならではのエピソードや、印象的だった撮影スポットの思い出があれば教えてください。

ありがたいことに、京都の街や大学や病院はとても撮影に協力的で、皆さん快く貸してくださるんです。印象に残る場所は、マリコの自宅という設定の建物の近くが八坂通りなんですが、そこから見る八坂の塔が日中でも、夜間は夜間でライトアップしてきれいですし、今シーズンの第1話でも自転車で疾走していますので楽しみにしていてください。

――本作は「科捜研」という機関を知らしめるとともに、イメージを大きく変えた作品と言えると思いますが、実際にそうしたお仕事をされている方や学生さんなどから「マリコさんのおかげで科捜研を目指しました!」といった反響の声を頂いたことはありますか?

ファンレターで「ドラマを見て科学捜査に興味を持ったので科捜研を目指しています」というお手紙を頂いたことがありますし、実際に入られたという方もいらっしゃいました。

あと、マリコはFBI出身なのですが、ご自分でお手紙を出してFBIのセミナーに参加されて、今年の4月からオーストラリアの大学で犯罪心理学を学びますという方にもお会いしました。ドラマを通して皆さんに夢や希望を与えることができて、本当に俳優冥利に尽きるなと思っています。

――ドラマの25周年にちなんで、沢口さんの25歳頃についてもお伺いしたいのですが、25歳、もしくは20代を振り返るとどのような日々でしたか?

目の前のお仕事をこなすだけで精いっぱいで、周りが見えていないで本当に無我夢中の毎日でした。ちょうど大河ドラマ「秀吉」(1996年、NHK総合ほか)の頃だったと思うんですが、秀吉を演じられていた竹中直人さんが、台本にはないすごく膨らませたお芝居を現場でされていたので、すごく刺激を受けました。破天荒な秀吉を演じていらしてとても刺激的でした。

――最後に、今シーズンの注目ポイントを含めて視聴者へメッセージをお願いします。

皆さまのおかげで「科捜研の女」は25周年という節目を迎えることができました。本当にありがとうございます。今シーズンは加藤諒さんが新レギュラーとして加わりまして、“分かりやすい最新の科学捜査”と“心温まる人間ドラマ”を皆さまにお届けしていきますので、どうぞ楽しみにしていてください。

榊マリコという役柄を通して、多くの人の人生にも影響を与えてきた沢口靖子 撮影=永田正雄
榊マリコという役柄を通して、多くの人の人生にも影響を与えてきた沢口靖子 撮影=永田正雄
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