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将来のためになるのは、保険?投資?お金のプロ《FP》が解説

  • 2024.7.2
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頭を抱える女性
出典:stock.adobe.com

「投資はしていないけれど、保険は入っている」という方は多いのではないでしょうか。一方で、「保険料の負担で精いっぱいで、資産運用に回すお金がない」と悩む方もいらっしゃいます。 今回は、保険と資産運用のバランスについて考えてみたいと思います。

保険は万が一の時にお金に困らないためのもの

今回考えたい“保険”は、テレビCMなどでよく目にする「民間の保険」になります。実は皆さんは、健康保険や雇用保険といった「公的の保険」にも入っているのですが、それは別の機会で説明します。

そもそも保険の役割とは何でしょう。それは「万が一」に備えることです。多くの方が加入している生命保険は、家計を支えている方が亡くなってしまっても、遺された家族が生活できるお金が確保できるようにするためのものです。

保険の仕組みはこうです。まず大勢の人が保険に加入して、保険料を出し合います。加入している人の中で、誰かに万が一のことがあったら、その人にまとまった保険金が支払われます。無事に何もなかった人には、保険金の支払いはありません。

一人では準備できないような大きなお金が必要な状況になった時、お互いに助け合おうという考え方から生まれた仕組みです。

将来の備えは、貯蓄や投資で考えた方が無駄がない

それでは「将来の備え」、すなわちリタイアして収入がなくなるときに備える場合を考えてみましょう。人生100年時代といわれる通り、老後を迎えるということは、誰にでも起こる可能性が高いことです。

起こる可能性が高いことに保険の仕組みを使ってしまうと、支払う保険金が大きく膨らむため、集める保険料もかなり高くなってしまいます。ゆえに、将来の備えとしては、保険の仕組みを使うより、貯蓄や投資で自分のお金を確保していく方が無駄がないということになります。

保険と貯蓄を合わせた商品はお得?

ここまでの話で、「貯蓄や投資ができるような保険はどうなんだろう」と考えた方もいらっしゃるかもしれません。

本来の保険の役割に加えて、資産運用に近い機能が合わさった保険商品があります。満期や解約の時にお金を受け取ることができるものです。

保険で万が一の備えができる上に、お金も受け取れるとなると、大きなメリットがあるように見えます。しかし、もし急にまとまったお金が必要となり、短期間で解約すると、払い込んだ保険よりも受け取る額が少なくなることがあります。さらに解約した時点で、万が一の時の保障もなくなってしまいます。

一つの保険商品で「保険」も「貯蓄」もできると一見便利ですが、目的や状況に合わせた使い分けが難しい面があることは知っておいてください。

保険は必要な分だけ入り、資産運用とは分けて考える

実は保険は、その方のライフステージや環境によって必要な保障額が変わります。

結婚や子どもの誕生で生活を支えたい家族が増えたときは、これまでよりも万が一の場合の保障を増やす必要がないか、確認してみるといいでしょう。一方で、保障を減らす見直しができるタイミングもあります。例えば、住宅購入で住宅ローンを借り、団体信用生命保険に加入するときです。

住宅ローンを借りる際は団体信用生命保険(団信)への加入を求められることがあります。団信は住宅ローンを支払っている方が亡くなったり、高度障害状態になった時に、ローンを肩代わりしてくれる保険です。

団信に入れば、万が一の際には住宅ローンの残額を返済する必要がなくなり住む場所は確保されるため、生命保険で備える分は減らしても問題ないということになります。節約できた保険料を貯蓄や投資に回すことができれば、より効率的な資産形成ができます。

また資産運用についても、その方のライフステージによって適した運用は変わります。資産全体としてどのくらいの値動きをしているか、どのくらいの収益があるかなどが見える状況になっていることが大切です。

保険は必要な分だけ入り、資産運用とは分けて考えることが、お金を無駄なく活用するポイントです。

まとめ

万が一の備えに対し、保険は優れた仕組みです。しかし、すべてをそれで賄おうとすると、もったいないお金の使い方になってしまうかもしれません。

将来の自分のためにも、保険と資産運用をそれぞれ上手に使っていきましょう。

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