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「一夜にして惚れた」「スゴすぎて絶句」唐田えりかの“鬼気迫るプロレス演技”に止まらぬ賞賛『極悪女王』

  • 2024.9.28

9月19日よりNetflixで配信された『極悪女王』に絶賛の声が集まっている。ヒール役の女子プロレスラーとして名を広めたダンプ松本をゆりやんレトリィバァが、同じく女子プロレス界隈を盛り上げてきたクラッシュギャルズの長与千種を唐田えりかが、ライオネス飛鳥を剛力彩芽が演じた。とくに唐田えりかの、まさに体当たりの鬼気迫る演技に「何かに吹っ切れた感じ」「一夜にして惚れた」「スゴすぎて絶句」「イメージ変わった」と賞賛が止まらない。

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Netflixシリーズ『極悪女王』独占配信中

長与千種、ライオネス飛鳥の戦い

ダンプ松本、ライオネス飛鳥、ジャガー横田。世代を問わず名が知れている有名女子プロレスラーは、カタカナ+漢字のイメージが強い。剛力彩芽演じるライオネス飛鳥が改名した際、お披露目マッチとして対戦相手に選んだのが、唐田えりか演じる長与千種だった。

この『極悪女王』で描写される長与千種は、幼いころに両親が借金のために夜逃げをし、親戚のあいだをたらい回しにされる幼少期を送っていた。その反骨心からか、全日本女子プロレスのオーディションを受けることに。

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Netflixシリーズ『極悪女王』独占配信中

当初は「身体を大きくするために飯を食え」と繰り返し言われるほど線が細く、試合でも華がない長与だったが、先輩たちの“かわいがり”を受けた試合で吹っ切れたように開眼する。闘争へのスイッチが入った、はたまた勝利を求める本能が刺激されたのか……獣にも似た目で先輩プロレスラーに立ち向かっていく唐田の演技は、何かを吹っ切ったようにも映る。

そして、ライオネス飛鳥との試合が描かれたのは、2話の終盤。汗、血、涙……夢中で取っ組み合う二人には、互いに互いの姿しか見えていない。どんどんボルテージが上がっていき、視聴者は観客と視覚・聴覚を共有する感覚を味わう。目の前で繰り広げられているのは、ライオネス飛鳥と長与千種の勝敗を決める試合のはずだ。それなのに、まるで二人はともにタッグを組み、最高の試合を作り上げようと協力しているようにも見えてくる

長与千種を演じるにあたり、唐田えりかはオーディションで選抜され、体重を10kg増やし、トレーナーをつけて体づくりに励んだという。彼女がかけた時間と労力、そして覚悟は、そのままプロレスラー・長与千種の勇姿として画面に反映されている。

覚醒したダンプ松本、長与千種の試合の行方は?

「スターになる選手は自分から光りだす」。本編において、スターダムへとのし上がっていく選手を表現した言葉だ。長与千種やライオネス飛鳥は実力・人気ともにうなぎ上りの様相を呈しているが、たとえそれが負け試合であっても変わらない。負ける姿さえ美しく、自ら発する光を吸収しながら、さらに人の耳目を惹きつけ輝きを増していく

『極悪女王』3話以降、ダンプ松本として開眼した松本香を演じる、ゆりやんレトリィバァの豹変っぷりも見逃せない。そして、かつては親友同士として切磋琢磨し、力を高め、ときには涙を飲む経験も共有し合った長与千種が、クラッシュギャルズとして人気者になっていく過程と葛藤も描き込まれている。

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Netflixシリーズ『極悪女王』独占配信中

厳密に言えば、当時を知るプロレスファンたちにとっては、細やかな描写や脚本に物を言いたくなる箇所もあるだろう。しかし、実在の彼女たちが何を思い、どんなことを考え、一つひとつの試合に臨んでいたのか。ゆりやんレトリィバァや唐田えりかを筆頭に、真摯に向き合った役者陣の答えが全5話に結集されているように思う。

父親、そして家族との決別を力にヒール役に心血を注いだダンプ松本。全日本女子プロレスを背負って立ち、プロレスだけではなく歌やドラマ撮影まで含めて、自分の仕事だと受け入れていた長与千種。本編4話〜5話にかけて、彼女たちの対立が濃く、深くなっていく。果たして、二人の試合はどんな結末を迎えるのか。一時代を象徴する戦いの幕開けと終焉を見届けてほしい。



Netflixシリーズ『極悪女王』
[出演]ゆりやんレトリィバァ、唐田えりか、剛力彩芽
[企画・脚本・プロデュース]鈴木おさむ
[監督]白石和彌
[配信]Netflixにて独占配信中
(C)Kimu/Netflix

ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X(旧Twitter):@yuu_uu_