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『呪術廻戦』なぜ話題作に? ヒットの鍵を握る“3つの重大要素” 【来週完結】

  • 2024.9.27
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(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載中の大人気漫画『呪術廻戦』。8月19日に公式から“完結まであと5話”と発表があり、さらに盛り上がりを見せている。今となっては『週刊少年ジャンプ』を代表する作品となったわけだが、なぜ『呪術廻戦』はこれほどの話題作となったのだろうか。その理由は「セリフ」「オマージュ」「音楽」という3つの要素に隠されているように思う。

芥見下々氏が生み出す名セリフ

主人公である虎杖悠仁(いたどりゆうじ)の先生・五条悟(ごじょうさとる)は「大丈夫 僕 最強だから」という代表的なセリフがある。このセリフからにじみ出るのは、自分を最強だと言い切る確固たる自信だ。

実際に五条は途方もない強さを誇っており、彼がいればなんとかなると思わせる安心感がある。最強キャラである五条の頼りになるカッコよさを簡潔に表しているのだ。

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(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

特級呪霊・真人(まひと)との戦いで呪術師・七海建人(ななみけんと)が言い放った「ここからは、時間外労働です」というセリフもキャラクターの性格を的確に表現。

七海はサラリーマンから呪術師になった経歴があり、労働や残業が嫌いでクソだと発言している。そんな彼だからこそ、“時間外労働”という言葉が皮肉なことによく似合う。嫌々ながらも本気を出す七海に痺れるのだ。

本作の作者・芥見下々氏は連載初期から名セリフを生み出し続けてきた。セリフはキャラクターの魅力をさらに膨らませる重要な役割をはたす。『呪術廻戦』の面白さを語るときに個性豊かなキャラクターがよく挙げられるが、そのキャラクターのよさを最大限に引き出せているのは魅力的なセリフのおかげだろう。

オマージュが『週刊少年ジャンプ』読者の心をくすぐる

『呪術廻戦』はオマージュのような描写が多いことでも有名だ。『BLEACH』『HUNTER×HUNTER』『るろうに剣心』『NARUTO』など、コマの構図やキャラクターが似ているのだ。

過去に芥見氏は『BLEACH』や『HUNTER×HUNTER』といった作品から影響を受けていると語っている。これらは同じく『週刊少年ジャンプ』の連載作品であるため、『呪術廻戦』は『週刊少年ジャンプ』の血筋を色濃く受け継いだ作品とも言える。だからこそ、読者の心に刺さったのではないだろうか。

アニメとOPテーマによる幅広い層の獲得

本作は2020年10月からTVアニメ化されており、2021年12月にはスピンオフ的な立ち位置である『劇場版 呪術廻戦 0』も公開された。そこで大きな話題を呼んだのがOPテーマだ。

第1期のOPテーマを務めたのは、第1クールはEveの「廻廻奇譚」、第2クールはWho-ya Extendedの「VIVID VICE」だ。『劇場版 呪術廻戦 0』の主題歌はKing Gnuの「一途」。第2期である「懐玉・玉折」はキタニタツヤの「青のすみか」、「渋谷事変」はKing Gnuの「SPECIALZ」がOPテーマとなった。

9月10日現在、「廻廻奇譚」のミュージックビデオはYouTubeの再生回数が3.8億回を突破しており、「一途」も1.1億回を超えるほど再生されている。作品の面白さと世界観を忠実に落とし込んだ楽曲があわさることで『呪術廻戦』はさらに人気を急上昇させたのだ。

「セリフ」「オマージュ」「音楽」という3つの要素の効果もあり、『呪術廻戦』はライト層からコアなファンまで多くの人が夢中になる話題作となった。原作が完結を迎えるのは9月30日発売の『週刊少年ジャンプ』44号。どのような最終回が待っているのか、楽しみに待ちたい。

呪術廻戦
ABEMAにて~9月29日23時59分までアニメ第2期 懐玉・玉折を一挙無料放送中
[番組URL]https://abema.tv/video/title/536-1
【(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会】


ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムや映画の作品評、マンガのレビューを手がける。
X:@kaku_magari