最初に何をするべきか？　５０代からはじめる『終活』のコツをミニマリストに聞きました

2024.8.11

「老い」というにはまだ早い50代。それでも周りからは「終活」の言葉が聞こえはじめ、自分もやるべきなのか…と気になるところですよね。

50代からのはじめる終活では、ファーストステップとしてどんなことをしたら良いのでしょうか。ミニマリストの本多めぐさんに、具体的な項目や心がまえを伺いました。

終活を意識したきっかけとは？

私たち夫婦は40歳を過ぎて子どもができず、このまま2人で老後を過ごすことが予測できました。結婚当初は大きな食器棚や家電を買う時もありましたが、そんな風に物を増やして暮らしを「大きく」する時期は終わり、「小さく」する時期に入ったと感じました。

年齢と共に大きな家具を動かすのは物理的に大変になってきます。物の処分にはお金がかかり、捨てるプロセスも複雑化している昨今。万が一自分に何かあった時、残された人が困らないように終活を進めておこうと思いました。

50代から終活をはじめるメリット

終活とは「人生の終わりについて考え、備える活動」です。残された親族への負担を減らし、そして自分自身が納得のいく最後を迎えるために準備しておく。生きている時間を充実させるためにも必要だと考えています。

ある日突然入院したり、体調が悪化したりする可能性は往々にしてあります。そのような事態になった時、家族が普段の生活を変わらず送れるよう、家賃の振込先や、銀行やクレジットカードの情報などは明記しておくことが大切です。食事や掃除はどうにかなるかもしれませんが、お金に関わることはキッチリ伝えないと困ってしまいますよね。

また、日本は自然災害が多い国。年齢問わず、周りに迷惑をかけないために重要な情報はまとめておくべきだと思います。

特に50代は子育てが一段落したという人も多く、自由に使える時間ができ、自分の生き方を見直すにはちょうど良いタイミング。人生後半のプランをしっかりさせておくために、50代の終活スタートは良いと思います。

50代からの終活でやっておくべきこと

銀行口座の情報やパスワード、土地や家屋など資産をまとめておきましょう。残された家族が、故人の資産を全部調べるのは大変です。どの銀行にいくら預けているのか、またお金以外の土地や物件など資産があるのかも整理し、記録しておいてください。

50代はまだ定年退職まで時間があります。老後に備えていくら貯蓄があると良いかを考えて、現実的なプランを立てるのに良い時期です。やっておきたいことリストを作り、プランニングするのも良いでしょう。

また、大きな病気をした時の医療方針、延命治療、介護の方向性についても話し合っておきましょう。お墓をどうしてほしいか、お葬式のスタイルなども、希望を伝えておけば家族が悩まずに済みます。

そして終活の内容は、環境や体調など刻々と変わっていく状況に合わせて定期的に見直してみましょう。私は「エンディングノート」というものに書いていますが、終活の項目を一冊のノートにまとめておくと見直しがスムーズですよ。

終活は家族や身内への「親切」や「愛情」の形

自然災害や未曾有の感染症を経て、人生の終わりについて意識した方も多いのではないでしょうか。

私も、感染症が拡大していた際に、人生の終わりが他人事ではなくなった感覚になりました。その時に思ったことは「残された家族に迷惑をかけたくない」「明日人生が終わっても悔いの残らないようにしたい」でした。

“人生の終わりまでにやりたいこと100のリスト”を作るなど、やり残しがないようにアイデアをメモし、計画性を持って実行していくと、充実した日々を過ごすことができます。「ワクワクする未来のため」に悔いが残らないように準備しようと考えると、前向きになれると思います。

周りの人に迷惑をかけたくないという思いは多くの人が持っているのではないでしょうか。私もそうですが、残された人が困らないように、なるべく自分のことは自分で済ませたい。それは、人助けであり、家族や身内への「親切」や「愛情」の形だと思うのです。

終活は、自分のために、そして家族や身内のためにできる前向きな準備。思考の整理ができて、50代以降の人生の指針を決める手助けにもなるかと思います。

監修者：本多めぐ（@megukatuma）

北海道在住の50代ミニマリスト主婦。節約、捨て活、合理的でお金のかからない暮らしについてブログやXで発信中。占い師としても活動している。