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大人が意外と知らない算数 「9の倍数はどれ?」《2023、2024、2025》

  • 2024.8.4
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算数や数学の問題の中には、単に四則演算の正確さが問われる問題もあれば、定理や性質を知っているかどうかがカギになる問題もあります。

定理や性質を知っていると問題を解くスピードが段違いになるので、もし「これは便利」という定理や性質に出会ったらしっかり吸収することをおすすめします。

今回の問題を素早く解くための数の性質、あなたは知っているでしょうか?

問題

次の数のうち、9の倍数を答えてください。
2023、2024、2025

制限時間は10秒です。

解答

正解は、「2025」です。

三つの数を真面目に9で割ってみて割り切れるかどうか確かめる、そんな方法も間違いではありません。

ただ、どうしても時間がかかってしまいます。

しかし、ある数の性質を使えば、どの数が9の倍数になるのかはすぐにわかります。

では、その数の性質とは何か、次の「ポイント」で確認してみましょう。

ポイント

この問題のポイントは、9の倍数になる数の性質です。

結論からいいますと、9の倍数になる数は「各桁の数を足した合計が9の倍数である」という性質をもっています。

例えば、18は9の倍数です。
十の位の1と一の位の8を足すと、1+8=9になり、9の倍数になります。

この性質を使えば、三つの数のうちどの数が9の倍数なのかがすぐ分かります。

まず、三つの数について、すべての桁の数を足し合わせます。

2023→2+0+2+3=7
2024→2+0+2+4=8
2025→2+0+2+5=9

この中で各桁の数を足した合計が9の倍数になるのは、2025しかありませんね。

どうしてこの解法が成り立つの?

9の倍数を見つける問題では、各桁の数を合計した数が9の倍数か確認すれば早く答えが出ます。

しかし、どうしてこの性質が成り立つのでしょうか。

ここで、千の位がa、百の位がb、十の位がc、一の位がdという四桁の数について考えてみましょう。

この四桁の数は、

a×1000+b×100+c×10+d×1 と表せます。

この数を、9の倍数である部分をつくるように、変形します。

a×1000+b×100+c×10+d×1
=a×(999+1)+b×(99+1)+c×(9+1)+d×1
=a×999+a+b×99+b+c×9+c+d
=a×999+b×99+c×9+a+b+c+d
=9×(a×111+b×11+c×1)+(a+b+c+d)

9×(a×111+b×11+c×1)の部分はa×111+b×11+c×1が整数なので9の倍数です。

よって残り、(a+b+c+d)の部分が9の倍数になれば、全体が9の倍数になりますね。

この(a+b+c+d)は四桁の数の各桁の数を合計したものですから、今回ご紹介した性質が成り立つことが分かります。

まとめ

今回の問題はいかがでしたか?

9の倍数の性質は、参考書などでよく紹介されています。

ただ、丸暗記していると忘れやすくなるので、「どうしてその性質が成り立つのか」という理由込みで理解しておくことをおすすめします。

性質の背景が分かることで、記憶に定着しやすくなるからです。

なお、9の倍数だけでなく、3の倍数の性質もありますよ。

興味がある人は、他の問題にも挑戦して確かめてみてくださいね。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。

監修:株式会社かえでプロダクション(公式HP

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「編集技術で過去と未来をつなぐ」小学生・中学生・高校生の学習用教材を執筆・編集・校正する編集専門のプロダクション。英語・算数/数学・国語・理科・社会の主要5科目のテキストやドリル、テストや模試、デジタル系の教材など幅広く制作。教材からできる教育を目指し、教育業界を支える会社。会社独自の福利厚生が充実しており、社員が働きやすい環境を整え、新しい働き方で第三者機関から認定を受けている。


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