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「TSUBAKI」「uno」年商1000億円規模のブランドを持つ企業の広報を少人数でどう動かすか

  • 2024.7.2
出典:シティリビングWeb

シティリビング東京版創刊40周年企画 「40歳の私へ」

―40歳といえば、キャリア的にも人生的にも、あらゆる節目になる年代。どんな40歳になっていたい? 40歳の今どんなことを考えている? どんな40歳だった? 「40歳」をキーワードにあらゆる人々の「40歳」をひも解きます。多様性の現代で昔以上に正解はないからこそ、自分自身が納得できる「今」を見つけるきっかけに。

チャレンジ精神をかき立てられて飛び込んだスタートアップの広報

年商1000億円規模のブランドを持つ企業の広報を少人数でどう動かすか

出典:シティリビングWeb

ヘアケアブランド「TSUBAKI」などを取り扱うファイントゥデイ。創業時から企業広報の立ち上げに従事している谷口夏美さん

ファイントゥデイ サステナビリティ本部 企業広報グループマネージャー 谷口夏美さん

ファイントゥデイホールディングスは、ヘアケアブランド「TSUBAKI」、スキンケアブランド「SENKA」、ボディケアブランド「SEA BREEZE」など、パーソナルケア製品を取り扱うメーカー。技術開発から生産、販売までを一貫して自社で手掛け、国内9拠点、中国・アジア太平洋地域11拠点で事業を展開しています。

ファイントゥデイは、長年多くの生活者から愛されている「TSUBAKI」や「uno」などを資生堂から引き継ぎ、2021年の創業時点で既に1000億円規模の売上がありました。一方で会社組織、特に管理部門はほぼゼロからの立ち上げでした。2022年の入社時、企業広報メンバーは私を含め2人。入社して1週間もしないうちに、チーム拡充のために採用面接を行うことになりました。面接時、面接官からは「当社のことで何か質問はありますか?」と尋ねるケースが多いと思います。私も同様に尋ねましたが、「もし、答えられない質問がきたらどうしよう」と内心思っていました。

前職は、インターネット専業の生命保険会社に創業5年目という比較的若いときに入社しました。しかし、ファイントゥデイには、さらに若い創業2年目のときに入社しました。会社が立ち上がったばかりというタイミングで、組織のルールや仕組みといった「型」がまだない状態。ゼロからイチを生み出す苦労がありました。

自分のやり方に固執していては、広がりを持たせることはできない

ただ、ファイントゥデイには多様な人材が集まっています。それは意見をまとめる大変さもある一方、前例にとらわれず、最適な解決法を自分たちで生み出せるという非常に大きな強みにもなります。

経験があるとはいえ、私が広報業務すべてに精通しているわけではないし、私が実践してきたメディアアプローチやSNSの運営手法なども、今の時流やこの会社に合っているとは限りません。そんなときに自分のやり方に固執していては、広がりを持たせることもできません。現在、広報チームは今私を含めて4人ですが、全員が異業種出身。年代や広報IRの経験領域もバラバラです。そしてそれぞれに得意分野があります。これらをただ集約する足し算ではなく、メンバーの知識、経験、想いをかけ算してチームを大きくしていきたいと考えています。

出典:シティリビングWeb

ファイントゥデイ初のオリジナルブランド「+tmr(プラストゥモロー)」

40歳、ひと呼吸置いてから動く余裕ができた

思っていたことと違っても、一旦は受け止める

現在41歳ですが、20代、30代の自分と比べ、なにか変わったかというと、あまりないかもしれません。私は自分の将来の姿を遠い先まで明確にイメージするタイプではないため、大きなギャップなどは感じていませんが、やはり出産という経験は私の考え方に大きな変化をもたらしたと思います。

その一つは、あまり物事に動じなくなった点です。子育てをされている方は一様に実感されると思いますが、子どもはまず自分の思い通りには行動しません。新生児の時は夜全く寝てくれず、2歳頃の激しいイヤイヤ期、そして小学4年生で既に始まったらしい反抗期…。なぜこんなことを言うのか?するのか?と途方にくれることは多々ありますが、子どもも一人の人間で、自分の分身ではない。このことを思い出すと、予測のできない変化球の言動にも落ち着いて応対できます。

仕事でも、会社の方針から日々の業務まで、方向性が自分の予想と大きく変わった場合でも一旦は「そうなのね」と受け止めます。その上で、なぜ変わったのか相手の事情を理解する。そして自分はどう立ち回るべきかを考える。20代の頃よりは、ひと呼吸置いてから動く余裕ができたように思います。

出典:シティリビングWeb

親子で神宮球場での野球観戦。親の野球好きが子どもにも影響し月1ペースで一緒に球場に足を運び観戦

「全てにおいて100%を目指さなくていい。

仕事・家・子育てのトータルで100%になればよい」

子育てしながら仕事をしていて実感したのは、子どもを持つ前と同様の生活はまず無理(特に時間の使い方)ということです。自分だけ、1日が30時間であればいいのにとよく思っていました。あまりにも手が回らないので、ロボット掃除機、自動調理家電、家事・掃除代行サービスなどはひと通り試しました。また、朝のうちに夕飯作りも含めて家事を終えてしまおうと考え、夜は子どもと一緒に8時過ぎに寝る代わりに、朝は4時に起きてテレビの早朝時代劇を見ながら料理をしていたこともありました。でも、やっぱり一人で無理をしているので続かないんです。

そんなとき、前職で産休に入る前、先輩からもらったアドバイスを思い出しました。「全てにおいて100%を目指さなくていい。仕事・家・子育てのトータルで100%になればよい」という言葉です。

我が家では家事は全員野球。子どもには幼稚園の頃から朝のお皿洗いを任せています。多少汚れ落ちが甘くても、そこは目をつぶり全力で感謝を伝えます。褒められると子どもも「家のことができた」と喜ぶし、いまや皿洗い歴6年の大ベテランになり助かっています。夫も、あまりにも家事をやらない私を見かねたのか、何もいわず掃除を引き受けています。ふたりには本当に感謝しています。

出典:シティリビングWeb

谷口さんと娘さん。幼児期の頃から料理が好きで得意料理はカルボナーラ

自社の広報活動を通じて、社会にも貢献したい

まずはファイントゥデイが信頼・共感される企業として広く世の中の方々に認知され、「日用品大手のファイントゥデイ」と親しまれていくよう、企業広報の面から全力で携わっていきたいです。「TSUBAKI」や「uno」、そして今年デビューした待望のオリジナルブランド「+tmr(プラストゥモロー)」など、当社には生活者に寄り添う大切なブランドが多数あります。これらの製品ブランドと比較して、ファイントゥデイという企業は残念ながら広く知られているとは言い難い状況です。

人々にとって最も身近なのは毎日手に取る製品ブランドではありますが、その製品を作っているのはどんな企業なのか。環境への配慮などサステナビリティにも積極的なのか。今は若い世代の方々含め、こうした点にも関心の高い生活者が増えていると感じており、海外ではさらにその傾向が顕著です。私たちの多様な企業活動をグローバル規模で正しく伝え、あらゆるステークホルダーの方々との双方向の交流を通じて、支持を得ながら会社も発展していけるよう、日々の広報活動を通じて貢献していきたいです。

プライベートでは、老後も続けられる趣味探しに挑戦したいです。ゴルフを2年前に始めたものの、途中でやめてしまいました。サードプレイスという言葉も浸透しつつありますが、家・仕事以外にも自分の居場所を作ることで新たな刺激や発見を得られるでしょうし、子育てや仕事をリタイアした後も充実した毎日を送れるような環境を今から整えていきたいです。

出典:シティリビングWeb

製品を通じて「心も身体も美しく豊かにする」という願いが込められたファイントゥデイのブランド

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