「因数分解」という言葉だけで難しそうに感じるかもしれません。
大人になってからは、因数分解をする機会は少ないかもしれませんが、だからこそ今が苦手意識を克服する良いチャンスかもしれません。
クイズ感覚で、気軽に因数分解の問題に挑戦してみましょう。
問題
次の式を因数分解してください。
x^2+7x+10
解答
正解は、「(x+2)(x+5)」です。
そもそも因数分解という言葉は何を指すのか、覚えていたでしょうか?
次の「ポイント」で因数分解の意味や解き方を確認してみましょう。
ポイント
この問題のポイントは、「因数分解の手法」です。
まず、因数分解とは何かを確認しましょう。
「因数分解する」とは、簡単に言えば式を積(掛け算)の形で表現することです。
今回の問題でいえば、x^2+7x+10を▲×■のような掛け算の形にすればよいのです。
とはいえ、やみくもに取り掛かっても因数分解は完成しません。
因数分解のコツはいくつかありますが、今回は次の式を使います。
(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab
これは式を展開するときに使われる乗法公式のうちの一つです。
この公式を逆から見て、x^2+(a+b)x+abが成り立っていれば、(x+a)(x+b)という掛け算の形にできると考えます。
今回の問題は、x^2+7x+10なので、(x+a)(x+b)の形に持って行くためには次の条件を満たすようにaとbを考えればOKです。
- a+b=+7
- ab=+10
掛け算の方がパターン数は絞りやすいので、まずは2の条件から考えるのがポイントです。
では、早速どんな数の組み合わせにしたら掛け算が+10になるのか考えていきましょう。
掛け算の結果が+になるということは、aとbが正の数×正の数か、負の数×負の数のどちらかのパターンということです。
また、10になる掛け算は、(aとbの順番を無視した場合)2×5もしくは1×10のどちらかです。
よって、aとbの組み合わせとしては次の四パターンが考えられます。
- +2と+5
- −2と−5
- +1と+10
- −1と−10
この中で足して+7になるものを考える(a+b=+7)と、+2と+5の組み合わせしかありません。
よって、(x+a)(x+b)のaとbに+2と+5を当てはめて因数分解の答えが出ました。
(x+2)(x+5)
まとめ
今回の問題はいかがでしたか。
因数分解という言葉は難しく感じますが、「式を掛け算に直すこと」だと簡単な言葉で考えると分かりやすくなりますよ。
因数分解する際は(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+abの乗法公式がとても活躍しますので、ぜひ覚えてください。
数学の内容を思い出してきた、そんな人はぜひ他の問題にも挑戦してみてくださいね。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
因数分解の問題にもう一問挑戦!