分数といえば、見慣れているのは分子と分母に数字が一つずつ書かれている形ではないでしょうか。
しかし、ときには少しヘンテコな形の分数が登場することもあります。
今回は「分母の中にさらに分数が書かれている分数」について考えてみましょう。
問題
次の分数を簡単にしてください。
2/(11/3)
手掛かりは、「分数の意味」を考えることです。
解答
正解は、「6/11」です。
うまく簡単な形に直せましたか?
どうしてこうなるか分からない…という人は、次の「ポイント」を確認してみましょう。
ポイント
この問題のポイントは、分数を割り算として考えることです。
実は、分数というのは割り算の別の表現形式とみなすことができます。
例えば、4÷2という割り算は4/2という分数で表現できます。4/2の分母と分子を2で割って約分すると2/1、すなわち2になりますね。これは4÷2の計算結果が2であることと一致します。
4÷2=4/2=2/1=2
このように、割り算は割られる数/割る数の分数として表現できるのです。
割られる数÷割る数=割られる数/割る数
ここで問題を確認してみましょう。
2/(11/3)
11/3を分母とみなして、この分数を割り算の形に直してみると次のようになります。
2/(11/3)=2÷11/3
整数÷分数の計算問題に変化しました。
ここで、分数の割り算では「割る数の分子と分母を逆にして掛ける(逆数を掛ける)」というルールを思い出してください。
2を分母1の分数2/1とみなすと、次のように計算ができます。
2÷11/3
=2/1×3/11←11/3の逆数を掛ける
=(2×3)/(1×11)
=6/11
答えにたどり着きました。
まとめ
今回の問題では、分数の中にさらに分数が含まれている変わった分数が登場しました。
一見ややこしそうに見えますが、分数が割り算の別表現だと分かれば、答えを出すのは難しくありません。
分数と割り算の形を柔軟に切り替えることで、計算が楽になる例はいくつもあります。
ぜひ他の問題にも挑戦してみてくださいね。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。