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先生たちの“ホンネ”聞いてみた!①思わず「帰れるわけねえだろ!」休めない、終わらない…教育現場の実状

  • 2024.7.1

過酷な労働環境で、なり手が不足している学校の先生。教育現場の実情を赤裸々に語ってくれました。

教壇に立つ先生たちには、どんな悩みがあるのでしょうか?

道内の小学校で働く20代から50代の先生3人に本音を語ってもらいました。

【先生たちの本音トーク】(2)はこちら

まずは何より…人手が足りない!

Sitakke

50代(教員歴36年)
「人手はかなり足りなくて、四苦八苦している感じなんじゃないかなと、私は受け止めています」

40代(教員歴20年)
「体調悪いときに代わりに入れる先生というのが、ほとんどいない。体調悪い中でも無理をして働いているというのが実態です」

20代(教員歴6年)
「『大変』って言いたいけど、でも他のクラスも大変だし、なかなか手伝ってほしいとは言いづらい」

Sitakke

外国語やタブレット端末を使った授業など、業務内容の多様化もあり、先生の負担は増すばかりです。

北海道教職員組合によりますと、道内の小中学校で、時間外労働の上限である「月45時間」を超えた教員は、4割を超えています。## 帰ってと言われても…「無理!」

Sitakke

帰る時間は、先生の裁量に任されているものの…。

20代(教員歴6年)
「校長先生、教頭先生は『早く帰って』と言ってはくれるんですけど、『わかりました』とは言うけど、心の中では『無理です』と思って…」

50代(教員歴36年)
「聞こえないところで、ベテランの先生が『帰れるわけねぇだろう!』って言ったことはありますけれどね」

20代(教員歴6年)
「逆に仕事が早く終わったので、帰ろうと思ったときに、周りの先生から『早く帰れていいね』って言われたときには、ちょっと…なんだそりゃ?と思って…そのときはイラッとしました」

40代(教員歴20年)
「学校を定時で帰ったとしても、結局やる仕事が終わっているわけではないので、その仕事を家に持ち帰ってやっているというのが現状かなと」

自分の子どもの運動会に行けない

Sitakke

多忙を極める先生たち。「有給休暇」など、休みを取ることはできているのでしょうか?

40代(教員歴20年)
「いわゆる自分のプライベートや、家族のことで休むことはほとんどできていないです。長男の学校の体育祭があったんですけど、私の学校でも、運動会の練習真っ盛りということで、なかなか休んで長男の体育祭へ行くということもできない状況でした」

50代(教員歴36年)
「自分の子どもの運動会とかそういうのは、期日が全く同じでしたので、ずっーと。一度も運動会には行ったことはありません」

20代(教員歴6年)
「私もなかなか休めなくて、鼻水とか、咳とか出ている程度だったら、もうマスクして、出勤していますね」

40代(教員歴20年)
「もうあえて体温を計らないという人も中にはいましたよね。熱がないだろうと、自分に言い聞かせて頑張っているというような人が結構多かったように感じます」

お金ではなくて働き方は変えてほしい

Sitakke

こうした労働環境を少しでも改善するため、働き方の見直しを訴えます。

50代(教員歴36年)
「人が増えたら、自分の持ち授業の時間数も減っていくし、もっとゆとりを持って子供に向き合う時間も取れるんじゃないか。お金で私たちは仕事をしていないけど、働き方は今すぐにでも変えてもらいたい。そんな気持ちです」

40代(教員歴20年)
「子どもたちにとって、目の前の先生が体を壊す、または過労死してしまう…それは絶対見せてはいけないことなのではないかなと思います」

20代(教員歴6年)
「先生は人の成長が見られる素晴らしい仕事。これから入ってくる若い人たちにもそう思ってもらえるように労働環境や体制を、もう少し変えてくれたらなと思っています」

教員業務支援員と教科担任

Sitakke

今回、教壇に立つ教師の過酷な労働環境を知ってもらいたいとの思いから、匿名を条件に、若手、中堅、ベテランの3人の先生たちが、取材に応じてくれました。

小学校や中学校では、教員の負担を減らすため、対策も取られています。

【教員業務支援員】

・2018年度から小・中学校などに配置
・北海道教育委員会は“1クラス1人”を理想としている
・資格は特に必要なく、主な業務としては、学習プリントなど授業準備や採点業務の補助など
・専門的な知識や技能を要しない業務を行う

【教科担任制】

・2022年度から開始
・小学校の高学年を対象に、教科ごとに専門の教員が授業を受け持つ。

しかし、教師の負担を減らす対策も、取材に応じた3人の先生方に伺うと、まだ上手く機能していない現状があるようです。

「教員業務支援員」は業務内容に対して、圧倒的に人数が足りていないこと。そして、補助業務にとどまらず、可能であれば授業も担務してほしいという要望があります。

そして「教科担任制」については、 外国語を教える専門教育だけしか進んでいない…そんな印象があるとの意見がありました。

教員の給料は、都道府県と国が支払っています。
一方「教員業務支援員」などの人件費は、市町村が支払います。

こうした背景もあり、市町村の財源や教育への力の入れ方で、地域差が出ている状況です。

▼先生たちの“ホンネ”聞いてみた!②「尋常じゃない…」ベテランもびっくりのリアルな1日のスケジュールとはに続く

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2024年6月7日)の情報に基づきます。

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