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子どもの脳の発達を促す「ビジョントレーニング」のやり方

  • 2024.7.1
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「ビジョントレーニング」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。東京大学の学生の多くが幼児期に行っていたという七田式教育にも通じる効果があり、脳や神経の発達を促すことが可能です。

ビジョントレーニングは「ゾーン」に入ることができるトレーニング!?

ビジョントレーニングというと、スポーツで速い球を見極めるために行う動体視力トレーニングというイメージが強いかもしれません。

よく野球の強打者は「ボールが止まって見える」などと表現していますが、トレーニングや集中力でそのような高いレベルの状態、いわゆる「ゾーン」に入ることができるようにしています。

しかしここでお伝えしたいのは、そういったスポーツの特殊な場面だけではありません。普段からそのような「ゾーン」の状態を簡単に導けるようであれば、いわゆる天才が育つのではないかということです。

どういうことか、科学的に解説してみましょう。

「インターチェンジ効果」をトレーニングに応用する

「インターチェンジ効果」というものがあります。この言葉は、おそらく初めて聞く方が多いことでしょう。

これは、もともと速読の世界の言葉です。

たとえば高速道路をしばらく走っていてから一般道に下りると、いつもより遅く感じてつい車間距離を詰め過ぎてしまったり、イライラすることはないでしょうか。

これが、インターチェンジ効果です。

速く動くものに目が慣れ、そしてそれを脳で処理し続けるうちに脳の働きが向上している状態となります。このインターチェンジ効果が、子どものトレーニングとして応用できるのです。

脳は神経の塊。神経は5歳までに20歳時の9割が完成することが、スキャモンの発達曲線により分かっています。

▲スキャモンの発達曲線(グラフは筆者作成)

この時期に七田式のようなフラッシュカードを用いて目と脳を速いものに慣れさせておくと、それが当たり前となり、短時間でたくさんの処理ができるようになります。

このような実験があります。

速読が得意で、野球をやったことがない小学生くらいの子どもに、バッティングセンターで時速100kmの球を投げてみました。

すると、素人なので飛ばせはしないものの、当てることはできたのだそうです。素人にとって、時速100kmはかなり速い球であるにもかかわらずです。

ボールを複数個使用して素早く行う練習を増やした。結果は?

私自身も受け持っているチームで、ボールを複数個使用して素早く行う練習を増やしました。

その結果、選手のプレーの質が上がり、新体力テストが市内最低水準の学校のチームであるにもかかわらず、県大会優勝しています。

もちろん、それだけが要因とは言えないかもしれませんが、選手の目がよくなり(視力ではなく見ている部分やタイミングなど)、戦術などの理解力も高くなったと効果を実感しています。

東大生の多くが七田式を行っていたというのも頷けます。

2倍速・3倍速の動画を見せるのは逆効果!

このように聞くと、「それならば、さっそく2倍速・3倍速の動画を見せよう」などと考える親御さんがいらっしゃるかもしれません。

しかし、それはおすすめしません。

アメリカ小児科学会ではタブレットPCについて、「2歳までは見せない方がよく、2~5歳でも1時間までに制限したほうがよい」と発表しています。

理由としては、言葉の発達の遅れに関係するためとしています。

また、寝る前にテレビやタブレットPCを使っていると、寝つけなくなって生活リズムの乱れにつながります。

遊んでいるときにテレビを背後で流しているのも、集中できなくなり注意力を低下させます。そのため動画ではなく、フラッシュカードを用いて喋りながら行う方がよいでしょう。

ゴールデンエイジ期のビジョントレーニングはオススメ

「ビジョントレーニングは、脳を育てる」といっても過言ではありません。とくに小さい時期に有効ですので、ぜひお子さんに試してみてはいかがでしょうか。

関連記事:視覚能力を高めれば、パフォーマンスもアップする。スポーツビジョントレーニング3選

執筆者プロフィール

赤堀達也(あかほり・たつや)

1975年生まれ。静岡県出身。小中学校・大学でバスケを指導し、小・大で全国出場、公立中学で県Best4 に入るなどの実績を残す。最高は全国準優勝。選手育成は独創的理論による論理的指導で行い、新体力テストが最低水準校で県大会優勝、高校時代に日の目を見ない大学の選手で東海1部に昇格した。また幼児・高校の体育も行い、全年齢の子どもに携わる。現在は群馬医療福祉大学で教鞭を執り、幼児の体育・健康の授業や研究を行っている。また学校における働き方改革の部活動問題の解決に向け、社会体育クラブを設立・活動している。
【HP】 https://mt-a.jimdo.com

<Text:赤堀達也>

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