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『アンメット』最終話の手術シーンが“一番リアル”になったワケ。Yuki Saito監督が語る制作秘話【後編】(4)

  • 2024.7.1
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『アンメット』第11話より ©カンテレ

6月24日(月)に最終回を迎えた月10ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』(カンテレ・フジテレビ系)。今回は、本作のチーフ演出を務めるYuki Saito監督にインタビューを敢行。後編では、ドラマの名シーンを振り返りながら杉咲花と若葉竜也の覚悟が伝わる撮影裏話など、お話をたっぷり伺った。(取材・文:あさかしき)
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『アンメット』第11話より ©カンテレ
『アンメット』第11話より ©カンテレ

―――『アンメット』最終話では、これまでの集大成とも言える手術シーンが描かれました。手術シーンを振り返ってみて、挑戦されたことなど教えていただけますか?

「最終話のミヤビの手術は、“時間”を描くことがテーマでした。時間との戦いを描くと聞くと、既存のドラマでよく見られるような、時計がアップで映し出されて『チチチチチチ…』と鳴ってもいない音が鳴り響くなんて演出が思い浮かぶかと思いますが、リアリティを大切にしているアンメットではそういう演出はしたくありませんでした。今回、野呂佳代さん演じる成増が時間を計る1分のシーンでは、全ての手術の工程を実時間で、それも1カットで見せ切るというチャレンジをしました。最終回にふさわしく、今までで一番、リアルな手術シーンになったと思っています」

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―――前編のインタビューでも伺いましたが、『アンメット』の手術シーンは、息が詰まるような緊張感が魅力です。

「これは手術シーン全般にいえる事ですが、みんなただそこにいればいいわけじゃなくて、全員に役割があって必要だからそこにいるんです。

例えば吉瀬美智子さん演じる津幡さんは、若葉竜也さん演じる三瓶が使う器具を彼のペースに合わせて渡さなければいけない。成増だって、時間を計りながら麻酔の効果を全部記録しているし、千葉雄大さんの星前も、助手として三瓶が手術しやすいようにサポートをしないといけない。

全員が、手術で具体的に何が行われているのか、それぞれの器具が何のために使われるものなのか、そこで果たすべき自分の役割は何なのか。医療監修の先生にマンツーマンで教えてもらって、全て理解した状態で現場にいるんですよ。実際の手術に近い環境が再現できているから、観た方に『リアリティがある』と言っていただけるのだと思います」

(取材・文:あさかしき)

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