1. トップ
  2. 日本エンタメの財宝・時代劇は老若男女誰しもが楽しめる 「暴れん坊将軍」等からその魅力を紐解く

日本エンタメの財宝・時代劇は老若男女誰しもが楽しめる 「暴れん坊将軍」等からその魅力を紐解く

  • 2024.7.1
  • 30 views
7月1日“テレビ時代劇の日”から6日間「スカパー!時代劇専門チャンネル」が無料放送を実施 ※写真は松平健主演「暴れん坊将軍」より
7月1日“テレビ時代劇の日”から6日間「スカパー!時代劇専門チャンネル」が無料放送を実施 ※写真は松平健主演「暴れん坊将軍」より

【写真】若き日の松方弘樹さん「名奉行 遠山の金さん」より

「暴れん坊将軍」「名奉行 遠山の金さん」「必殺仕事人」…等、多くの人が一度はそのタイトルを見聞きしたことがあるはずだ。「時代劇」は年配者が好むジャンルのイメージがあるが、実は老若男女誰しもが楽しめる要素がある、日本のエンタメ界の財宝ともいえる。子ども向けアニメのように起承転結がはっきりしていて分かりやすく、韓国映画のように激しく感情を揺さぶられる。

また、アクション映画のようにワクワクする殺陣シーンもあり、時には恋愛映画のようなラブロマンスも繰り広げられる。そしてなんと言っても、特撮ヒーローのような“勧善懲悪”だからこそ観ていてスカッとするのだ。

7月1日“テレビ時代劇の日”から6日間「スカパー!時代劇専門チャンネル」が無料放送を実施
7月1日“テレビ時代劇の日”から6日間「スカパー!時代劇専門チャンネル」が無料放送を実施

7月1日は“テレビ時代劇の日”。そんな記念すべき7月1日(月)4時から7月6日(土)17:50までの6日間、スカパー!時代劇専門チャンネルが無料放送を実施する。ぜひこの機会に日本独自であり唯一のエンターテインメント・時代劇の歴史を覗いてみてはいかがだろうか?

松平健主演「暴れん坊将軍10」(月~金18:00)

7月1日“テレビ時代劇の日”から6日間「スカパー!時代劇専門チャンネル」が無料放送を実施 ※写真は松平健主演「暴れん坊将軍」より
7月1日“テレビ時代劇の日”から6日間「スカパー!時代劇専門チャンネル」が無料放送を実施 ※写真は松平健主演「暴れん坊将軍」より

“め組”の辰五郎(北島三郎)のところへ居候している貧乏旗本の三男坊・徳田新之助(松平)。その正体は名君の誉れ高い八代将軍・徳川吉宗だった。"暴れん坊将軍"こと吉宗は身分を隠し、辰五郎らの協力を得て江戸市中で起こるさまざまな事件を解決していく。

“マツケン”こと松平健の代表作「暴れん坊将軍」シリーズ。1978年の番組開始以来、30年間にもわたって放送された長寿シリーズで、江戸幕府の第八代将軍・吉宗自らが悪を成敗していく物語。吉宗=新之助の関係を知るのは、じい、お庭番、大岡忠相、辰五郎ら数少ない信頼関係がある人々のみ。また人間・吉宗の魅力が、町火消し"め組"を取り巻く人々とのホームドラマ的要素を通して描かれる。無料放送中にお届けするシリーズ第10弾では、毎回女性ゲストが登場し、新之助との様々なドラマを繰り広げる。

松方弘樹主演「名奉行 遠山の金さん」(月~金19:00)

【写真】若き日の松方弘樹さん「名奉行 遠山の金さん」より
【写真】若き日の松方弘樹さん「名奉行 遠山の金さん」より

北町奉行の遠山金四郎が、普段は遊び人の金さんとして市井に入り込み、ひとたび事件があれば桜吹雪の刺青をあらわに悪人たちを懲らしめる。

2017年1月、74歳でこの世を去った名優・松方弘樹の時代劇における代表作。1988年から10年以上にわたって放送された、お白洲での名裁きが痛快な娯楽時代劇である。昭和を代表する時代劇スター・近衛十四郎を父に持つ松方は、歴代俳優の中で最も長い期間、遠山の金さん役を務めた。芝居の幅の広さはもちろんのこと、刀の構えや残身のしぐさなど、父・近衛十四郎を彷彿とさせる、歴代金さん屈指の立ち回りも必見だ。

藤田まこと主演「必殺仕事人」(7/3水スタート月~金16:00)

「必殺仕事人」
「必殺仕事人」

金で殺しを請け負って、人の怨みをはらす仕業人・商売人と呼ばれる殺し屋たち。だが彼らは厳しい取締りのもと、江戸から消息を絶っていた。その一人、表向きは南町奉行所同心の中村主水(藤田まこと)は八王子に左遷されていたが、元締の鹿蔵(中村鴈治郎ほか)の手引きによって江戸へと戻される。そして飾り職人の秀(三田村邦彦)、浪人の畷左門(伊吹吾郎)と共に仕事人を結成するのだった。

1972年に始まり、実に足掛け20年・全30シリーズ続いた「必殺」シリーズ。初期の「必殺」は、男性好みのワイルドな作品だったが、この「必殺仕事人」に登場する飾り職人の秀ら華麗なキャラクターたちにより、幅広い世代から支持を得た。主人公の中村主水は、表の顔は冴えない同心で家庭に帰れば嫁と姑に嫌味を言われる情けない“婿殿”だが、裏の顔は凄腕の殺し屋。そんな日常と殺し屋とのギャップが、実に面白く癖になる。

また個性的な殺し屋たちが披露する、独創的で華麗な殺しのテクニックも必見だ。彼らが殺す相手は“世のため人のため”にならない人物に限られる。しかし、どんなに人道的に心を動かされようとも、金とひきかえの“仕事”としてしか殺しはしないのが彼らの掟。その徹底ぶりが、単なる正義の味方ではないアウトローな時代劇ヒーロー像として、唯一無二の世界観を作り上げている。

ほかにも、正義に燃える北町奉行・榊原主計頭忠之(里見浩太朗)またの名を榊夢之介が、大泥棒ねずみ小僧次郎吉(風間杜夫)と手を組んで江戸にはびこる悪に立ち向かう痛快時代劇・「八百八町夢日記スペシャル」(7/3水&4木連日14:00)や、土佐藩の下級武士である郷士・坂本八平(橋爪功)の次男として生まれた竜馬(市川染五郎※十代目松本幸四郎)が、飛び抜けた行動力と人間的魅力で維新の主役となり、激動の時代を生き抜く姿を描く時代劇「竜馬がゆく」(7/4木スタート月~金あさ8:00)等も見逃せない。

「竜馬がゆく」(主演:市川染五郎)
「竜馬がゆく」(主演:市川染五郎)

時代劇というジャンルとしては一括りになっているが、その作品ならではの個性と魅力が溢れている。と同時に、古き良き時代劇としての優雅で洗練された所作や華やかな美術セット&着物等はどの作品にも健在だ。

スカパー!時代劇専門チャンネルでの無料放送は、池波正太郎原作、松本幸四郎主演 「鬼平犯科帳」の最新作・連続シリーズ「鬼平犯科帳 血頭の丹兵衛」の独占初放送を記念したもの。(7/6土19:00)「鬼平犯科帳」の新作を心待ちにしているファンはもちろんのこと、これから時代劇の世界に足を踏み入れる将来のファンにも向けて、名作時代劇がたっぷり味わえる6日間となっている。

無料放送で過去の名作時代劇をとことん楽しんだあとには、最新作「鬼平犯科帳 血頭の丹兵衛」にも足を踏み入れ、時代劇の歴史の継承と進化をぜひその目で確かめてみてほしい。

構成・文=戸塚安友奈

元記事で読む
の記事をもっとみる