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ゴールドマン・サックス元幹部女性の告発ほか、いま読みたい4冊。

  • 2024.7.1

記憶の断片から浮かび上がる、私という存在と家族の秘密。

『小さくも重要ないくつもの場面』

シルヴィー・ジェルマン著 岩坂悦子訳 白水社刊 ¥3,080

家族とは不思議な集合体だ。時が過ぎれば、うたかたの夢のように跡形もなく消えてしまう。幼い頃に母親はリリと父親を置いて出ていった。父親が再婚し、祖母を亡くしてからは、継母と異母兄姉との関係になじめないまま。記憶の断片に刻まれているのは自分という存在の心もとなさだ。生まれて、生きて、人は一体どこに向かうのか。それぞれに秘密を抱えた家族の物語をパズルのピースを拾い集めるような詩的な語り口で描き出す。

元幹部だった女性が、ウォール街の内幕を告発。

『ゴールドマン・サックスに洗脳された私金と差別のウォール街』

ジェイミー・フィオーレ・ヒギンズ著 多賀谷正子訳 光文社刊 ¥2,420

ゴールドマン・サックスの元幹部の女性がウォール街の内幕を告発した衝撃のノンフィクション。トップに昇りつめるまでの16年間は、ひと昔前なら超エリートキャリアウーマンのサクセスストーリーだろう。しかし彼女は秘密保持契約を拒否、退職金を投げうってまで「自分のようにはなるな」と警告する。億単位の報酬と地位の代償は、人生さえも会社に捧げ尽くさねばならないほどの激務と壮絶なパワハラとセクハラだった。

言葉にならない悩みが、未来の自分を育てる。

『正解のない雑談言葉にできないモヤモヤとの付き合い方』

大平一枝著 KADOKAWA刊 ¥1,870

好きな世界はあるけれど、仕事とどう結びつくのかわからない。孤独や迷い、結論の出ないモヤモヤした感情とどう付き合ってきたのか。料理家の飛田和緒、絵本作家のヨシタケシンスケ、写真家の川内倫子、ニットデザイナーの三國万里子ほか世代も職業も違う13人と語った対話集。誰の人生にもある凪の時間、ひとりになって考えたからいまがある。どの人の言葉もその人ならではの経験に裏打ちされていて、そっと背中を押してくれる。

パリ郊外の村から届いた、野趣あふれる花のある暮らし。

『フランスの庭 花のたより365日』

西田啓子著 青幻舎刊 ¥2,860

パリから南西60㎞の地にある小さな村、シェライユ。広大な花農園でファーマーズフローリストとして暮らす著者が、日常の中に花があるフランスならではのナチュラルな花のアレンジを紹介。散歩をしながら切れ枝を集めてつくるブーケ。ブラックベリーにミント、ノスタルジックなオールドローズ......花も果実も野趣あふれるみずみずしい美しさ。1日1ページの写真と文章で、ページをめくるたび季節の移ろいを感じさせてくれる。

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