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【夏の宿根草10選】植えっぱなしOK! バラのあとに庭を彩る夏の宿根草&球根

  • 2024.6.30

華やかなバラの季節のあとに、夏の庭を彩ってくれる宿根草や球根をご紹介します。植えっぱなしで年々、株が大きくなり、花の数が増えるのが魅力です。鳥取県米子市で庭を丹精する面谷ひとみさんがおすすめをセレクトしてくれました。暑い時期にも美しい草姿を保つための手入れの仕方もチェックしてください。

バーバスカム‘ウェディングキャンドルズ’

バーバスカム‘ウェディング キャンドルズ’

学名/Verbascum chaixii ‘Wedding Candles’
種類/宿根草(耐寒性多年草)冬季常緑・半常緑
草丈/60〜100cm 株張り/30〜50cm

アイボリーの小花が縦に連なって穂状に咲きます。草丈が1m近くになり、存在感はある一方、株幅はスリムで他の草花と組み合わせやすいのも魅力です。私の庭では花心のパープルに合わせて、リシマキア・アトロプルプレア‘ボジョレー’とコーディネートして植えています。‘ボジョレー’は春から咲きますが、この時期になると50cmくらいになり、‘ウェディング キャンドルズ’と共演させるのにぴったりです。草丈が高くなると倒れてしまうこともあるので、70cmくらいを越えたら支柱を立てます。

アリウム‘サマードラマー’

アリウム‘サマードラマー’

学名/Allium ‘Summer Drummer’
種類/球根
草丈/約130~200cm 株張り/20〜30cm

アリウムはさまざまな種類を庭で育てていますが、アリウム・ギガンチウムもアリウム・クリストフィーもアリウム・ニグラムも、バラの開花と同じ頃に咲きます。一方、この ‘サマードラマー’はアリウムの中でも遅く開花し、バラの後の庭を彩ってくれます。背丈以上に伸びる細い茎の先に、10cmほどの花を咲かせます。ポン、ポンと紫色の丸い花が空中をリズミカルに彩る風景がユニークで楽しい花です。草丈が高いので、倒れないように30〜40cmの支柱を立て、株の下のほうでゆるく縛ってあります。このくらいの高さで支えてあげれば倒れることはなく、支柱は葉に隠れて目立つ心配もありません。耐寒性も耐暑性も強く、植えっぱなしで毎年よく咲いてくれます。

アリウム‘クリストフィー’
バラの頃に咲くアリウム‘クリストフィー’。星形の花が特徴でバラの株元で咲く草丈。

カワラナデシコ‘ミーティア’

カワラナデシコ‘ミーティア’

学名/Dianthus superbus
種類/耐寒性多年草または一・二年草 冬季常緑・半常緑種
草丈/40~60cm 株張り/20〜30cm

切り花として育種されたカワラナデシコで、華奢な茎がスッと伸び、切れ込みの深いピンクの花をたくさん咲かせます。ふわふわと繊細な雰囲気で咲くピンクの花は、バラが終わったあとの夏の庭の貴重な彩りです。夏から秋まで咲きますが、高温多湿に弱いので、いったん咲き終わったら切り戻して夏越しさせます。もう何年もこの場所で咲いてくれています。

カワラナデシコ‘ミーティア’
花弁のフチがフリンジ状になり繊細な雰囲気の花。

ダリア‘ラべラグランデ キャラメル’

ダリア‘ラべラグランデ・キャラメル’

学名/Dahlia hybrida
種類/宿根草
草丈/30~40cm 株張り/30~40cm

やさしいアプリコットカラーと白色のグラデーションがきれいなダリアです。コンパクトに姿よくまとまるので、レイズドベッドの花壇に夏の花々とともに寄せ植えにしています。バラの頃からよく咲き、一旦花が終わって切り戻しても、次のつぼみがたくさんひかえていて、すぐに再び満開になり華やかです。

夏花壇
バーベナやビデンスとの寄せ植え花壇。

カンパニュラ・ラプンクロイデス(ハタザオキキョウ)

カンパニュラ・ラプンクロイデス(ハタザオキキョウ)

学名/Campanula rapunculoides
種類/宿根草(耐寒性多年草)
草丈/100~120cm 株張り/40~80cm

古くから「ハタザオキキョウ」の名で親しまれるカンパニュラです。細い茎に青紫色のベル形の花が連なり、とても涼しげな雰囲気で咲いてくれます。植えっぱなしでどんどん広がり、花後に茎を切る程度で、放任でもとても丈夫。こぼれ種でもよく増え、林立するように群生して見事です。耐寒性にも耐暑性にも優れ、場所によっては帰化植物としてあちこちで見られるほど、日本の気候には適しているようです。

シャンデリアリリー

シャンデリアリリー

学名/Lilium
種類/球根
草丈/80~120cm 株張り/20~30cm

華奢な茎を伸ばして、下から花が咲き上がってきます。繊細かつ素朴で山野草のような雰囲気を持ちながらも、花があちこちを向いて咲く様子はまさしくシャンデリアのようで華麗さもあります。6月下旬くらいから咲き出し7月初旬には終わってしまいますが、丈夫で毎年この時期に美しい姿で楽しませてくれます。花後は葉っぱから栄養が球根に送られるので切らずにそのままおいておき、秋になって黄色くなってきたら切ります。

アメリカアジサイ‘アナベル’

アメリカアジサイ‘アナベル’

学名/Hydrangea arborescens ‘Annabelle’
種類/低木
草丈/80~120cm 株張り/80~150cm

真っ白な花は花径20cm以上になる大輪で、大株になると遠目から見てもよく目立ちます。夏が過ぎると段々と緑色になって乾いていき、ドライフラワーの花材としても重宝します。一般的なアジサイは翌年の開花のために、花後すぐに剪定する必要がありますが、‘アナベル’は翌春になってから花芽が形成されるため、色変わりする花を長く庭に留めておくことができるのも魅力です。白い‘アナベル’のほかにピンク色の花が咲く‘ピンクアナベル’も育てています。こちらは白花と比べると、やや小型で素朴な雰囲気です。

スカビオサ‘スノーメイデン’

スカビオサ‘スノーメイデン’

学名/Scabiosa atropurpurea ‘Snow Maiden’
種類/多年草(耐寒性多年草)冬季常緑・半常緑
草丈/60~100cm 株張り/25~40cm

スノーメイデンとは「雪の乙女」という意味。その名のとおり、かわいい白いポンポン状の花がたくさん咲きます。草丈が高くなるので、支柱をして育てます。初夏から咲き出し次々に咲くので、タネができないよう花がら摘みをこまめにすることと、満開後に切り戻しをすることで秋まで長く花が楽しめます。

梅雨の庭
梅雨から夏へと向かう庭。

アガパンサス‘クイーンマム’

アガパンサス‘クイーンマム’

学名/Agapanthus praecox orientalis ‘Queen Mum’
種類/多年草(耐寒性多年草)冬季常緑・半常緑
草丈/60~100cm 株張り/40~60cm

つぼみは青く、開花すると内側が白色なので、見る角度によって2色に見えるアガパンサスです。花径が15cmほどあり、アリウム・ギガンチウムのように丸く咲く花はよく目立ちます。とても丈夫で、何年も植えっぱなしですが、乾燥に強く近年の猛暑のなかでもきれいに咲いてくれる頼もしい花です。どんどん株が太って花数が増えてきていますが、あまりに大きくなってきたので、そろそろ株分けをしてリサイズしようかなと考えているところです。花後のタネ姿もユニークですが、全部残しておくと株が疲れてしまうのでいくつか残して花茎はカットします。

キキョウ

キキョウ

学名/Platycodon grandiflorus
種類/宿根草(耐寒性多年草)
草丈/約60cm 株張り/約30cm

キキョウは秋の七草の一つですが、6〜9月にかけて咲きます。東アジアに広く分布する宿根草で、日本でも古くから山野草として親しまれてきましたが、現在では自生種は稀で、国内では絶滅危惧種になってしまいました。つぼみが風船のような形をしており、英名では「バルーンフラワー」とも呼ばれます。冴え渡る青紫色の星形の花は凛として風情があり、蒸し暑い庭に清々しい印象をもたらしてくれます。初夏の一番花が終わった頃に茎を半分くらい切り戻すと、脇芽が伸びて2番花が咲きます。これといった病害虫もなく、暑さにも寒さにも強く丈夫でよく咲いてくれますが、過湿に弱いので水はけには注意します。

Credit
話 / 面谷ひとみ - ガーデニスト -

おもだに・ひとみ/鳥取県米子市で夫が院長を務める面谷内科・循環器内科クリニックの庭づくりを行う。一年中美しい風景を楽しんでもらうために、日々庭を丹精する。花を咲き継がせるテクニックが満載の『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(KADOKAWA)が好評発売中!

まとめ・写真 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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