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【知る人ぞ知る人気店「カフェ八角塔」】重要文化財「慶應義塾図書館旧館」内で優雅なひとときを

  • 2024.6.30

慶應義塾大学三田キャンパス内にある「慶應義塾図書館旧館」。赤レンガが美しいネオ・ゴシック様式の建築は1912年の竣工で、重要文化財に指定されています。今回はそんな図書館旧館に併設された「カフェ八角塔」を訪問! 入場無料で一般の方も見学・利用可能なので、大学のシンボルとして長く親しまれてきたこの場所で、優雅なカフェタイムを過ごすことができますよ!

慶應義塾大学のシンボル「慶應義塾図書館旧館」へ

創立は1858(安政5)年、福澤諭吉が江戸に開いた蘭学塾から出発した慶應義塾大学。

三田通りに面した東門を通り、三田キャンパスの中へ足を踏み入れるとすぐ、赤レンガ造りの鮮やかな建物が見えてきます。

こちらが今回訪れた、「慶應義塾図書館旧館」です!

1912(明治45)年、大学創立50周年を記念して竣工したネオ・ゴシック様式の建物は、大きな窓や赤と白のコントラストによって、レトロながらとても華やかな印象。

関東大震災や第二次世界大戦時の空襲で少なからぬ被害を受けたものの、そのたびに修復を重ね、現在まで竣工当時の姿を留めてきました。

大学のシンボルとして長らく親しまれてきた図書館旧館は、1969年に重要文化財に指定。建物の前には、その歴史と価値を伝える看板が設置されていました。

このような貴重な建築物ですが、現在でも書庫として現役。さらに一般の方も見学が可能で、大学の歴史を伝える記念館やカフェも併設されているんです!

ステンドグラスが輝く建物内

建物内に入ると、柱や天井など、ところどころの意匠やレリーフに歴史を感じられる、重厚な造り。

建物奥にある階段の踊り場部分には、見どころである大きなステンドグラスが輝き壮観です!

竣工当時の作品は戦災で失われてしまいましたが、当時の図柄を再現し、復元されているとのこと。

ステンドグラスに武士が描かれているのは珍しく感じますが、「封建社会を象徴する武将が、慶應のペンマークを手にした文明の女神を迎える」という意図なのだそう。歴史ある大学ならではのデザインなんですね。

また、2階部分は「福澤諭吉記念 慶應義塾史展示館」として利用されています。こちらでは福澤諭吉の誕生から慶應義塾大学の創立、そして現在に至るまでの歩みが、資料と共に紹介されていますよ。

図書館旧館に関しても、空襲による火事で変形したステンドグラスの破片や、骨組みだけになってしまった屋根の写真なども展示されています。戦災からいかに復興し、建物が守られてきたのかを目の当たりにしました。

重要文化財の中で営業「カフェ八角塔」

1階に戻り、今回のお目当てのカフェへ!

建物入り口から見て右側に、カフェ八角塔の入り口があります。図書館らしく、本をモチーフにした看板が、積み重なった古本の上に鎮座していますね。

店内は、シャンデリア風の照明や洋風の窓、高い天井によって、優雅な雰囲気が漂います。

奥の扉を抜けた先は、店名の由来になった八角形の塔の内側です。

また、建物と同じ八角形のテーブルは、皇室や国会議事堂の家具も手掛ける三越製作所の特注品なのだそう! 椅子についても、大学が保有していたドイツ家具メーカーのヴィンテージ品とのこと。

さすが重要文化財内のカフェ、内装も抜かりないこだわり具合です。

こだわりのメニューを実食

福澤諭吉も食べた?カレー「コルリ」

伝統的な喫茶メニューを再解釈し、現代的にアレンジする「ネオクラシック(新古典主義)」をコンセプトにしているカフェ八角塔。

メニュー表も図書館を連想させるような、本の貸し出しカード風になっています。

今回はお店おすすめのカレー「コルリ」をいただきました!(単品価格:1,300円)

外国の食事に大きな関心を寄せ、著書の中でも数多くの西洋料理に言及していた福澤諭吉。「コルリ」という名称は、1860年に出版の『増訂華英通語』の中で、日本に初めてカレーを紹介した際の言葉なのだとか。

福澤諭吉が実際に食べたのはどんなカレーかは不明ですが、時代を考えるとインド系のカレーではないか、とのこと。

なお、カフェ八角塔でいただける「コルリ」は、牛豚ひき肉の旨味を強く感じられるキーマカレーとなっています。

12種類のスパイスが配合されており、豊かな香りと味わいが楽しめますが、辛さは適度に抑えられており、コク深いおいしさです! 玄米入りで炊かれたお米や、付け合わせの季節の野菜のアチャール(インドのお漬物)との相性も抜群でした。

また、平日のランチのみ、サラダとドリンク付きのお得なセットを注文可能ですよ! (軽食メニューの価格に加えて、珈琲・紅茶は500円、珈琲牛乳・紅茶牛乳は600円での提供)

サイフォンで抽出する珈琲

ランチセットで珈琲もいただきました。なお、単品で注文する際の価格は800円となっています。

カフェ八角塔でいただけるのは、オリジナルブレンド1種類のみ。「モカ・ジャヴァ」と呼ばれる、世界最古といわれるブレンドを現代の解釈で再構築した配合なのだそうです。

使用する珈琲豆は、東京・蔵前の珈琲とチョコレートの名店「蕪木(かぶき)」からの提供。注文を受けてから1杯ずつサイフォンで抽出するという珈琲は、クリアな味わいと穏やかな苦味が感じられました。

珈琲とあわせていただくおすすめのスイーツは、「マカロン」とのことであわせて注文。(価格:400円)

こちらは「くにおかチョコレート」からの提供。千葉県の里山で自家採卵された卵白を使用したマカロンは、濃厚なチョコレートガナッシュと、ナッツの香りを満喫できます。

期間限定のメニューも!

月替わりや季節限定のメニューも充実しています。筆者は「季節のクリームソーダ」から、「生メロン」をいただきました。(価格:900円)

透き通った緑色のソーダと白いバニラアイスクリーム、真っ赤なシロップ漬けのサクランボの組み合わせは、ポップで写真映え抜群です。

一方お味は本格派で、旬を迎えたメロン果肉を使用した自然な甘さ! よくあるケミカルなシロップ感はありません。

爽やかなソーダとフルーティーさを感じる生メロンの組み合わせは、夏にぴったり。アイスを溶かせばまろやかになり、1杯で2度のおいしさです。

クリームソーダ以外にも、季節のケーキや、大学併設のカルチャースペース「慶應義塾ミュージアム・コモンズ(ケムコ:KeMCo)」の展示とコラボしたメニューなどが展開されていますよ。

ゆっくり取材させていただき、カフェを満喫。取材日はあいにくの大雨でしたが、雨音を感じながら窓の外を眺めるのも素敵な時間でした。

でもちょっと食べすぎですかね……?

営業時間や混雑する時間帯は?

クラシックな雰囲気が漂うカフェ八角塔でしたが、実はオープンは2021年。図書館旧館の耐震のための改修工事が終了し、展示館が開館することに合わせての開業でした。

当初はコロナ禍ということもあり、"知る人ぞ知るカフェ"といった様子だったそうですが、近年は大学の外からも多くの方が訪れます。

カフェ八角塔の利用にあたっては、平日・土曜日ともにお昼時の12時ごろと、中休みを挟んだ15時ごろが混雑するとのこと。特に土曜日には満席の場合も多いそうですので、ゆっくりと過ごしたい方は午前中に訪れるのがおすすめです。

また、図書館旧館・カフェ八角塔ともに平日と土曜日にオープン。詳しいスケジュールはそれぞれ慶應義塾史展示館の公式サイトとカフェ八角塔のSNS(Instagram/X)に記載されていますので、訪れる際にはご確認くださいね。

歴史ある建物で優雅なカフェタイムを

帰り道に振り返ると、キャンパスの門まで八角形の塔が見送ってくれているよう。長らく愛され、守られてきた大学のシンボルで楽しむ本格的なカフェタイムは、歴史を感じる優雅な体験でした。

 

慶應義塾 図書館旧館

所在地:東京都港区三田2−15−45 慶應義塾大学三田キャンパス内

開館時間:10:00~18:00

休館日:日曜日・祝日・夏季一斉休暇(例年8月中旬1週間程度)・年末年始

入場料:無料

 

カフェ八角塔

営業時間:10:00~14:00(LO.13:30)15:00~18:00(LO.17:30)

店休日:日曜日・祝日・大学指定休

 

 

[Photos by ぶんめい]

※価格はすべて税込です。

※時期により商品の仕様や品揃え、価格が変わる可能性がありますので、ご注意ください。

※店舗営業については最新情報をご確認ください。

 

 

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