雑誌の「バックナンバー」がブーム？Z世代が“古本”と“昔のファッション誌”に惹かれるワケ

ファッション雑誌をはじめとする日本の雑誌のバックナンバーが、若い世代を中心に国内外で人気を集めています。どうして人気なのか、どこでバックナンバーを手に入れられるのか？気になるトレンドを紹介します。

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人気が高まっている雑誌のバックナンバー。特に注目されているのはファッション雑誌で、自宅に保管してきたバックナンバーを再び楽しむ人もいれば、古書店で目当ての号を探す人など、入手方法はさまざまです。

古書店などもこぞってバックナンバーを仕入れ、販売している様子。X（旧ツイッター）などのSNSで「雑誌バックナンバー」と検索すると、豊富な商品ラインナップの投稿を多数見ることができます。

昭和や平成のカルチャーにフォーカスした「レトロ」が令和の若者たちから支持を集めていることはご存じの人も多いでしょうが、そのレトロブームの一つとして雑誌も注目されているようです。

インスタグラムでは「古本」のハッシュタグが付いた投稿がおよそ34万件以上、「古本屋巡り」のハッシュタグが付いた投稿がおよそ1万7000件以上シェアされています。

それにしても「なぜあえて過去の雑誌を？」と思う人もいるかもしれません。

ファッション雑誌をはじめ当時のトレンドが詰まったバックナンバーには、実にさまざまな魅力を見つけることができます。

まずは、何と言ってもレトロなデザイン。ファッション雑誌のバックナンバーで特に人気なのが、1970年代から1990年代にかけてのものです。ヒッピースタイルやオーバーオールなど、アメリカンスタイルが流行した1970年代から1980年代、ギャル文化が最盛期を迎えた2000年前後……。

当時を実際に知っている大人にとってはただ懐かしいスタイルも、今の若者たちから見ると“エモい”を超えたレトロなスタイルに映るのです。それを堪能したいと熱視線を送るのは、ある種の必然とも言えるでしょう。

また、雑誌という特性上、情報がトレンドに特化しているため当時の潮流がうかがえます。写真、文章ともに情報量盛りだくさんのファッション雑誌は、ファションスタイルや当時の人々の文化を知りたい、学びたいと思う新世代にとって非常に有益なものです。

さらに、ファッション雑誌一つとっても雑誌によってスタイルが異なり、企画によってテーマ性が強いのも興味深いところです。その時々で人気だった色、スカート丈、ヘアスタイル、重ね着スタイル……。当時の雑誌はどんな専門書よりも、タイムリーでリアルな情報が詰まっています。

バックナンバーで知った過去の流行を、自身のファッションに取り入れてSNSで紹介しているZ世代も観測できます。

時間がたつほど貴重品となっていく雑誌のバックナンバー。先に紹介した古書店などの他にも、一般的な書店の古本コーナーや古本市で出合うことができます。都市部だけでなく地方でも、人が多く集まる駅前やイベント会場などで古本市が開催されています。

ファッションやトレンドの情報を通して、当時の若者たちがどのような価値観を持っていたのか想像を巡らせてみるのも面白いかもしれません。

（岩井なな）