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梅雨時はなぜ頭痛が増えるの?【現役薬剤師が解説】低気圧頭痛の原因と対処法

  • 2024.6.29
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梅雨の時期になると、毎年頭痛を訴える患者さんが多くなると実感している現役薬剤師のかえでら実子さん。片頭痛をメインに、頭痛の原因や対処法などを紹介していただきました。

頭痛は大きく2つに分類されます

梅雨シーズンに入りました。雨の日が続くと、気圧の関係で頭痛を訴えるかたが増える印象です。頭痛は、原因によりさまざまなタイプにわけられ、市販の薬で対応できるもの(一次性頭痛)と、すぐに病院にかかったほうがいいもの(二次性頭痛)があります。

一般的に頭痛といわれるものは一次性頭痛に分類され、片頭痛、緊張性頭痛、群発性頭痛といった、くり返し発生する慢性的な頭痛です。一方、二次性頭痛は脳や他の病気が原因となって発生する頭痛で、くも膜下出血や脳腫瘍など重大な病気によるものが含まれます。

今回は、これからの時期に増えると思われる片頭痛をメインに、頭痛の原因や対処法などを紹介していきたいと思います。

片頭痛(一次性頭痛)について

片頭痛は、頭の片側、または両側のこめかみあたりにズキンズキンと脈打つような痛みがくり返し発生する頭痛のことで、吐き気を伴うこともあります。音や光といった外部からの刺激により誘発されることが多く、気圧の変動による頭痛も片頭痛に分類されます。

梅雨シーズンに症状を訴えるかたが多い低気圧頭痛がこれにあたります。低気圧頭痛のおこるメカニズムは、気圧の変化により脳の血管が拡張し、顔や頭の感覚をつかさどる三叉神経が興奮して痛みにつながる物質が分泌されます。その影響で脳の表面の神経と血管周囲に炎症が発生。さらに血管が拡張し神経を刺激してしまうという悪循環が生じ、痛みが発生すると考えられています。

気圧以外の刺激による頭痛も同じようなメカニズムでおこると考えられていますが、まだ確定にはいたっておらず今もなお研究が続けられています。

片頭痛が発生するタイミングはいろいろありますが、睡眠不足や疲れているとき、緊張状態のときによくおこる傾向にあるようです。一方、緊張状態から解放されたときに発生するかたもいたりと、頭痛のおこる背景は人それぞれです。

自分がどのようなときに頭痛がおこりやすいのか、傾向を把握することで症状を未然に防いだり早めに対処することができるようになります。定期的に頭痛になるかたは、ぜひ発生時の体調や状況を記録してみてください。

緊張性頭痛(一次性頭痛)について

緊張性頭痛は身体や気持ちに負荷がかかっているときに発生する頭痛です。肩や首のコリが神経を刺激したり、精神的なストレスで脳が緊張状態にあることで、痛みの調節機能がしっかり働かなくなってしまい引きおこされます。

このタイプの頭痛は嘔吐を伴うことはなく、頭全体や一部のにぶい痛みが特徴で、我慢できないほどひどい痛みではありません。身体にかかっているストレスを取り除けば解消することが多い痛みなので、薬を服用するという解決方法だけでなく、頭痛がでないように行動するということも試してみてくださいね!

一次性頭痛に効果的な薬と注意事項

一次性頭痛には、市販の薬に含まれるアセトアミノフェン(カロナール)やロキソプロフェン(ロキソニン)といった痛み止めの成分が有効です。

しかし片頭痛の場合、それだけでは改善しないことがあります。処方薬には片頭痛専用の薬があるので、もし市販の薬で頭痛が改善しない場合は、医療機関を受診してみてください。ただ、頭痛の薬を連続して服用していると、薬の使い過ぎによる頭痛がでることがあります。頭痛が2週間ぐらい続いていたり、いつも使っている薬が効かないときは薬による頭痛の可能性があるので、一度病院を受診することをおすすめします。

二次性頭痛について

判断がなかなか難しいところですが、突然の強い頭痛、今まで経験したことのない痛み、頻度と程度がだんだん増していく頭痛、50歳以降に初めてでた頭痛、などの場合は二次性頭痛が疑われます。

これは市販の薬で治る痛みではありません。いきなり立っていられないほどの頭痛を感じたときは、迷わず救急車を呼ぶか、救急安心センター事業(#7119)に電話してみてください。

自分の頭痛タイプを知ろう

頭痛が頻繁にでたり、痛みの症状が続くと、日常生活に影響を及ぼすこともあります。自分がどんな時に頭痛がでるのか、それはどのような痛みなのかを記録し、頭痛の原因を考えてみましょう。そうすることで頭痛が出ないように行動したり、痛みがでた時にすぐ対処できるようになります。我慢していればそのうちおさまるから…と放置せず、まずは自分の頭痛タイプをはっきりさせ、痛みに煩わされない生活を目指しましょう!

(C) Gucks/Adobe Stock

文・かえでら実子

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