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他店舗のスタッフを「雑草」と呼びバカにする同僚。売り上げを横取りする先輩。会社の人間関係に悩んだら読んでほしい『女社会の歩き方』

  • 2024.6.29
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女性は男性より直接的な表現を避け、お互いに相手の感情や意見を察してコミュニケーションを取ることも多い。そのため、女性が多い会社では、人間関係がこじれやすいと言われることも。一緒に暮らす家族ですら難しいことを、会社の同僚相手に求められてはギスギスするのも仕方ないだろう。それに加えて謎のローカルルールまであれば、立ち回りのハードルはグッと高くなる。

『女社会の歩き方』(ぼのこ / KADOKAWA)は、そんな女社会の正しい歩き方を教えてくれるコミックエッセイだ。仕事は好きなのに人間関係が面倒くさすぎて辛くなっている人は、本作で学べる対処法や考え方を参考にしてみてもらいたい。

主人公の、ぼの田ぼのこは、子ども服ブランドに勤めていた。新人が次々と辞めていくヤバい店舗・B店への転勤をきっかけに、面倒くさい女社会に巻き込まれていく。B店は昔から花形店舗だと本部の人から褒められており、はじめからB店で勤務する人は他の店舗とは違うというプライドを持っているという。入社時からB店に勤める人は「花」、他店舗から移動した人は「雑草」として区別してきたという。

ぼのこが雑草呼ばわりされる時点で、B店が地獄のような職場だと理解できる。それに加えて、B店では「先輩に雑用をさせてはいけない」というルールがあった。さらには売上の横取りや妬みに嫉み、愚痴に陰口告げ口などなど…ぼのこは面倒くさすぎる人間関係に心を蝕まれていく。

業務に全く関係ないことに悩まされるぼのこの辛さを理解できる人は、決して少なくないだろう。実際、転職・退職する人の多くは人間関係に悩んでいることが多い。だからこそ、仕事をするうえで円満な関係を構築するのが大切なのだろう。ぼのこはそんな面倒くさい女社会や数々の悪しき風習に立ち向かい、自分が店長になることで復讐(リベンジ)することを決意した。

B店で働く人は性格に難があるものの、花形といわれるだけのことはあり他店舗よりも高い売上を出していた。つまり、尊敬できない人でも「参考にはできる」働き方をしているのだ。ぼのこはB店で働く同僚の悪いところは反面教師に、良いところは見習いながら自分らしい接客を磨いていく。女社会以外でも活かせる考え方を教えてもらえることは、本作の魅力のひとつだろう。今まさに職場の人間関係で悩んでいる人がいれば、ぼのこの考え方を取り入れてみてもらいたい。

ぼのこが努力する姿は、まさに「女社会の歩き方」を教えてくれる。でもでもだってと言い訳をして現状を嘆くのではなく、血肉になる知識を学びながら結果を出すために努力することが大切なのだ。

ぼのこの何よりすごいところは、自分だけ女社会から抜け出すのではなく周りを巻き込んでより良い店作りを目指すところだ。商品をおすすめできないという後輩には、商品の魅力をお客様目線に立って考えることで商品に対して自信を持てるようアドバイスする。さらに、実践した接客を共有してアウトプットさせることで、より高い知識を持つ店員を育てることにも繋がっていく。

伝え方ひとつをとっても、ぼのこの行動に学べることは多い。キツい言い方にならないようにいやらしくない褒めを織り交ぜて話すぼのこのやり方を、真似しようと思う人も多いだろう。現状の課題を「どうすればいいでしょう?」と周りに相談して解決策を見つける方法なんて、明日からさっそく試してみようと思えるほどだ。

心を病んでしまうほど会社の人間関係に悩むこともあるだろう。そんなときは、本作のエピソードを参考にして自分なりの「社会の歩き方」を考えてみてもらいたい。

文=ネゴト/ 押入れの人

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