ベルリン在住で6人の子どものお母さん。モデルとして活躍する傍ら「台所から子育て、暮らしを豊かに」をコンセプトに、オンライン講座とウェブサイトを主宰している日登美さんによる、「食」からはじまるエッセイです。
子どもと食の多様性
ベルリンは多様性に富んでいるとよくいわれますが、いろんな国籍、ジェンダーの人が住んでいるだけでなく、食生活においても多様性を尊重しています。
街を歩けばどこにでもビーガンや菜食のオプションがあり、それに特化したレストランもあれば、普通にベジタリアンやビーガンを選べるレストランも多いです。
学校給食でもベジタリアンと肉食と2パターン用意されているのが一般的。日本に住んでいたとき、ベジタリアンです、とかビーガンです、というとわざわざ特別メニュー対応になるし、面倒をかけてしまってすみません、という雰囲気だったのですが、ベルリンでは全く問題ない!というのはとっても自由な気持ちになります。
健康上の理由からだけでなく、さまざまな思想や宗教上の理由など、食の多様性も実は受け入れられて当然のはず。今やあらゆることを多数決や習慣で考えていると時代に取り残されてしまうように思います。
家庭の中だけでなく、給食や学食や社食、レストランなど日々多くの人が食事を共にする場所でこそ、食でも多様なあり方が認められていってほしい。そういうことが当たり前になっていくことも、もしかするとみんなが生きやすく、ひいては私たちの子育てを楽にしてくれるのかもしれないなぁと思うのです。