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キーワードは“アート”。パティーナ モルディブ流の「環境保護活動」がアーティスティックで面白い!

  • 2024.6.29
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#303 Patina Maldives(North Male Atoll, Maldives) パティーナ モルディブ(北マーレ環礁、モルディブ)

メインビーチのヤシの木に吊るされた籐のチェア。

今回ご紹介するパティーナ モルディブは、前回のザ・リッツ・カールトン・モルディブや今後開業するカペラ モルディブと共に複合リゾート「ファリアイランド」を構成するホテルのひとつです。

レストラン「ポルティコ」前のメインプールサイド。

3つのリゾートでシェアする施設「ファリマリーナビレッジ」はパティーナ モルディブの島にあり、ザ・リッツ・カールトンとはシャトルボートが行き来しています。

アクティビティエリアにあるもうひとつのプール。ガゼボもあります。

「パティーナ」とは、ウルトラ・ラグジュアリーなカペラ・ホテルズ&リゾーツの系列ブランドで、ここモルディブが第1号。そして2025年には日本の大阪城の真向かいに開業する予定です。

レセプション。どこかレジデンスを思わせるデザイン。
ファリマリーナビレッジにはセレクトショップも。

ザ・リッツ・カールトンからボートで渡ったパティーナ モルディブで迎えてくれたのは“エッセンシャリスト”。この島ではバトラーをこう呼びます。前回のザ・リッツ・カールトンでのバトラーの呼び名“アリス・ミーハ”よりはしっくりくる⁉

これまでのモルディブにはなかった体験ばかり!

本格的なマリーナ。ここにザ・リッツ・カールトンとパティーナ間を行き来しているシャトルボート乗り場が。
このブレスレットがルームキー。

さて、まずは島探検。

パティーナ モルディブも他の2つのホテル同様に人工島なのですが、ひらがなの「つ」をひっくり返したようなカタチをした島はとにかく長く、距離にして約1.1キロ。2021年のオープン後も開発は続き、いまだ2割が手付かず状態だそう。私の担当のエッセンシャリストも「時々道に迷う」と笑っていました。

リゾートのコンセプトは「自然の力、ウェルネス、クリエイティビティ、そして探検を通して、ラグジュアリーヴィラを超える体験を提供する」。

まさに、そのとおり。これまでのモルディブにはなかった体験や施設、スタイルが“実験的”といえるくらい取り入れられています。

たとえば、島全体が美術館のようにアート作品がちりばめられています。なかでも目を引いたのは、“光の芸術家”と称されるジェームズ・タレルの「スカイスペース・アマルタ」という作品(というか、建物!?)。

まさかジェームズ・タレルの作品がモルディブにあったとは!

残念ながら、滞在中はクローズしていましたが、ぽっかり開けられた天井から空のうつろいを観賞する作品だそう。直島にある地中美術館の作品「オープン・スカイ」を彷彿させます。

石柱が並ぶ「シンセシス・モノリス」ホンジエ・ヤン作。

また、サンゴの保護活動もアーティスティック! サンゴの苗を固定するためのセラミックをゲストに作ってもらうワークショップを無料で開催しています。ゲストの手作りのセラミックがサンゴと共に、自然環境に調和していく様子を想像すると、ワクワクしてきます。

創意工夫をこらしたセラミックにサンゴを接着。スタッフが海中に移植します。

また、海洋生物学者のオーシン・クリストファーさんはビーチで拾い集めたネットやプラスチックをひとつの作品に。この島では、なにか作りたいというクリエイティビティに火が付くようです。

アートを通して環境保護を伝える海洋生物学者のオーシン・クリストファーさん。

レストランの充実ぶりも圧巻!

スパでも最先端のファシリティやトリートメントに目を見張りました。まるでシークレットガーデンのようなエリアにトリートメントルームが点在し、モルディブ初のワツ(水中指圧)のプールやカプセルの中で浮遊感を味わうフローティング・ポットなども。

周囲の賑やかさから一転して、静けさに包まれたスパ。

ハイテクなプロダクツやファシリティを揃える一方で、いわゆるローテクのセラピストの手わざもハイレベル。担当してくれたセラピストのプトゥさんは筋肉の様子をチェックしながら指圧とストレッチを組み合わせたマッサージを行ってくれました。この組み合わせがちょうどよくて気持ちいい。

このガーデンにトリートメント・スイートやワツ専用の部屋などが点在。こちらがセラピストのプトゥさん。

レストランの充実ぶりも圧巻です。90のヴィラに対して、オールデイダイニングの「ポルティコ」と中華料理「ウォック・ソサエティ」を中心に、日本料理やビーチクラブ、ハーブガーデン内のプラントベースなど10カ所以上も!

香港の雰囲気を表現した「ウォック・ソサエティ」。滞在が長くなると、中華料理やアジアのフレーバーが嬉しいです。
ハーブガーデンの中にテーブルをセット。プラントベースのメニューを供する「ルーツ」。
ウォック・ソサエティの朝食のお楽しみ、ヌードルコーナー。麺の種類も豊富です。
卵料理のセレクトの中にあった、“お好み焼き風”。マグロのなまりぶしが利いています。

さらにファリマリーナビレッジにはフードトラック(アイスクリームが食べ放題)や中東料理レストランもあります。

ファリマリーナビレッジにはハンバーガーとアイスクリームのフードトラックが。
宿泊者は無料&食べ放題のアイスクリーム。トッピングも充実しています。

プロサッカーチームによるトレーニングセッションも?

他にも、2人乗り潜水艦「オーシャン・パール」が体験できるマリンスポーツセンター、3Dプリンターや木工工具も用意した本格的なキッズクラブなど、びっくりすることばかり。

パイロット1名、乗客1名の2人乗りの潜水艦。

また、モルディブ初のイベントとして「レアル・マドリード」のユースのコーチが指導するトレーニングセッションも開催(2024年7月4日[火]~8月12日[月])。2日間から参加でき、4日間の参加でレアル・マドリードファンデーションクリニックの参加証明書がもらえるそう。パティーナ モルディブが将来有望のサッカーキッズの登竜門となるかも⁉

ブラジル人建築家マルシオ・コーガン(スタジオMK27)が手掛けたヴィラは90棟。1~3ベッドルーム、ビーチまたは水上に分かれ、全棟に6.2メートル以上のプライベートプールが付いています。

1ベッドルーム ビーチプールヴィラ。庭まで含めると、広さ240平方メートル。
テラスにはハンモックとバスタブが。「ミノッティ」とのコラボも評判の建築家のマルシオ・コーガン。家具も買えます。

ぐるりと三面がガラス窓のリビング&ベッドルームは、周囲の自然と室内とをシームレスにつなぎます。リゾートでありながら、どこかレジデンスのような居心地の良さも感じるデザイン。ウッドやリネンなど自然素材を生かしたインテリアは購入も可能です。

水平線に向かって、床から天井までの窓をフルオープン!

エントリーレベルの「ステューディオ」は、エッセンシャリストはつかないけれど、広さは約60平方メートルと広々。アクティビティ関連の施設やマリーナに近いので、アクティブに過ごすにはおすすめです。

ゲストをあの手、この手でおもてなししてくれるパティーナ。2025年の大阪の開業が待ち遠しいです。

ハイエンドな客室「ビーチハウス」のガーデンにもアート作品が。

パティーナ モルディブ(北マーレ環礁、モルディブ)

●アクセス マーレのヴェラナ国際空港からスピードボートで約45分
●おすすめステイ先 パティーナ モルディブ
https://patinahotels.com/

古関千恵子(こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること30年あまり。
●オフィシャルサイト https://www.chieko-koseki.com/

文・撮影=古関千恵子

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